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親の経済格差よりも言葉力。「3000万語の格差」

こんにちは、イモンヌです。以前Twitterでもシェアした育児本の名著「3000万語の格差」について書きたいと思います。

文化資本や親の経済力よりも言葉の量!?


この本が衝撃的なのは
「子供の将来の学びの到達点を決める必須の要因は、(親の学歴の高さや経済的な地位とは無関係に)初期の言葉の環境でした。」

と言うことであり
「どれだけの量の言葉を、どのように親が子供に話したか」

で子供の学力や頭の良さが決まると言うこと。

SNSでは散々経済格差はもちろん、文化資本の格差が取りざたにされるが、現実問題として、親の「言葉力」の方がより子供に左右していると言うことが明らかになったそうだ。

親が話しかける言葉の量
子供が聞いている語彙の豊かさ
親同士の会話習慣


この3つがとても重要なんだそうだ。

一方で逆に、発達の足を大きく引っ張っていたのは
親の「だめ」「ストップ」「それやめなさい」で始まった時だった。

本では保護者が話す言葉が持つ強い力を明かしていく(「ポジティブ」にしても「ネガティブ」にしても)とともに、では、どのように子供に話しかければ良いのか、と言う方法まで提示してくれている。

三つのT

その一端を紹介すると
3つのTが重要視されていた。


注意と体を子供に向けて Tune in
子供にたくさん話す Talk More
子供と交互に対話する Take Turns


ポジティブな声がけは、自己肯定感や非認知能力を上げ、最終的には学力や地頭の良さにつながるものである一方で、


「アンコンシャス・バイアス=無意識な偏見」にまみれた言葉を子供に浴びせることによって、全く逆方向に作用することも親として留意しておきたいですよね。

アンコンシャスバイアス(無意識な偏見)


ネットで見た面白い事例があってピックアップしました。それはどちらかというと、「言葉が持つ巨大な負の側面」についてだった。

 花まる学習会・高濱正伸さん「理系、文系という枠組みを鵜呑みにしているだけ」|文系、理系の壁|朝日新聞EduA

日本は高校の文理選択で文系、理系に分かれ、大学でも文理が交わることが少なく、社会人になっても文系、理系の意識を持ち続ける人が少なくないといわれます。文系、理系の分かれ目になるのが数学です。理系に進むのは男子が多く、女子が少ないのはなぜでしょうか。展開する進学塾で長年、多くの小中学生を教えてきた「花まる学習会」の高濱正伸代表に聞きました。

記事中に「女子の心は、サイン・コサインでは踊らない」と書き出しもあり…
ずいぶんひどい男女のステレオタイプみたいな書き方で、しかも女子が理系を選ばないのは

「作業服を着て機械と向き合うの?」と思われ、将来像が見えにくいです。女子はシビアで大人なので、学部の先にある職業の魅力を見ています。理系女子を増やしたいなら、もっと実利的な魅力、お洒落でキラキラした物語を見せていくことが必要

などとこの方がおっしゃるのです・・・。

これはまさに本書で書かれているとおり、言葉の力というのは絶大で、私たちの「社会や親の明示的暗示的な偏見」があまりにも強く、女性の理系での活躍を妨げている。
「数学は天賦の才か? ー 女性を危険にさらす考え」という論文の中で男女差の先入観こそが数学で女性が力を発揮できない最大の原因だと科学的に示した。

まとめ

家の経済力や親の学歴、それらは簡単に変えられるものではありません。しかし、我が子への言葉の掛け方は、親の心の持ちようや方法論を実践することで、比較的に簡単に変えられるものだと思います。
だからこそ、より慎重に言葉を選び、実直な態度でのぞ見たいと思っています。

ご興味ある方はぜひ手に取ってください。声がけについての大事なヒントがたくさん詰まった一冊で、迷った時にいつでも立ち戻りたいと思うような内容でした。

3000万語の格差――赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ

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