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できなかった時「自分を責める」ことを誰が望んでいるのか?

「今日も何もできなかった…体つらくて…もう私なんかいない方がいいんだ…」

あなたの目の前にこう落ち込んでる人がいたら、なんて声をかけますか?


だいたい、なぐさめると思うんですけども。

なぜか自分が同じように考えてると「よしどうすれば死ねるかな!」くらいまで責めて責めて追い込む、人間のフシギ。


株式会社イメジン、ブランディング担当ライターの日野成美です。

前回の記事はこちら💁‍♀️

先週、うつヌケハック読者採用枠の面談とか減薬の失敗とか、うつヌケハックの書き直しとかいろいろやりすぎて金曜日ばったーんてなってしまって私としたことが。ってなりました。

お待ちいただいた皆さん、ありがとうございます!おやすみしちゃってごめんなさい、後悔はぜんぜんしてない!

今日は月曜日ですが前回更新するはずだった、啓蒙の金曜日の内容で参ります✨



突然なんですが私は、うつ病マンは弱くないと思っています。

うつヌケしてかなり安定した体調を得られて、ふと思い出したんですよ。


1日に「朝・夕方・深夜」と3回まるで狙いすましたように気分が落ち込み、市街地に行くのに1週間かけて体調を整え、帰ってきた後に3日寝込む。雨の日には休みで曇りの日もだるい。


いや回復力ありすぎじゃない!?

みんなすごすぎない?!

ふつう死にたくなるほど落ちこんだら結構カロリーとかエネルギーとか食うからね、毎日ごはん食べようとしてるだけでえらい!!


そう、うつ病人の多くは強い。

神経が繊細になっているので凹むのも早いが、回復力もすごい。なかなかここまでリカバリーできんってふつう。

瞑想時に集中できない人ほど「集中を戻す」ことが鍛えられるから仕事でハイパフォーマンスを記録できると聞いたことありますが、それに近いと思います。


ところで、「自分を責める」って当たり前のことだと思っていませんか?

私も思ってたんですよ、自分を責めるのは人間として当然の行動だと。


でも、そんなことをしない人の方がずっとずっと、楽ちんに生産的に生きていたりする。

自分のせいにしない、自分を責めないってなんかいいことあるの?生きていけるの?

今日は自分を大事にしたくなる啓蒙の金曜日の内容を週の頭からお送りする、特別な夜です。

自分を責めるそもそもの理由

うつ病人が自分を責めてしまう理由というのは、大きく分けて3種類あると考えています。

①体が動かない=できないことが多い
②自責(自罰)すると安心できる
③脳がバグってて勝手に考えてしまう

①は物理的な問題。

皿も洗えないしトイレに行くのも一苦労。立ち上がるのに5分かかる。

自律神経が次元を超えて乱れてるので、肉体的ハンディを抱えている中で生きているようなもん!

でもぱっと見健康な人なので自分も他人も「健康な人と同じようにできて当たり前」と考えてたりする。

だから要求水準が現状を無視したレベルで高く、当然体がついていかなくて心がイラつくパターンです。

うつは心の病気ではなく、心・体・脳のすべてに症状が波及する難病。体が動かないときはしゃーない。鍼灸行って薬飲んで寝てね。


②は心理的な問題。

「自分が悪いことにしておけば丸くおさまる」という考え方ですね。


おさまらんっつーーーのに!!(急なブチギレ)

いいですか、過去には親や先生や上司なんかから「あんたが悪い」と決めつけられて、だまりこむしかなかった時があったと思います。

それはそれで必要な対処でした。辛かったと思います。

が!全員が全員あなたに対して誠実でないわけじゃない!多くの人が人間としてあなたと接したいと思っとる!!


「とりあえず謝らなきゃ」
「自分に否があるとは思えないけど、僕が悪いことにしとかないとな」

それで丸くおさまるほど社会シンプルじゃないわ!!

いや、私ガチで仕事するようになってからわかったんだけど、これされると業務改善とかできなくなるし、後でゴタつくから「素直に言えや」ってなるんです。

みんな!!今日から頼まれてもないのに自分のせいにするの、やめて!!!多分あなたの上司や同僚が超よろこぶよ!!!

あなたが勝手に自責しないだけで業務改善が進むしディレクションもやりやすくなる。もっと素直になろ!


自罰や自責って基本的になんの解決にもならないのですが、これをする理由はだいたい、

「それで誰かが助かるから(※本当は助かってない)」
「自分を責めていれば文句言われないので安心するから」
「めんどうくさいから」。


他人に合わせているだけの人間。

残念なことに、あまり好かれません。

人間は人間と会話がしたいという傾向にあります。


でもあなたは自分を守るために、自分が全部悪いことにする。

それはそれで、苦しくつらい判断です。


今日はこれだけ覚えて帰ってください。

「自分のせいにしても問題は解決しない。それで迷惑をこうむる人もいる。素直に言った方がずっとずっと素敵」

はい次!


③は脳の炎症がある一定レベルを超えたときに起こるものですね。

これは脳のトラブルにより「自動的にネガティブ思考になってしまう」という恐ろしい現象。

どんなネアカも勝てない。私も脳が炎症になるとおとなしくネガティブになるしかありませんでした。

有益な対処法としては「寝る」「まじめに薬飲む」「ジャーナリングかマインドフルネスやる」など、脳をひたすら休ませるメソッドの実践。


うつ病の発病期、多くの人が③の状態です。

しかしそもそも、日常的に①②をやってる場合も多い。

「いやー自分が悪いことにしておかないと、殺されるもんなぁ」くらいに私も思ってました。


が!!!

心が健康な人は、自分を責めない

今の私は、心が健康かつ健全な人の共通点を知っています。

それは〜……


自分を必要以上に責めない。

というか、ほとんど自責しない。

適切に他責もする。


で、めちゃくちゃ人から愛されてたりする。


これね、人間としてどうかっていう品格の問題じゃないと思っています。

脳を守るセルフケアメソッドとして、「自分を責めない」ことは「必要」なんです。


そもそも勘違いされているのですが、ウソを言うとかありもしない罪をなすりつけるとかでない限り、「責任の所在は別の人にあります」て言うのはなんのおかしいことでもない。

本気で原因究明とかやろうとしている場合にウソついて自分のせいにされると、逆に大変だからやめて!!ってなる。コナンもホームズも真実にたどり着けない。


健康な人は、自分のせいにしないことで物事が広く豊かに回ることを知っているから、「自分のせいじゃない」ことはきちんと区切りをつけます。

「自分に責任があること」
「他人に責任があること」
「どうしようもないこと」

それぞれに適切な分量を割り当てて、自分が処理できる物事を処理するように立ち回る。

自分の責任を逃れるのではなく、「自分がかぶるべき責任の量と質」を管理した上で遂行できるのです。


だから体調不良への対処法もシンプル!

「だるい…食べすぎた…なんであそこでポテトLにしちゃったんだろう…もっと気をつけなきゃいけなかったのに、もうだるくて自分が嫌になるなぁ…みんなこんな私のこと嫌いだろうし(ry」

うつの人ならこれくらいぐるぐる思考しちゃうけど、健康な人は早い。

「体がだるい…食べすぎかな。お昼絶食して胃腸を調整しよう」

早い。


そう、彼らは過剰に自責して悩んでもなんの解決にもならんことを知っている。

ある意味で合理性が高く、鈍感力に秀でていて、かつ他人からどうみられるかとか気にしない。


「他人からどう見られるか」気にしなくても、生きていけるんです。

むしろその方が、脳に負荷はかからない。

だから頭の回転が適切に、早くなる。


心が健康な人は一挙手一投足で「人からどうみられるかな」とか考えないから、脳に負荷がぜんぜんかかりません。

多分エネルギー2分の1くらいしか使ってない!そりゃ脳疲労の度合いが違うわ!

で、その節約した分で仕事したり家事したりする。


そう、全部自分のせいにするのはなぜか?

「自分の責任にしないと、他人から危害を加えられるから。何を言われるか、されるか、わからないから。」

自分を責めることを望んでいた、幼い頃の記憶

「お父さん、お母さんになんでも『あんたのせいだ』と決めつけられた」
「いじめっ子から身を守るために、自分の身を守らなければならなかった」
「自分のせいにしておくと、みんな喜んだ」

ぜんぶ自分のせいにする自責とは、そんなクローズドで逃げられない人間関係で調和を保つために発生したのではないでしょうか。


このうつヌケハックは、はたらく世代のうつ病マンたちに宛てて書いています。

なんらかの生産に携わっている人が多いことでしょう。

家事はもちろん育児、労働、マネジメントやディレクションも含めて、「人に何かを与える」「他人の生活をラクにする」ためのアクションに関わっている方が多いと思います。

学生さんもいると思うのですが、あなたたちもいずれ人になにかを与え、傍の人を楽にしてお給料をいただくことになるでしょう。


人になにかを与えようとするとき。
なにかを生み出して、だれかの何かをラクにすることをやるとき。
「誰がなにをやった」「どこからどこまで、誰の責任か」
これを管理するのは非常に重要なことです。

大人になったら、自分のせいでないことは「自分じゃありません」と言いましょう。

それが公私ともに、仕事のうちです。


「ぜんぶ自分のせいだ」と思うのは自然なことです。

世の中を自分ごととしてとらえて考えることは良いことでもあります。

でも今度、「ぜんぶ自分が悪いんだ」と思ったら、その次にこう自分に呼びかけてください。


「事実はそうじゃない。」


ぜんぶ自分で抱えこまない方がいろんなことがうまくいくって、本当はあなただって知っているはずです。

事実、あなたも私も、誰しも、この世のすべてを背負えない。


素直になっていい。

ここはもう、学校でも生まれ育った家庭でもない。

あなたを殺しにくるやつ、殺せるやつは、もういない。

あなたは父や母より若くたくましく、立派に育ちました。あの時のいじめっ子も近くにはいない。


大丈夫。

あなたは、実はとってもタフで素敵。


背負わなくてもいい負荷を背負ってきたうつ病マンたちは、健康な人よりもずっと回復力が高く、エネルギッシュなのだと私は思います。

「全部自分のせいにしない」だけで、あらフシギ。


いつもよりも疲れない。

業務がスムーズに進む。

人間として扱ってもらうことができる。


ここは大人の世界です。

おたがいを尊重することで業務効率を最大化させる世界なんです。

「いう通りにしなきゃ殺される」と覚悟しなければならない、いたましい子どもの世界じゃない。


区切っていこう。

そうすることで得られるのは、脳疲労の少ない体にやさしい生活と、他人といっしょに生きられる楽しい世界です。

「全部自分のせい」は、事実じゃない。

次回「薬を飲まなくてもうつは治る説を服薬歴20年の日野が論破する」の予定
お楽しみに!

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