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傷つかないことが理想だと確信していた私たちへ
子「すりむいて痛い…」
親「小さい傷だから痛くないって!」
そんな、痛いつらいキツいといった感情をムシすれば波風なく生きていけた、子ども時代。
大人になっても「上の人の言うとおりにすれば」文句を言われない、
はずでした。
えっ?なんで自分について自分で考えて身を守るなんてことしないといけないの?
株式会社イメジン、ブランディング担当ライターの日野成美です。
前回の記事はこちら💁♀️
自分を大事にするといいことあるよって叫ぶ啓蒙の金曜日。
先週は攻めまくったのですが今日のために攻めたんだからね!
今回は傷つかない・痛みを感じない人間が必要というビジョンについて扱います。
うつはモラハラやDV、いじめと密接な関係があります。
モラハラマンたちはとにかく要求のレベルがたっかい。
本人に悪意があるナシじゃなく、モラハラやいじめって、シンプルに要求する度合いがアホ高い。
それに他人軸の人が合わせようとするから自己管理がおろそかになって神経の炎症が爆発、発病する……というのが私の仮説です。
なのでモラハラ暴力関係の情報収集をしてたら、こんないい記事を見つけました。
めっっちゃ抉ったいい記事だった!インタビューした人もされた人も尊敬します!
以下、記事から引用です。(※太字は日野によるもの)
完璧に家事をこなしておしゃれもせず少ない生活費でやりくりする妻、父親に口答えせず勉強や習い事にきちんと励む子ども、無駄遣いせずエアコンも使わず暑さを我慢し、夫が不倫をしても傷つかない家族たち……。
もちろん、家事も節約も勉強も大事です。しかしモラハラ夫が細かく積み重ねる「妻や子どもはこうあるべき」が本当に実現したとしたら、完成するのはまるで人間味のない家族です。
どんなに無茶振りしても傷つかない家族像。
この「傷つかないこと」って、日本人の最高の理想だったよな。と。
でも新時代の足音がして、いきなり人権っぽいことが尊重されだした。
以前なら、会社の言うとおりに上司の言うがままに、イヤとかツライとかに蓋をして過ごすのがベストだったのでしょう。
なのに、令和になって私たちは傷つく自分と対話しなきゃいけなくなった。
だれも自分の人生を肩代わりしてくれない世界に変わっている。
セルフケアを促進する、うつヌケハック。
自分を大事にすることで重要なのが、「自分が傷つくことを許すこと」だと私は思います。
でも私たちは、傷つかないことを強要されて成長した。
今日は「傷ついたっていいじゃん」ということと、傷つくことそのものを認められなかった過去の私たちへのレクイエムです。
傷つかないことが理想として生きてきた
どんなに働いても疲れない。
暴言を吐かれてもいつもニコニコ笑っている。
節制にはげみ、贅沢を言わない。
日本人なら「いいな」って思うこの人間像、よく考えるとホラーです。
Siriだって暴言吐かれたら怒る時代に、私たちはそもそも「イヤなことされたら怒ってもいい」のでしょう。
そもそも論として、私たちはごくフツーに当たり前に、傷つくものです。
傷つくことは、ごく当然の現象です。
……うん。まずこの前提をおさえないと「心が痛むなんてただの幻覚!」って感じになっちゃうので。
でもそもそも。
非人道的扱いをされても個人の心を押し殺して「役」に徹することが、労働力確保のために必要な時代がありました。
特に昭和期までは。心の声を聞かないでオーバーワークすることがもっとも最適だった時代もあったのです。
それはそれで、否定すべきではありません。
でも現代では心を押し殺すことで、労働力の総数が圧巻のペースで減っている。
心の声を殺した結果、体調不良が極まり発病したりする。
国内の労働リソースがガリガリくん。
労働力確保の方法として、本・末・転・倒✨
モラハラDV、いじめの世界観と「ベストマッチ」ないいコの生き方
ところでモラハラやいじめ、DVでは多くがこの「傷つかない、逆らわない人間がいい」という世界観のもと実行に移されると私は考えています。
で、うつ病のトリガーの多くは、モラハラDVとの遭遇。
被害を受けがちな、いわゆるいいコさんたちは、生育過程で「いかに傷つかないか」を覚えて育ちます。
他人の期待に答えることを至上命令として、傷ついた自分を見ないフリして生存戦略を組んできた。
だからそもそも、ハラスメント被害を拡大させる方向に行ってしまうのです。
相手の都合のいい人間である限り、とりあえずOK
苦しいことがあっても傷つかないのがベスト。役割を型通りに遂行できなければいけない
相手に合わせる考え方を持っている人と、ある種の正義感な世界観が強い人が出会った時、モラハラDVは激化する。
相手に合わせることしかわからなくて、自衛として相手にNOを伝えられない人がいかに多いことか。
私もそうでした。
モラハラやいじめを受けても、実際に傷つくわけじゃないから別に止めなくていいやと思ってました。
止めても止まらないだろうし、モラハラ発言でその人の生産性が上がるならいいやくらいに割り切ってたのです。
傷つく心の声を聞かないほうが、生きるのはカンタンでした。
尊厳ある個人として自分自身を守るより、相手の暴言を受け続けてたほうがラクだったんです。
そもそも私たちは傷つかない人間が最強だと信じてきました。
20時間ぶっ通しで働いてもまだ朝イチ出勤できる、顧客や上司の期待に常にこたえられる、そんな人でないと生きていけないと思ってきた。
感情を殺して相手に従属する。
そのために傷ついてはいけない。傷ついたことに対処することすら許さない。
それはずっとずっと、私たち自身がどこかで楽チンで都合がいいからと望んできたのかもしれません。
「人間は傷つき、ときに倒れるもの」ということを覚えられない日本の教育事情
傷ついたことを、なかったことにする。
そんな世界観をどこで覚えるのかと言われたら、学校教育です。
クソ暑い39度炎天下の中で運動会の予行練習をする。熱中症で何人か倒れても中止にはされない。倒れた方が体力なかったのだと責められる。
いじめられても「学校に行かないと大人になれない」と行かされる。
眠くてもだるくても授業には出席しないといけない。
ああ、傷ついても押し殺して、おさえこんでまわりに合わせないといけないんだ。
傷つくほうが悪いんだ。ひたすら心の声は殺さないとダメなんだ。
そう叩きこまれてしまう世界です。
しかーし。
グローバル化が進み、国際スタンダード的に「人権の尊重・ダイバーシティ」な世界観を採用した方がうまく回ると薄々わかってきた現代。
困ってること・心の傷を無視しないほうがのびのび暮らせると、そっちのがパフォーマンス高く働けるとわかってきた今の時代。
仕事、ビジネスのフィールドでは「我慢だけすればいい」なんてのは最悪のことです。
ガマンや忍耐は、生産性や創造性をガタ落ちさせること。
そのことを知ってるから、今日も(日本では一部の?)仕事人たちはこんなお題目を掲げます。
「自分らしく生きてください。会社はただのフィールド」
「自分を大切に、自己管理能力高く」
「夢を追いかけていい」
今さら、せめて、人間らしくって言われても。
なんつーーーか全体的に、今更感!!
「苦しいことは苦しいって言っていいよ」
「相談してね」
「困ったらすぐ伝えるように」
今・更 !
生まれてから20年近くも人間らしい生活を否定されて、今更人権っぽいこと言われても説得力 皆・無 !
無・理 !
完璧で傷つかない理想像の、代わりに「当たり前」
なので私はめちゃくちゃ考えたーー!!
代わりになる、当たり前のすがたを!!!
正直、なにがあっても傷つかないタフな人はそのまんまでいい。人類は多いのでそんな人もけっこういるでしょう。そのままのあなたで尊いので応援してる!
でも「勝手に傷ついちゃう人」もいる。
私もそうです。他人の不安とか感情とか、勝手に感じ取って勝手に傷ついちゃいます。
声聞いただけで具合悪いとか、顔見ただけでおなか痛いとかわかっちゃうHSP!HSP特集もうちょっとでやるからごめんね待っててね!!
「傷つかないこと、傷を無視すること」がいいことだと、今の私は思いません。
そもそも傷つくって、いいことなんです。
というかフツーです。
だって傷つくって、起こっている現象に対して反応できているということだから。
石のように心がなっていない。人間らしい、いいことだと思うんです。
「すりむいて痛い」当たり前!
「暴言吐かれていやだ」当たり前!
「暑いのにクーラーつけてくれないから帰りたい」当たり前!!
傷つく、イヤな思いをするって、「今、起こってることにちゃんと対処する」ためのこと。
なにかに傷つくって、生存におけるキホンです。
傷つくことを否定しないことが、大人になるための第一歩
なのに心身の痛みにちゃんと対処しないから、当たり前のように病気になってしまう。
イヤだつらい疲れた痛い……そんな感覚をガン無視するから悪化する。
自分で自分をケアしてあげませんか?
だって一番手っ取り早いんですもん。
「眠いけど寝たら仕事できなくなるから寝たくない…」
前日3時間しか寝てないなら寝ようよ!体が死ぬよ!
「上司から仕事内容をクソミソに言われるけど、もっと具体的に指示してほしい…」
いま思ったことまんま上司に言おうよ!
「パートナーにもっと褒めてほしいのに、ありがとうの一言もない。離婚した方がいいかな…」
いやすなおに「褒めて💖」っていってみ?ほとんどの場合褒めてくれるで。
「うつ状態つらいから誰かに助けてほしい…」
SNSでつぶやこ!医療機関で相談しよ!うつヌケハック質問箱もあるよ!!
みんな!!
傷ついたら、自分で手当てしてあげよう?!
傷ついたことを自覚するというのは、今、対処すべきことをリストアップできるということ。
とっても生産的なことです。
「傷ついたことを否定して、無感覚に生きる」のは今日かぎり、過去の遺物にしちゃいませんか?
傷つくことは、当たり前だ。
生きていく上で、フツーのことだ。
だからその傷に、堂々と、対処していいんです。傷をムシして放置することが、一番アカン。
うつヌケハックはその手当ての方法を、これからも発信し続けていきます。
次回、「夏のうつ病マンを全力応援する、冷房とのつきあい方」の予定。
お楽しみに!
うつヌケハック質問箱はこちら🎁
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