ブラック面接(本題)
本日は前回の続きを話します。
ブラック面接(前説)
っていうかこれが本題です。
代金を支払った面接
数年前の話です。東京都港区の個人店(居酒屋寄りの日本料理店)の面接に行きました。
席数30程の店で店主夫婦と数名の従業員で営まれていました。
面接の時間は午後5時でした。既に夜の営業が始まっていたのですが、まだその時間はお客様が入らない(ビジネス街なので)という事でその時間に設定されました。
僕は店全体が見渡せる小上がりに通され、店主(旦那)による面接が始まりました。15分程面接を受け帰ろうとした時、店主が「なんか一杯飲んでいきなよ」と言ってきました。最初は遠慮しましたが、しつこいので生ビールを一杯頂く事にしました。生ビールを運んできた店主が「つまみは枝豆でいいか」と尋ねてきたので「お願いします」と答えました。
よっぽど決まらないのか、こうやって面接者に媚びを売っているんだなぁ~とか、店の雰囲気を知ってもらうための配慮なのかなぁ、と思いながら急いでビールを飲み「ご馳走様です。失礼します」と頭を下げ、店を出ようとした時、レジ前に立っていた奥様の口から想像をしていなかった言葉が飛び出したのです。
「1000円でいいですよ」
私は躊躇いながら1000円を支払い、店を後にしました。
そして翌日、辞退の連絡をしました。
詐欺みたいな面接
僕がある飲食店で店長として働いていた時の話です。
そこは漆黒のブラック企業でした。
午前中に出勤して終電までの勤務が平日。週末は朝まで拘束されていました。各店の店長は仕事が終わった深夜に社長に呼び出され、会議という名の社長へのヨイショ会(残業代はつきません)をしないといけないのです。
そんな時、たまたま勤務先の近くに本社を置く飲食企業の求人を見つけたので、休憩時間を使って面接に行きました。
面接官に今の会社の事情を伝えると「未だにそんな会社があるの」と驚かれ「うちは授業員を大切にしているから安心して働けるよ」と言われました。その後で現場をマネージメントする方が現れ「うちの会社は全従業員にちゃんと週休二日を与えているし、長時間労働もさせていない」と説明されました。「うちはランチ営業もしていないし、深夜勤務も無いから、昼過ぎに出勤して終電までには帰れる」とも。
求人誌には優良企業だと記載されていたのですが、にわかに信じてはいませんでした。しかし面接官らの説明を聞いて信用する事にしたのです。
今の会社を一刻も早く辞めたいと思っていた僕は、その場で返事をして、その会社への就職が決まりました。
素晴らしい会社に入社できたとウハウハでした。
そして、いざ現場に行き働き始めると、話とは全く違う環境だったのです。
ランチ営業はないものの、午前五時までのど深夜営業の年中無休。
店長も古参のアルバイトも数か月間休みを取っていない、との事でした。
店のすぐ近くに会社が用意したアパートがあって、店長や古参のアルバイトは、店の暇な時間に交代で寝に帰り、それを休み代わりにしているという事でした。
店長に「話が違う」と訴えると「求人誌や面接での説明が嘘。うちはそんな会社じゃない」とはっきり言われたのです。
「とりあえず今日は定時(シフト上の退勤時間)に帰っていいよ」と言われその日は帰宅しました。
僕は翌日の朝、本社に連絡をして前日の話をして「辞めたい」と伝えるとあっさり承諾されました。
いや、これは違反でしょ!
ハローワークの求職検索で見つかった会社での話です。
そこは中央区にある大きな日本料理店でした。厨房の従業員(板前)だけでも数十名もいる位の規模の店です。
面接が始まり、人事担当者から開口一番出た言葉は「ハローワークの求人票に書かれた内容は嘘ですからね。本当の事を書いたら受理されないからね。あなたもこの世界の人間ならそれ位の事わかるでしょ」と。
とりあえず面接を受けて、建物を出た後直ぐに電話し辞退しました。
因みに求人票に書かれていたのは【完全週休二日制、残業代支給、ボーナス支給】です。
拉致?されて事も
この会社はまず求人誌の使い方が姑息だった。
ある意味ずる賢いというか、
頭が良いと言うのか……
フランチャイズの有名店舗の名前で募集広告を出して、実際は自社オリジナルの店舗へ配属させるというからくりです。
面接に呼ばれたのは午後4時、営業前の店舗でした。面接官は社長です。てっきりここが面接会場かと思えば「移動しよう」と車に乗せられ、別の店へ移動します。
その店舗で食事をしながら面接が始まりました。出された料理がどう思うか聞かれます。とりあえず面接には受かりたいので、それなりの事を言うと「うれしいな、君のような方に入社して欲しいな」とべた褒めが始まります。怪しいなぁ、と思いつつ悪い気はしません。
代わる代わるその店で働く社員を連れて来ては、私と話をさせます。
まるで外部から来た大切なお客様を紹介すようにもてなされます。
一時間ほどの面接……というか社長の懇願が終わり、その店を出たと思いきや、そのまままた別の店に連れていかれました。
僕はまだその会社に就職するとは一言も言っていないのに、次の店の店長にはまるで決まったかのように紹介されます。「この方に会社を大きくしてもらおうと思っているんだ」。店長も「よろしくお願いいたします」と頭を挙げました。その店でも食事をしました。気持ち悪い位褒められ続けながら……
ここでやっと解放かと思ったら、次は家まで送ると言ってきました。流石に断ったのですが、何度も頭を下げられたので家の近くまで乗せてもらう事にしました。車内ではずっと僕を説得し続けます。自宅の側についても車を停めたまま説得が続きます。
なんとか解放されたのは面接開始時間から四時間も過ぎたっ午後8時でした。