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米川さんproofreading(校正中)

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八ヶ岳山小屋黒百合ヒュッテ山番時代を米川正利さんが描いた絵を形にできればいいねマガジン。黒百合ヒュッテhttp://www.kuroyurihyutte.com/   問い合わせ…
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26.薪だし 27.薪割り(米川さんの絵本)

はじめに「薪」についてのお話です。2つに分けて書いてくださいました。 このnoteではまとめてご紹介します。 なお「薪」は訓読みでは「たきぎ」、音読みでは「しん」です。「まき」の読み方としては常用外漢字となります。類語検索大辞典では「燃料」のなかに「ガス」「炭」などと共に「薪」があり、そのなかに「薪(まき)」「薪(たきぎ)」「薪(かまぎ)」がルビでふられています。 子供向けの制作と考えると、今回は漢字を使用しましたが常用外漢字はやはり平仮名にすべきでしょうか? 今回は漢字を使

19.古い小屋の古いランプ(米川さんの絵本)

ランプに火を灯すと 温かい光が部屋を明るくする。 淡いオレンジ色の光。 心をほっとさせる。 解説小屋を建てた頃は古いランプしかありませんでした。 この光で食事をし、読書し、お客さんと話をし、夜更けまで山の歌を歌ったり。 小屋を建てた頃は、灯りはローソクかランプだけでした。そのうちランプの宿として有名になって。 かなりランプを使っていました。 ランプはランプで風情あったのですが、手間がかかりました。 灯油そそいで、ススが付くから毎日全部のランプのお掃除。そのうち宿泊客がだん

18.オコジョ(米川さんの絵本)

毎日 有難う。 今日は何の話をする。 美味い肉料理の話にしようか? 大事にしていたハムちょっとあげる。 夜の炬燵での食事もいいね。 何時も食事の時出てくるオコジョ。 解説ネコ目イタチ科に属する動物。別名ヤマイタチ、くだきつね、エゾイタチ。 大きくても30cmもしません。 保護色で、夏は茶色ですが冬には真っ白に色変わりする特別天然記念物です。 私達は白狐(びゃっこ)とも言って、山の人はオコジョを見ると人をバカにするような仕草なので嫌がっていたんです。 山で仕事する人達は白狐見

17.コマクサ(米川さんの絵本)

高山植物の女王。 品のある美人。 子宝の花。 解説他の高山植物が根付かない風の強い荒涼とした砂礫地に長い根を下ろしピンク色な花を咲かせます。 花の由来は花を横から見るとちょうど馬の顔に似ているから。 古くから薬用として有名で乱採取されています。 砂や小石などとなっている土地のことを登山用語で砂礫地(されきち)と言いますが、そのような条件の砂礫地に生息し、何百、何千かの種子をまき散らす事でも知られています。 高山植物の女王であり生命力あり子宝に恵まれるようにと、結婚式にお呼ば

16.ダイモンジソウ(米川さんの絵本)

大文字草。 大きな花かと思ったら 小さいんだね。 解説和名が大文字草と書いてダイモンジソウと読みます。 名前の由来は5枚の花弁のうち下の2枚が特に長く、大の字を思わせることからと言われています。岩場に生える多年草でユキノシタ科。白い花をつけます。 さて次回はいよいよ高山植物の女王を紹介します。 お楽しみに。 おはなし絵:Yonekawa Masatoshi 共著:Yonekawa Keiko , Saitou ※この記事は米川さんの絵本proofreadマガジンに掲載

15.マイヅルソウ(米川さんの絵本)

すぐにでも飛べそう。 舞ったら楽しいのに。 解説舞鶴草と書きます。 2枚の葉っぱと白い花。 ハート型の葉の脈が湾曲していて、鶴が羽根を広げて舞っている形に見立てたものです。 この優雅な名前でも分かるように古くから知られている花です。 マイヅルソウ属のユリ科です。丈は10cm~20cmくらい、北海道から九州まで咲いています。 鶴が舞っているような姿、せっかくなので皆さんネットで検索してみてください。 さて、八ヶ岳の私の気になるお花シリーズ、あと2つ程度にしましょう。 八ヶ岳

14.オニク(米川さんの絵本)

変な名前 長生きの植物だって 解説ハマウツボ科の寄生植物です。学名がBoschniakia rossicaです。 ミヤマハンノキというハンノキ属科の木の根元に寄生する多年草です。 一回結実性という一世代に一回だけ開花して実がつく植物です。 花が咲いても結実するとオニクの個体は枯れて死んでしまいます。 葉緑素がなく、花は暗柴色です。実をつけると松ぼっくりを長くしたような形です。 昔から中国では不老長寿の薬と言われ貴重がられましたが、それはホンオニクで、同じハマウツボ科の植物で

13.ツクモグサ(米川さんの絵本)

ふわふわした毛が可愛い 温かい花 懐に入れてしまいたい 解説 八ヶ岳は国定公園ですので植物の採取は禁止されていますが、そのなかでも特に絶滅危惧種の花です。 八ヶ岳の稜線を彩る名花で人気が高い花です。 花期は早く6月の上旬が見ごろです。花の色は薄い黄色です。3~4cm程の花が咲きます。花びらの外側にふわふわとした毛がついていてかわいらしいです。ひよこみたい。 南八ヶ岳の稜線の岩の蔭に咲きます。 北海道と、本州は八ヶ岳と白馬岳にしかありません。 見かけると思わず微笑みがこぼ

12.ウメバチソウ(米川さんの絵本)

アイスクリームみたい。 食べたいな。 食べたいな。 見ているとよだれが出そう。 解説花期は7月~8月、花の色は白。高さは10~15cm、多年草です。 湿った草地に生えています。 小屋の前にもたくさんあるので、花が咲くとアイスクリームの花が咲いたと案内していました。 お花の形が梅の紋に似ているから梅鉢草と言われ、 花には雄しべの他に、細裂する仮雄しべがあります。 花びらの縁のあたりが細裂するので、それを白鬚に見立てています。 細裂とは、とても細かに紙などが裂けたような状態で

11.ウバユリ(米川さんの絵本)

大好きな花。 貴賓があり美人のユリの花。 藪の中に咲いて居ても目立つ花。 でも名前は姥ユリだ。 葉っぱが枯れて 早く落ちて 葉が無いから 葉なしで。 歯なしのお婆さん姥ユリ。 解説八ヶ岳はたくさんの花が咲きお花畑を見に訪れる人も多いです。 私の小屋の名前である黒百合ヒュッテの黒百合も花の名前です。 ここでは、たくさんの花のなかでも特に印象深かったり思い出の花だったり好きだったりする花をいくつかご紹介します。すべて小屋近くで見る事ができます。山地で見る事ができる花もあります

10.八ヶ岳は富士山より高かった(米川さんの絵本)

どうだぁー 八ヶ岳は 日本一だぁー 解説むかしむかし富士山の神様と八ヶ岳の神様が高さを競って喧嘩をしました。 喧嘩の始まりはお互いが日本一高いのだとお互いに言い張っていたからです。仕方ないので阿弥陀如来様にこの決着をつけてもらう事にしました。 阿弥陀様は考えた末、長い長いトイを作って富士山と八ヶ岳に渡し水を注ぎました。 こうすれば低い方に水が流れるはず。 すると水は八ヶ岳から富士山に流れました。八ヶ岳が高かったのです。 それを知った富士山の神様は怒って足で八ヶ岳を蹴飛ばしま

9.ダイダラボッチ(米川さんの絵本)

逃げろー。にげろー。 いそいでにげろー。 ダイダラボッチとかでいらん坊と呼ばれてる。 解説むかしむかし、でいらん坊と言う、それはとてつもない大男が浅間山に住んでいました。 浅間山をねぐらにしているでいらん坊は、次第に勢力を伸ばし、そして八ヶ岳に攻めてきました。 八ヶ岳はいわなが姫の守る霊山です。 そこで姫は姉の富士山の姫、このはなさくや姫に援軍を頼み戦となりました。 この戦は大変な激しさでした。 今の中山峠を挟み、戦は長く長く続きました。 そして姫達の奮闘で、でいらん坊も敗

8.わかん(米川さんの絵本)

雪の日は動物たちが住んでいるのがよくわかる。 雪が深ければ深いほど楽しいよ。 スイスイ歩くことができる。 人も丸い足跡つけてゆく。 森の中、動物の足跡追いかけて アニマルトレッキングもよいね。 解説雪がたくさん降ると歩く時に足が雪のなかに埋もれて歩きにくくなります。 輪かんじきを略してわかん。 雪深い地方は誰もが履いていました。わかんを履くと雪が積もった時など歩きやすいのです。田んぼとかの泥のなかを歩く時のような、田んぼでの農作業の時にも履いていた地方があったと聞いています

7.冬のラッセル(米川さんの絵本)

深い雪の中のラッセル。 何時間も続く。 最初は楽しかったが、もう2時間は歩いたかな。 今は苦痛。いつまで続くのだろう。 解説1月下旬から大雪が降ると一面大雪原になります。 大雪が降ると登ってくる人の為に小屋番が道を開けます。 小屋番は道を開けるのにラッセルをしなければなりません。 1メートル以上ある雪は誰かが最初に歩かなければ登山道がわからなくなるからです。 ピッケルを水平に持ちラッセルしていきます。両手を前に出して雪を押して歩いていくような感じですね。 ピッケルの絵