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○blanc et noir ●

○振り下ろされた腕は
秒速でも分速でも測れない
焦げついた投げやりなひと匙のそれは
表面張力で2秒もてばいいほう
あとは零れるだけ涙のように馬鹿みたいに

私は風が吹いたなんて知らない、風を吹かせたとも思わない、使い古したあなたのペン、持ち手の折れた風車に息をかける。許せない、許されない、数えられないものばかりが真珠のように溜まっっていく。ひとつ、ふたつ、みっつ、気がつくと数えている息苦しさ。強い力で真空にする、一度死ぬための呼吸を、そして穏やかな破裂を。

●平行ならば交わらない
水面下から見上げる欠落
完全な球形、連続する真実
そんな嘘を小箱に詰めていく
見苦しいのもいいだろう虚脱していくままに

貝のように口を噤む。僕には分かっている、本当は気づいている、君が運んでくる羊、やるべきことが沢山ある。それなのにインクは滲んでいく、もはや繰り返したことが一度もない。ここで叫ぶべきではないと知りながら一年を全て冬にした。間に合わないことはあり得ない、終わらないことは望まない、拒みたいのに寒気にはとうに気づいている。

○全て理由にしてください
●瞼が瞼を上回る
○あなたの手と手が癒着する
●だからと言ってなんなんだ

●ざわついたら凍らせる
○裏か表か分からない
●君の羊では眠れない
○硝子ばかりが突き刺さる

●どちらが流した血か分からなくなったら○
○正しいと仮定して奥歯で噛み砕く●
●削り続けることが互いの願いならば○
○何もないところから言葉は生まれる●

そうやって終わり続ける
そうやって始まり続ける
どうやって生まれ続ける?
決着さえも絶え続ける渦の中で

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