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「良いパートナーと付き合え」 職人で業者を決める

 美容室であれやこれやと注文をつけ、カットしてもらった髪型よりも、長年切ってもらって信頼している美容師にお任せした方が、格好が良くなる説ありますよね。

 現場は細分化された職種で建設されます。その職人たちを束ねるのが、監督の仕事です。例えば、コンクリートを打設するには、土工さん、ポンプ屋、土間屋、試験屋、型枠大工さん、鉄筋屋、電気屋、設備屋、デリバリーこれだけの職人が必要になります。それぞれの分野のプロ達と仕事をします。しかも千差万別、毎現場その顔ぶれは違います。

 先に結論から

 「良い現場をつくりたいなら、良い職人と付き合え」

 では、どのような職人が良い職人なのか?

 ある左官職人が言いました。


「あと工程に迷惑をかけてないですか?」 

 すごく周りに気を使ってくれている、温かい言葉です。

 あるタイル職人が言いました。

「タイルがきれいに割付られていない!大丈夫ですか?」

こんなこと聞いたら、ウキウキで、ニコニコになっちゃいますよね。職人の美しいものを提供したいという向上心と美意識を感じます。

 本来であれば、職人はみな稼ぎに来ています。自分の仕事を効率的に優先するのは当然です。また、監督に言われた通りにやれば、責任は監督にあるわけで間違っていたり、のちにメンテナンスが発生しそうなことも「言われたから、やりました」で逃げられる。そういう職人は、間違っていても、言われたとおりに施工します。失敗をした時には、隠したり、ごまかしたり、嘘をついたりします。

 ですが、自分事だけを優先するのではなく、現場全体を俯瞰する目線や監督目線で協力してくれる職人、立ち止まって、現地現物で原因を突き止め、対策をとり、 改善をする職人はいます。スペシャルなSランクの職人です。

 共に技術力を上げ、成長しようとする職人。そんな長く付き合っていたいと思います。そういう職人はいろいろな現場からリピートをもらっていくだろうと思います。そのコトが現場営業であるし、その人は引く手あまた、仕事が永く続いていくことになります。

 そのうえで、「自分が良い職人に出会えた」、「次も仕事をしたい」、「大事にしたい」と思うポイントは次の5つです。

1:駄目なことに物を申すか

2:良くする気持ちがあるか

3:良くすることに妥協しないか

4:良くするために提案してくれて一緒に作り上げてくれるか

5:他業者への思いやりがあるか

 現場はマニュアル通りにいかないし、正論だけでまかり通るものではなく、いろいろな人たちとの人間関係で成立するところがあります。

 現場監督は発信者であり、「こうしたいんだ」という方向性を指し示し、旗を振り交通整理をします。自分の思いに、共感してくれる精鋭たちと仕事をする。これほどの安心感はありません。

 もしも良い職人に出会えたなら、また次の現場も是非、指名してあげてほしい。色々な制約はあるが、その職人がいる業者にしてほしい。さすれば、自分の嫌いなところ、好きなところ、悪いところ。良いところもわかってくれていて、次の新しい現場はそれらをベースにスタートできます。スタートがもう違います。

 さらに現場を重ねていけば、お互いにステップアップしていけます。前の反省点はすでに改善され、次のステージに移行しています。

「良いパートナーと付き合え 職人で業者を決める」

 良い現場になるに決まっています。

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