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成功するファンドレイジングは2つのループが回っている~数値目標達成と思いを両立させる方法~

団体で年間で必要なファンドレイジング目標額を設定して、それに向けてファンドレイジング計画をつくる。これは当たり前の流れです。

私もファンドレイジングの伴走支援をする際に最初に「事業や団体運営のために年間でいくら必要ですか?」と確認し、そのやり取りで決まった金額が目標金額になります。

この大元となる目標金額ができると、あとはその目標達成のために必要な活動にも詳細化された目標が設定されていきます。

例えば、100万円の寄付をクラウドファンディングで集めるためには、その告知先となるメールマガジン購読者を300人に増やす目標の行動と、メールマガジンで掲載する記事を月に4トピックを各事業から書ける体制をつくるといったことになります。

100万円の寄付 → 300人のメルマガ購読者 → 月4トピックの記事づくり

と詳細化されたわけです。

そして、ファンドレイジング会議を定例開催し、その目標値が達成されているかどうかを確認し、課題があれば対応していくことを繰り返していきます。

PDCAにのっとったファンドレイジングだと、計画を立てて(Plan) ー  実行し(Do) ー  結果の確認や評価(Check)  ー  振返りと改善活動(Action)、と進んでいくなかで、目標の詳細化をPlanでおこない、目標管理をDoとCheckでしていきます。

このPDCAの考え方はとても根強く浸透しているなと思います。どの団体さんのお話を聞いても何かしらのPDCAがされています。

たまに忙しくてCheckとActionができていなくてPlanとDoのPDだけですという団体さんもありますが、そう言う団体さんの頭の中にはPDCAが意識されています。

団体らしいファンドレイジングをするにはもう1つのループを回す必要がある

私はよく「団体らしいファンドレイジングが大切」とお伝えしています。これは「目標を無視して、好き勝手にゆるいファンドレイジングをする」ということではありません。

先程の例でいうと、団体らしく100万円の寄付を集めるために → 団体らしさを知った300人のメルマガ購読者を増やし → 団体らしさが伝わる月4トピックの記事づくりをしていく、といった、目標達成と団体らしさを両立させることを考えていくのです。

しかし、数値目標だけのPDCAしか回せない団体さんは、100万円の目標設定をしたあとは、担当者に目標の詳細化を任せて放置するので、目標未達成で終わることがほとんどです。

任された担当者も、いきなり100万円の寄付を集めるために何をしたらいいのかわからずオロオロして疲弊していきます。

ファンドレイジングがうまく言っている団体さんは、数値目標のPDCAも回しますが、もう1つ「団体らしさ」や「個々の思い」が反映されるもう1つのループを回しています。

今回のnoteでは、書籍「MBB:「思い」のマネジメント」を参考に、そのもう1つのループについて考えていきます。

2つのループの関係性

本書p111の下図の左側には先ほど挙げたような目標数値の詳細化について述べられています。

MBB:「思い」のマネジメントP111から抜粋

今回伝えたいもう1つのループは、右側の『組織の思い』『集団の思い』『個人の思い』のつながりをつくるためのものです。これが、目標数値の達成に向けた表裏関係であり、相互作用するのです。

この右側の思いが代表のものしかなくて、チームや個人の思いが無いと、表裏関係であるチームや個人の数値目標が未達成となってしまうのです。

組織、集団、個人の思いをつなげるためには?

では、右側の組織、集団、個人の思いをつなげていくにはどうしたらいいのでしょうか。 

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