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「学習する組織」を促す関わり

学習する組織の反対って何?

クライアントのNPOに「学習する組織」になってもらうことはとても重要なことです。

学習する組織と言うと、「組織開発のコンサルタントが意識することでしょ?」と思われるかもしれませんが、ホームページ制作やファンドレイジングなどどのサービスであっても関係ありません。

例えば、最初は代表から言われた通りホームページを制作したとしても、その次からは広報担当者がリニューアルの方針づくりをして、組織内での打ち合わせを経てコンテンツを分担して作っていく、といったことが団体の発展につながります。ホームページ制作会社であっても、毎回代表から言われた通り制作するのではなく、代表以外の人たちとともに制作を進めるように提案をしていく必要があると思います。

私は、学習する組織の反対はなんだろう?と個人的な疑問を持っていました。学習しない組織・・・毎回同じことしかしない組織?代表から言われたことしかしない組織?考えない組織?いろいろ思いつきはしますが、はらおちはしませんでした。

書籍:質問思考の技術を読んでいると、「学習する組織」の反対は「批判する組織」なのではないかなと思いました。今回はこのことについてnoteにまとめていきます。

批判する組織で起きていること

成果は出しているが、職員が大量離職するNPOはよくあります。そこで共通しているのは、批判的なスタンスを持つ人が力を持っているということです。社会が変わるといった成果はでているので文句はでませんが、人がどんどん減っていくので職員さんが疲弊しているのが常態です。

確かに「学習者」でいる時間より「批判者」でいる時間のほうが長い人はいる」(中略)そういう人は追い込まれて成果を残すこともある。だが彼らはまわりの人間を怒らせ、生産性や協調性、創造性、貢献能力を損なう可能性も高い。「批判者」になって動くと、家族や同僚への不満や衝突を招くこともある。「批判者」の傾向が強い人がマネジメントする組織は、ストレスや衝突、上司と部下との問題が起こりがちだ。

P101

「それは誰の仕事なんでしょうね?あなたの仕事ですよ。」

こんなセリフが職員に向けられつづけている組織です。

だれの責任、という言葉は「批判者」のもの。なにに対する責任、という言葉は「学習者」のもの。そこには雲泥の差がある。だれの責任かという質問は、他の選択肢や解決案を見つけるのを妨げてしまう。「批判者」になって責任をとらせる人を探しはじめたら、問題を片づけるのは困難だ。批判は人を無力にする。一方、なにに対して責任をもつべきかという質問では、有益な行動を進んでやってみようという気になる。他の選択肢を作り出し、状況を改善する自由がある。

P108

批判は人を無力にするのです。

クライアントが批判する組織かどうかのチェック

繰り返しますが、批判は人を無力にします。だからこそ第三者として関わる人たちには、少しでもクライアントが学習する組織に変わってもらえるようなはたらきかけをしてもらいたいと思っています。

そんなたいそうなことできるはずない!依頼された業務で手一杯だし、そこまでやることは契約内容に含まれてないもん。

と思うかもしれません。

はたらきかけをする・しないはおいといて、まずはクライアントの「批判する組織度チェック」をすることからはじめましょう。

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