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【旅日記】 日光東照宮のその先には何があるのだろうか?(栃木県/下今市〜奥日光)

日光と聞いて、どういった観光名所を想像するだろうか?

ほとんどの人が、日光東照宮華厳の滝を思い浮かべるのではないだろうか?観光名所のその先に行ってみると、思いがけない発見があるものだ。今日はその奥に行ってみることにする。
下今市の「汁飯香の店 隠居うわさわ」で朝ご飯を食べた後(前回の記事)、日光駅に向かった。中禅寺湖〜奥日光の方面にいくためにバスを使うことにした。

日光駅前

オトクな湯本温泉フリーパス(2日間)を駅で購入しようと尋ねると、「湯元温泉にご宿泊ですか?泊まるホテルによっては割引が効きますよ」と言われた。

そういえば、前日にホテルから連絡があって、バスのフリーパスがなんとかで駅に連絡しますかと聞かれたことを思い出した(このことか!)。そのときは事前の調べができておらず、とっさに「うーんと…、いったん大丈夫です!」と答えてしまっていた。

ホテルからの事前連絡が行っていないから、割引価格で購入できないんじゃないかとビクビクしていたが、ホテル名を伝えると割り引きのフリーパスを購入できたのでホッとした。3,500円のところ、1,750円の割引フリーパスを購入できた。値段もそうだが、1日ではなく2日間の期限である点も泊りがけの人にとってはありがたい。

今回は日光東照宮には用がないので、中禅寺湖行きのバスに乗り、有名ないろは坂を登って中禅寺湖を目指した。最初、中禅寺湖で遊覧船に乗ろうと思っていたのだが、冬季になると運休になるようで、今年の春まで待たないと遊覧船は出ないみたいだった…ガッカリ。事前に調べておかないからこうなるのだ。でも、今回は奥日光に行くので、「戦場ヶ原をハイキングできればいいや」とバスに乗っているときは思っていた。

日光駅に降りたときには東京とあまり変わらない気温だったのだが、中禅寺湖まで来るとめちゃくちゃ寒かった。前日に降った雪が積もった状態&風が強い日だったので、もう3月なのにマイナス気温…。

雪の中禅寺湖(3月とは思えない光景)

気温はまだ耐えられるのだが、吹きすさぶ風が寒すぎる…ガクブル。人っ子一人歩いていない道をてくてくと歩き、「お食事処・日本料理 なんたい」という店を見つけた。店頭には、いわな・ヒメマス・ヤマメと日光で取れる川魚が食べられるとあり、とにかく体を暖めたかったのでここの店に決めて入った。魚の違いがわからなかったこともあり、ヤマメの定食が最初に目についたのでそれを選んだ。

ヤマメ(ピントがちょっと…)

ヤマメはいい塩加減で美味しかった。川魚を食べる予定はまったくなかったのだが、これは食べられてよかったなと思えた。もちろん、日光では定番の湯葉も定食についてきた。日光の食べ物を堪能して体も暖まったところで、お店をあとにした。

奥日光行きのバスまで時間があるので、有名な華厳の滝に行くことにした。冬だからなのか、ほとんど人がいなかった。せっかくなので華厳滝エレベーターに乗って、滝の近くまで行くことにした。

「うーん、華厳の滝ってこんな水がチョロチョロ流れ出る感じだったかなぁ?」と思った。前日に雪が降った影響なのか、華厳の滝の勢いが感じられなかった。人が少ないはずだ。

元気がない華厳の滝

華厳の滝を見終わったあと、まだ時間があったので湖の近くのお店を見て回ることにした。車道の信号は黄色で点滅しており、歩行者側の信号はランプがついておらず、人も歩いていない。前来たときは人で賑わってたんだけどなぁ。わびしい感じ。

中禅寺湖周辺

下野民芸 伝統芸能日光彫 えびすや」という看板が見えて、なんとなく気になったので入ってみた。店頭では、職人さんが木彫りの作業中だった。そうっと扉を開いて中に入ってみた。名刺入れやペンケース入れなどの木箱に丁寧な彫りが入った商品が並んでいた。益子焼の陶器も合わせて売られていた(益子が距離的に近いからなのかな)

なにかお土産を買って帰りたいと思い、目についた木彫りの本のしおりと、ひまわりの絵が彫られたペン置きを購入した。その土地でしか買えないものを買うのは、自分にとって旅の醍醐味の1つでもある。気に入ったものを購入できてホクホクした気持ちになった。

店主の方が「昨日、雪が降って今日は風が強いものだから、晴れているけど昨日よりも寒いんですよ」と話していた。なるほど、積もった雪の上を風が吹くことで、冷たい風になって吹き下ろしているというわけだ…。寒い寒いと凍えながら、バス停まで歩いていき、これからどうするか思案した。

強風で水面の波がすごい

奥日光には、戦場ヶ原という平原があり、ハイキングする予定だったのだが、寒すぎてその気になれなかった。「早くホテルに行って温泉に浸かりたいなぁという気持ちが勝った。そんなわけで、プラン変更して途中下車せずに奥日光の湯本温泉街まで直行した。結果的にこの選択は正解だった。

湯本温泉街につくとさらに寒い。それもそのはず、その日は-10℃でいつぞやの北海道よりも寒い気温だったのだ。このままでは凍え死んでしまう。ホテルのチェックインまで時間があったので、ビジターセンターで休憩することにした(周りはコンビニすらないので、日光駅で買い物は済ませておくべきだった!)

日光湯元ビジターセンター入り口

ビジターセンターにつくと、カップ麺などの食べ物が申し訳程度に売っていたが、値段が高い…。休憩室にはペレットストーブが焚いてあり、火の近くで体を震わせながら暖まった。ふと、周りを見てみると、防寒対策バッチリのトレイルガチ勢みたいな人たちがいた。私は街歩きの服装だったので、この格好で戦場ヶ原のハイキングをするのは明らかに自殺行為だったと再認識した。「あぁ、戦場ヶ原にいかなくて正解だったなぁ」

ストーブの前にて

時間があるので、ストーブの前で読書することにした。山荘のロッジで読書している感覚に近く、かなり良い時間を過ごすことができた。チェックインの時間が近づいてきたので、外に出たくないと思ったがビジターセンターを後にした。

10分ほど歩くと、今日泊まる予定の「日光湯元温泉 奥日光 森のホテル」が見えてきた。外見はやや古めかしい感じを受けるが、中に入ってみるとキレイに手入れされた良いホテルだった。ホテルというより、山荘といったほうがしっくりくるかもしれない。エントランスで靴を脱ぐと、ホテル内は素足もしくは靴下で移動できる。

日光湯元温泉 奥日光 森のホテル

チェックインを待っていると、スタッフの方がおしるこお茶を持ってきてくれた。対応してくれた方は、昨日、確認の電話をくれた人だなと声でわかった。甘いものを食べて待っていると、部屋へと案内された。幸運なことに、予約していた部屋よりも大きな部屋が空いていたとのことで、無料でグレードアップしてもらえた。冬の閑散期だからかな。これは地味に嬉しい。

森のホテル室内にて

部屋に荷物を置き、部屋着に着替えてさっそく温泉に入ることにした。奥日光の温泉は硫黄の匂いが香る、「これぞみんなが想像する温泉!」といった感じ。お湯の温度は高めだが、外が寒かったのでこのくらいがちょうどいい。

ホテル内を見て回ると、一階のエントランスは広々としており、ロッキングチェアも置いてある。なので、室内ではなくここで読書しながらゆっくり過ごすのもありだ。ほとんどの人が部屋に引きこもっているからか、誰もいないことが多そうだった。

エントランス

ホテル内では読書しているか、動画を見ているか、ホテル内をぶらぶらしているか、温泉に浸かるか、といった自堕落な時間を過ごした。
そうこうしているうちに夕飯の時間になり、食堂へ向かう。夕飯は会席料理で一品ずつ出てくる。量は少ないものの、どれも美味しくいただけた。
朝はバイキング形式なのだが、一品一品のクオリティは悪くない。その場で出し巻玉子を作ってくれて、各テーブルに配ってくれたりもした。焼き立てはやっぱり美味しい。

時計を持ったうさぎ
アンティーク時計

帰りの朝、名残惜しくもありながらホテルを後にした。また来たいと思えるホテルだったなぁ。あと、帰りに気づいたのだが、ホテル前に標高1,500mという立て札を見つけた。「そんな高い位置にいるのか。そりゃ寒いわけだ。」と思った。

標高1,500mという立て札

帰りのバスでは、窓から見える絶景を拝みながら、カメラでパシャパシャひたすら写真を取りまくった。

歩道は一面が雪だらけ
白銀の山々
湖にも氷が張っていて、その上に雪が積もっている

いろは坂のあたりでバス酔いしそうになった。調べてみると、行きと帰りで道が異なり、帰りのほうがカーブが多く曲がりくねっているせいだとわかった。

帰りはスペーシアXの予約が取れたので、初めて乗ってきた。プレミアムシートを奮発して予約したのだが、新幹線のグリーン車さながらといった感じで、高い値段を出すだけの価値があった。後ろの人に気兼ねすることなく座席をリクライニングすることができて、帰りの電車はとてもくつろげた。

スペーシアX
プレミアムシート

ことごとく、行きたかったところに行けてない気もするが、今回の旅の満足度はとても高い。予定外の食べ物が食べられたり、体験ができたりと、思い通りにいかなくても別の楽しみ方ができたからだ。行けなかった場所はまた来ればいい。次の旅の布石となる。

今回の旅の教訓、「冬の奥日光は死ぬほど寒い(-10℃)ので、次来るときは完全防備で行きましょう」

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