ブロッコリーの多糖体が免疫力アップに効果をもたらすことを発見!
こんにちは。イマジン・グローバル・ケア株式会社です。「健康寿命を延ばす革新的な製品を世界に届ける」をミッションに、日々、研究開発に取り組んでいます。
そのなかで私たちは、ブロッコリーが他の野菜や植物よりも、体の免疫機能を強化する効果があることを突き止めました。
そしてその後、このブロッコリーから高濃度の栄養成分を抽出する技術を開発し、「ブロッコリー抽出エキス」を取り出すことにも成功しました。
この記事では、2012年および2022年に実施した、ブロッコリー抽出エキスがヒトの免疫細胞に及ぼす影響についての臨床試験の結果を詳しくご紹介いたします。
これらのヒト臨床試験で、NK細胞、好中球、そしてT細胞といった主要な免疫細胞の活性化が確認できたんですよ!
免疫応答における主要細胞への影響を調査
免疫とは、私たちの体をウイルスや細菌などの病原体から守るためのシステムのことです。
侵入した病原体や体内で発生したがん細胞などの異物は、NK細胞、マクロファージや好中球などの自然免疫を担う細胞によって攻撃されます。
まもなくして、獲得免疫を担う細胞たちが動きだします。
自然免疫を担うマクロファージや樹状細胞はT細胞を活性化します。活性化したT細胞は、異物を攻撃したり、別の細胞に対して抗体(異物を攻撃するミサイル)を作るよう指示を出します。
この体を守る一連の反応を「免疫応答」といいます。
免疫応答の中で、T細胞は非常に重要な役割を果たしています。T細胞は、ウイルス感染細胞を破壊するキラーT細胞と、他の免疫細胞に抗体の生成を指示するヘルパーT細胞の2種類に大別できます。
免疫細胞たちが効果的に機能することで、体は様々な病原体から守られます。
このような背景から、私たちは、ヒト臨床試験で、これらの細胞の機能や活性に特に注目して調査を行いました。
そして、2012年にはNK細胞と好中球の活性化を、2022年にはT細胞の活性化を確認できたのです。
ブロッコリー抽出エキスでNK細胞が活性化した!
2012年、私たちはブロッコリー抽出エキスが「NK細胞」と病原体を排除する細胞である「好中球」に与える影響を調査しました。
まずは、NK細胞からご説明しましょう。
NK細胞:異物が侵入していないか見回る警察官
NK細胞は、体に異物の侵入がないかと全身をパトロールし、ウイルス感染細胞やがん細胞を発見すると破壊してくれる頼もしい存在です。
似た働きをする細胞は他にもありますが、基本的に他の細胞からの指示がなければ動いてくれません。一方のNK細胞は、自ら動いて異物を探し、誰の指示がなくても異物を排除してくれる働き者なのです。
NK細胞は、細胞ができた瞬間から外敵を殺す能力をもっているという特性があります。ナチュラルキラーという名前は、「生まれつきの殺し屋」という意味からきているんですね。
ブロッコリー抽出エキスの摂取後にNK細胞が活性化
さて、話を2012年の臨床試験に戻します。
この試験では、20歳以上の健常な男女20名にブロッコリー抽出物を含む食品を4週間摂取していただきました。
そして、摂取前と摂取後で、NK細胞の活性指標を比較しました。
結果は、上のグラフで示されたとおりです! ブロッコリー抽出エキスの摂取によって、NK細胞の活性が上昇する傾向が確認できました。
好中球にも活性化する傾向がみられた!
上述の2012年の臨床試験では、好中球の活性化も確認できています。
好中球:異物を食べて排除してくれる食いしん坊
白血球の一種である好中球は、白血球全体の半分以上を占め、強力な貪食能力(異物を食べる能力)を持っています。
好中球は感染への防御にとても重要な免疫細胞で、感染初期に患部に集まることで、病原体の増殖を食い止める役割を果たしています。
結果は上のグラフのとおりです。ブロッコリー抽出液を摂取した後は、好中球の活性が上がっていることがわかりますよね。
NK細胞と好中球活性化が示された本研究の詳細は、2012年発行の『薬理と治療』誌に掲載されています。
感染細胞を殺傷するT細胞を増加させていた
そして2022年には、ブロッコリー抽出エキスが「T細胞」という免疫細胞の活性を向上させることも確認できました。
研究の詳細について説明する前に、T細胞についてご説明しますね。
T細胞:自らを強化して異物を攻撃する殺し屋
T細胞は、私たちの免疫応答の中で非常に重要な役割を果たす細胞の一つです。
T細胞は、その表面にある受容体(信号を受け取るもの)と呼ばれるたんぱく質の種類によって、さまざまに分類されます。これからお話しするCD8とCD28も受容体で、T細胞の表面に存在しています。
CD8: ウイルス感染細胞やがん細胞を抗原とする受容体です。CD8をもつT細胞は、キラーT細胞とも呼ばれ、ウイルス感染細胞やがん細胞を的確に認識して破壊します。
CD28: T細胞の攻撃性等の特徴を強化する受容体です。CD28をもつT細胞は、CD28を通して他の細胞から「もっと攻撃せよ!」等の信号を受け取り、自身を強化します。
研究に登場する「CD8+CD28+T細胞」は、キラーT細胞の一種です。ウイルス感染細胞やがん細胞を攻撃する能力を持ち、他の細胞からの信号によって強化されるという特性を持っています。
※CD8+などの”+”は、そのT細胞がCD8をもっていることを表しています。
ブロッコリー抽出エキス摂取後はT細胞の減少が少なかった!
臨床試験に話を戻すと…。
試験では、風邪を引きやすい日本人成人男女96名を2つのグループにわけ、一つのグループにはブロッコリー抽出エキスを摂取していただき、別のグループにはプラセボ食品(エキスを含まない同形状の食品)を摂取していただきました。
そして、摂取前と摂取後に、T細胞数を測定しました。
結果、ブロッコリー抽出エキスを摂取したグループでは、T細胞(CD8+CD28+T細胞)の数が摂取前の95%に維持されていることが確認できました。
一方のプラセボ食品を摂取したグループでは、T細胞の数が86%に減少していました。
ところでT細胞は、加齢、乾燥や低温によって、減少することが知られています。本試験は、秋から冬にかけての、「風邪をひきやすい」時期に実施しました。この時期はT細胞が減少しやすく、そのため風邪をひくリスクが上がってしまうのです。
この試験により、ブロッコリー抽出エキスを摂取することは、季節にかかわらず免疫力アップに良い影響をもたらすことを示すことができました。
なお、T細胞スコアの測定は、ブロッコリー抽出エキスの風邪症状への影響を検証する研究の一環として行ったものです。ブロッコリー抽出エキスの摂取によってT細胞が活性化したことが一因となって、風邪の予防と回復の効果がみられたと考えられます。
今後もブロッコリー抽出物の健康効果を検証していきます!
このように、ブロッコリー抽出物には、日々の健康を守ってくれるNK細胞や好中球や、風邪から私たちの体を守るT細胞を活性化させることを示すことができました。
ありがたいことに、これらの研究結果は多くの専門家からも評価されていますが、私たちはさらなる研究が必要だと考えています。
信頼性を高めるため、今後も継続的な検証を行ってまいります。
どうぞ、これからの発信を楽しみにしていてくださいね。