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兄弟経営は難しいのか?不動産開発に携わる3兄弟の話

兄弟経営は上手くいかない。

経営においてたまに話題に上がる話です。意見の食い違い、昔からの軋轢、決定権の曖昧さ…。兄弟の関係性に起因する問題は当然あります。ただ、星野リゾートのように上手く行っている企業だってあります。では、兄弟経営の成否を分ける決定的な違いって何なんでしょうか。

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2024年もすでに1ヶ月が過ぎようとしています。本当に日が経つのは早いですね!僕の2024年は毎年の恒例行事になっている、1月1日の家族大集合からスタートしました。僕は3兄弟の次男なんですが、毎年年始は決まって両親と僕ら兄弟の家族全員が集まり、ゆっくりご飯を食べたり話したりして過ごします。4家族が集まると総勢15人ほどになって、子供たちの年齢が近いこともあり本当に賑やかな年の始まりになります。

そんな家族大勢で迎えた年始の少し前。昨年末にめずらしく兄・僕・弟の男3人で食事に行く機会がありました。このnoteにも何度か登場してる弟は、弊社今村不動産で専務のポジションを勤めてくれていますが、実は兄も同じ不動産開発の業界で別の会社を経営しています。

はじめのnoteで今村不動産の創業期について書いていましたが、兄は僕が会社を創業するきっかけになった人でもあります。兄の助言と弟の覚悟があったから、僕は今こうして今村不動産という会社を経営しているといっても過言ではありません。

創業時のストーリーはこちら↓


そんな、久しぶりに三兄弟が揃った忘年会?もちろん家族やプライベートの話もしましたが、やっぱり中心になったのは仕事の話。今回はそんな不動産業界に携わる兄弟達の話です。

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経験してきた兄に聞ける心強さ


兄の会社「日本ユニスト」は現在13期目で従業員数は40名ほど。僕と弟の会社「今村不動産」は9期目で人数は12人です。兄の会社の方が取り扱っている物件の規模が大きく、大規模なホテルの開発・運営なども行っています。不動産開発を中心に展開する同業種として、いまどんな案件を仕入れているか、どう開発を進めていくかといった情報共有はもちろんですが、売上や利益の状況、販管費の割合など会社経営について一歩踏み込んだ話もしたりもします。

詳しくはわかりませんが、兄の会社もすべてが順風満帆だったわけではありません。人材採用の難しさから組織規模も拡大と縮小を繰り返し、社員数がガクンと減った時期もありました。また、自社開発・運営していたホテル関係がコロナで打撃を受けたりと、紆余曲折経験しながら経営を続け、成長してきたはずです。

机上の空論ではなく、
実際に経験してきた人の意見に勝るものはありません。


もちろん会社の方針や経営の舵取りは違いますが、今村不動産としてこれから会社を組織的に拡大・発展させていこうと考えた場合、身近にロールモデルとなる日本ユニストという会社があり、忖度や利害関係なしで相談できる兄の存在は心強いなと、年末に話していて改めて思いました。

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専業分化しながらも
仕組みでつながっている組織を目指す

そんな風に兄弟3人、お互いの会社経営の話をするなかで、僕がいちばん関心があったのが組織の話でした。

前回のnoteでも書きましたが、今村不動産では今年も昨年に引き続き、少数精鋭の会社体制から規模拡大&組織化に向けて積極的に採用活動を進めていこうと考えていました。

(話はそれますが、これまで1年を振り返ることはあまりなかったのですが、noteきっかけで年間の振り返りをしたこともあり、会社のサイトにも会社の進捗を振り返られるコンテンツを追加してみました。)


将来の組織体制を見据えた上で、どのポジションの人材から優先的に採用していくか。昨年は営業職と事務補佐の2名が入社し、現在は12名体制になっています。収益の面で考えるならば断然「営業職」となるでしょう。不動産業界では開発や仲介など業務の差はあれど、どの会社も営業職を優先する傾向にあります。

ただ、今村不動産はまだまだ人数が少なく、営業以外の人事・総務・広報などの仕事はバックオフィスの事務スタッフが兼任で行ってくれている状態です。営業力を強化して収益を上げるのは大切ですが、会社としての組織管理体制もどこかのタミングで強化していかなければ…と常々考えていました。そんな話をしたことろ「間違いなく管理部門を強化した方がいい」というのが兄の考えでした。

経営が波に乗り、規模拡大として採用を推し進める。社内の人事体制や部署・役職ごとの業務役割、部門間連携の方法などが整っていないまま人数が急激に増えた結果、人や情報の管理統制ができずに組織が崩壊してしまう。これに近いことが、過去に兄の会社でも起こった時期があったのです。その話も踏まえ、2024年以降の採用活動では変わらず営業職の採用は続けるものの、管理部門に重点を置いて進めていきたいと考えるようになりました。

幸いなことに、現時点では直近数年の営業数値面の心配はほぼありません。営業職に関しては現在のスタッフを基盤にしながら、人数を倍増させるというよりも若手の育成を視野に入れた採用活動を行い、縦に伸ばしていく。そのうえで、現在はひとくくりに「管理部門」として複数のバックオフィス業務を担っている部署を「人事」「総務」「広報」など専門分化させることを目標に採用を推し進めたいと思っています。

ただし、単純にセクションを増やしていくだけでは意味がないとも考えています。目指したいのは全ての業務が理念と仕組みでつながっている状態です。

会社売上の面で見ると、営業部門が収益の要なのは間違いありません。細かくは割愛しますが、現在の人事評価制度でも営業職は売上に対するインセンティブ制度があります。ただ、もっと大局の視点で考えると、売上の全てが営業のマンパワーで成り立っているわけでもありません。資料を補佐してくれる事務職がいて、金銭管理をしてくれる経理職がいる。そして、ゆくゆくは会社として認知やブランド力を上げてくれる広報、企業活動を根底で支える総務、優秀な人材の確保や評価を行う人事…それらすべての活動がつながることで、組織規模も売上も大きくなっていく。

そう考えると、現在は定性的になっている管理部門の評価制度も見直すタイミングが出てくるでしょう。部門を超えてお互いが協働できる考え方(例えば、営業職の行動と会社広報の発信が一緒になっている状態)=理念についても再考の余地が出てくるはずです。

まだ具体的なことは何も考えられていませんが、目指したいのは「業務効率のための役割分担・部門化」ではなく、業務フローや人事評価制度までも連動させた「部門間業務の仕組み化」です。答えはないし、めちゃくちゃ難しいとは思いますが、これが今村不動産として体系化できると、いまよりずっとすごい会社になる!と信じて、2024年の僕のテーマにしたいと思います。

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兄弟経営も専業分化が鍵だと思う

そんなわけで年末の兄弟での食事以降、組織体制についていろいろと考えていましたが、ふと「兄弟で会社経営していくために重要な考え方も一緒だな」と思いました。

兄は別会社ですが、僕と弟は同じ会社で働いています。肩書は社長と専務。冒頭のように「兄弟経営は上手くいかない」といわれることもありますが、僕にしてみれば「弟が一緒に会社をしてくれていて助かっている」が正直な本音です。これ、兄弟の仲が良いからといった単純な話じゃなくて「上手く専業分化できている」からなんだと思い至りました。

会社の大筋や目指す方向は、よく話し合っているので大枠としては合意できていると思います。ただ、こまかな考え方や価値観は、いくら兄弟といっても違うことがたくさんあります。役員として会社経営方針については議論しますが、最終的には僕が経営判断を下します。僕の役割は経営とファイナンス(銀行融資)といったところ。弟は営業とマーケティグ。役員の立場ではありますが、営業部門の統括として営業部隊を管理しながら、新規事業開発やマーケディング施策の実行を行います。

立場の違いから意見が分かれることはよくあります。ただ「相手の役割の意思決定は覆さない」というのが、2人の間での取り決めというか、暗黙の了解になっています。弟である専務が「この開発案件はやるべきだ」と言うと、社長の僕から見て「難しい」と判断しても、やることもあります。営業部門で現場をどう動かすかといったことに、僕が口出しをすることは一切ありません。そこでもし判断ミスが起こったとしても「弟が言ったことだから仕方ない」という覚悟がある。それは「不動産を通して地域社会や経済に貢献したい。そして、今村不動産という会社を通して【関わりある全ての人々を幸せにする】」というブレない共通の思いがあるからだと思います。

・共通の将来指針を持つこと

・相手の役割を尊重すること

・役割を超えて会社として仕事に取り組むこと

このあたりをキーワードに、2024年の組織づくりを進めて行きたいと思った年始でした。

気がつけばもうすぐ2月。今年の1/12が終わってしまいます。
ギアを一段上げて経営を加速させる1年に向けて進んでいきたいと思います。

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