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「奈良唯一のワイナリー」木谷ワイン(奈良県香芝市下田西)訪問記



木谷(きたに)ワインとは

奈良県唯一のワイナリーである、「木谷ワイン」。

代表の木谷一登(きたにかずと)さんは、奈良生まれ奈良育ち。
ワイン造りに魅了され、銀行員から醸造家に転身したユニークな経歴を持ちます。
自然酵母で発酵し、ナチュラルな造りながらもオリジナリティのあるワインを醸造しています。

代表の木谷一登さん

そんな「木谷ワイン」の魅力を
商品コミュニケーション本部の小倉爽椰(さや)がレポートしていきます!


木谷さんがワインに興味を持ったのは、銀行員時代に大阪の『カタシモワイナリー』へ見学に行った時のこと。
"こんな身近なところでワインが造られているんだ!"ということに驚き、自分でもやってみたいと考えるようになったそうです。

そんなワイン業界に入るきっかけとなったカタシモワイナリーで研修を受け、2018年に独立し、ぶどう栽培をスタートしました。
2022年には醸造所を設立し、念願の自社醸造を開始した今注目されている新進気鋭のワイナリーです。

土地の味をワインの中に表現する

木谷ワインの自社畑があるエリア(奈良と大阪)は、昔「ぶどう御殿」と言われていたぐらいぶどう栽培が儲かるとされていました。
しかし、現状は少子高齢化による後継者問題、人手の不足等で放置されている畑もちらほら。
そんな手が回らなくなった畑を譲り受けて、木谷さんが自社畑として運用しています。

色づき始めているデラウェア

「ワインの原料葡萄が生まれた畑の味」を表現する木谷ワインは
「葡萄を収穫した土地の味をワインの中に表現する」ことを目的としています。

栽培は除草剤や化学肥料は一切使わず、農薬に関してもボルドー液と石灰硫黄合剤の必要最低限使用のみ。
醸造は自然酵母での発酵で亜硫酸塩も極力使用しません。

レインカットにより農薬や除草剤を一切不使用にして6年目の畑もあり、肥料を切ることで収量制限がかかり枝が細くなってきたそうです。
完全無農薬にしてから収量が当初の40%ほどになったが、味わいが確実に伸びてきていると伺いました。

ヴィニフィラの栽培は西日本では難しいらしく、自社畑の品種はラブルスカ種が中心
無農薬の畑はアルバリーニョ、プティマンサン、マスカットベーリーA、小公子等の植え替えも検討しているとのこと。(楽しみです・・・!)

ビニールハウスで栽培しているため、雨風の影響は少ないですが、一番の被害は
柱や木に寄りかかりながら葡萄の実を食べてしまうらしく、頭が良く毎日学習していくため、対策が難しい動物だと仰っていました。

畑の入り口に猪が掘り返した跡が・・・

特にワインのレシピは決めておらず、パズルのようにひとつひとつ当てはめて、実験をしながら醸造を行っていると語る木谷さん。

木谷さんのワインは何を飲んでもピュアで体になじむ味わい。
特にデラウェアのクオリティは高く、よく熟しているため、ストロベリーや白桃のようなアロマが広がります。

自社醸造を始めて2年目、既に木谷ワインらしさが確立されており、味わいの軸が明確です。

奈良初のワイナリーの奮闘記

自社醸造を始めて2年目。
木谷ワインは常に新しいことに挑戦しています。

自社畑と醸造所を見学した後、木谷さんと共に奈良の日本酒蔵「風の森」を造っている油長酒造へ伺いました。

なぜ一緒に伺ったかというと、、、
本場ジョージアから持ち帰られたクヴェヴリを譲り受けるため!
このクヴェヴリをつかい、葛城山麓のヤマソービニンを仕込む予定らしく、油長酒造の山本代表からニコニコの笑顔で受け取っていました😊

シートベルトをつけているクヴェヴリ、初めて見た光景だけどなんかかわいい・・・

他にも飲食店さんとコラボして作ったみかんワインや、同じく油長酒造が手掛ける橘花ジンに使っている大和橘を使った果実酒なども醸造。

木谷さんのInstagramには日々の様子(奮闘記)が掲載されてますので、せひご覧ください!



最後に

穏やかながらも芯がある木谷さんの人柄、ワインに心血注ぐ姿に心打たれ、
まさに ”応援したくなるワイナリー” だと感じました。

そんな木谷さんの手によって、これからどんな液体が生み出されていくのか、ワクワクします!
「葡萄を収穫した土地の味をワインの中に表現する」奈良県の初のワイナリー。
木谷ワインの今後にぜひ、ご注目ください。

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