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久しぶりの読書っていいな

今週の金曜日、ふと「本を読みたい」と思う。
それも、小説とかエッセイとかがいいなと。

社会人になってから、たまに読む本のほとんどは自己啓発とか、デザインに関する資料集とか、ビジネス関連のものばかりだった。頭をフル回転させて、たぶん私の苦手な右脳を使うような、そんな思考で読まないと理解できない難しい本。そういうのではなく、自分に合った感性の、心で読めるような本を読みたいと思った。

思い立ったが吉日!仕事終わりに書店に寄る。家の近所にある小さな書店だけど、行ったことがないお店だった。小説か、もしくはエッセイ。それ以外は特に何も決めないまま入店する。

うろうろしていて、一冊の本が目に留まる。
宇佐見りんさん著「かか」という小説。

うーちゃん、19歳。
母も自分も、もう抱えきれん。

この帯コピーがとても印象的で、どんな内容かずっと気になっていた本。表紙のイラストもとても好みだった。ピンと来たので、購入を決めて手に取る。

ちなみに私は本を選ぶ際、小説、エッセイ以外になんとなく決めていたことがある。買うなら文庫本がいいな、ということ。ハードカバーの単行本より持ち運びしやすいそのサイズが好きで、昔から本は文庫本ばかり買っている。とはいえ持ち歩くほど本を読むことなどほとんどないのだけど、文庫本のあのサイズ感と、しなやかな手触りが好き。

もう一冊なにか読みたいな。そう思い、1番に思い付いたのは江國香織さんだった。

きれいでやさしくて、ちょっと人見知りっぽいような繊細な文体が中学生の頃から大好きで、ときどき買っては憧れの世界観にうっとりしながら読んでいた。
私にとって心で読める本といえば、江國さんの本を置いて他にない。
すかさず、五十音順に並んだ小さな棚から、「え」の段を探す。あいにく小さな書店だったため江國さんの作品数はそこまで多くはなかったが、その中で読んだことのない本がひとつだけあり、それを購入することにした。「物語のなかとそと」という散文集だ。

お会計の際、店主の方が「図書券が当たるキャンペーン」に参加できるしおりをつけてくれた。しおりにあるQRコードから、毎日応募が出来るらしい。僕もこれまで何回も当たったことがあるから、ぜひやってみてと。1,000円分が当たったらしい。丁寧に教えてくれた。気さくなおじさん、といった感じで話しやすかった。

久しぶりに本を買った高揚感でほくほくする。これはすぐにでも読まなければ、読み切りたい!と思い、書店から近くのスタバに駆け込んで、購入した勢いのまま読むことに没頭した。

久しぶりに読書に触れた感想、本ってすごい。
(小並感まるだしな感想で申し訳ない)
文字のひとつひとつが脳内に情景を浮かばせる。映像と違って自分の読むスピードによって終わる時間は変わるから、慣れてないと体力もいる。でも読み終えた時の満足感は格別だった。新しい世界をまるごと一個「知った」感覚。

私は映像作品が好きなのでついつい映画ばかり観てしまうのだけど、鑑賞するハードルが低いため惰性で観てしまう時がときどきある。
今回、本という普段あまり触れない媒体から作品を感じたことで、本を読んだ時間そのものがとても充実した体験になった気がする。もちろん、「かか」も「物語のなかとそと」も、とても好みで面白い内容だったことをふくめて。

次は何を読もうかな。今回のように、行き当たりばったりで選ぶのも楽しいかも。いつもとは違う、久しぶりの感覚にわくわくした。
また、同じ書店で選んでみよう。

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