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#22.La strada (1954)【偏愛的映画のすゝめ】

色々やりたいことがみえてきた今日この頃。

第22回は、イタリア映画の有名作品『道』です。
1954年、イタリア、115分。

怪力自慢の大道芸人ザンパノが、白痴の女ジェルソミーナを奴隷として買った。男の粗暴な振る舞いにも逆らわず、彼女は一緒に旅回りを続ける。やがて、彼女を捨てたザンパノは、ある町で彼女の口ずさんでいた歌を耳にする……。野卑な男が、僅かに残っていた人間性を蘇らせるまでを描いたフェリーニの作品。

この作品を端的に表現すると、、、

時に冷酷な歩むべき道


その日暮らしの大道芸人が世間知らずな村娘を連れ回すストーリー。良く言えばロードムービー、悪く言えば奴隷の物語といったところでしょうか。

大道芸人ザンパノはそのわがままな横暴ぶりで、ジェルソミーナをこき使いますが、彼に真摯に付き従うジェルソミーナの姿は健気なものです。

物語の後半で、ジェルソミーナが別の大道芸人を通じてザンパノに対して考えを改め直します。そこから始まる悲劇もまた心に刺さります。


一度作品を観ると、そのタイトルについて深く考えさせられます。歩むべき道を進み始めたのなら引き返すことはできない。ザンパノにはあの結末に向かう道が、ジェルソミーナにもその道が敷かれていたのかもしれません。

この考えはあらゆる映画の登場人物に当てはまることでしょうが、『道』ではその道を特に印象的に感じることができるはずです。

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