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君のおかげで僕の人生はカラフルになった

自分がどんな人物なのか分からなかった。両親と一緒にいる時、友人と一緒にいる時、息子と一緒にいる時、はたまた一人でいる時の僕は同一人物ではない。

一体、僕は何者だろうか?

周りの人々からは、寡黙で時々ぼそりとジョークを言う男だと思われている。そのイメージは間違っていない。自他共に認める通り、僕は感情表現と口数がとても少ない男だ。「典型的な九州男児」とはよく言われたものだ。

でも、皆が知らないだけで僕はよくしゃべり、笑い、泣き、怒ることさえある。愛する妻と2人きりで時間を過ごしている時に限るが。

彼女と一緒になる前までは、自分にこんな一面があるとは思いもしなかった。

毎日一緒にいる、もっと言えば僕は家で仕事をするから、一日中一緒にいるのに、しょっちゅう僕は彼女に話しかける。外では寡黙な僕も、彼女と2人きりなら、お喋りさんになって、たっぷり甘えてしまうのさ。

彼女と出会うまでの22年間、他人に怒りを表したことはなかった。喧嘩はもちろん、反抗期もなかったと思う。でも彼女と一緒にいる時、僕は本気で怒ることがある。怒りなれてないから、怒りながら心のどこかで悲しくなり、あとでこっそりと一人涙を流しているのは内緒だ。

ああ、そうだ。彼女と一緒なら泣くこともできる。3年間打ち込んだ部活を引退する時も、学校の卒業式の時も、アルゼンチンへ移住する前、空港で家族に別れを告げる時も、涙は流れなかった。でも妻、いやアントと書こう。妻と呼ぶのは慣れていないから。

アントといる時なら、僕は色々な涙を流せる。怒りの涙、悲しみの涙、感動の涙、そして喜びの涙さえも。彼女と出会ってから、砂漠のように枯れた僕の目に、大きな井戸が誕生した。

アントといる時なら、僕は耳からつま先まで真っ赤になりそうな愛の言葉さえ囁ける。これまで何人かの女の子と交際してきたが、当時の僕には愛の言葉は重すぎた。心の底から好きだったけど、なぜか「愛してる」と言おうとすると、口が動かなくなった。それが原因で振られたこともある。

でもアントと一緒にいる時なら、僕は恋した詩人となる。光源氏も、シェイクスピアも真っ青さ。

僕達は共に笑い、喜び、怒り、悲しみ、泣き、愛し合う。

君といると、僕は人間らしくなれるんだ。

君といると、何ともない日常が映画のように素晴らしい日々となるんだ。

今の僕の姿しか知らない君は信じられないだろうが、僕は本当に感情に乏しい人間だったんだよ。実の母親が、君と結婚してから僕は人間らしくなったと言うほどだからね。

君のおかげで、僕の人生に少しずつ色がつき、今では子供がクレヨンで描いた絵のようにカラフルさ。

僕は君を愛している。それと同じくらい、君といる時の僕も好きだ。だから、君といる時の僕こそが、本当の自分だと思っている。君と一緒にいる限り、僕は喜怒哀楽に満ち溢れたロマンティックな人生を送れるはずだからね。

そして僕は知っている。僕といる時の君こそが、本当の君だってね。

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