世界を巻き込む新型コロナウイルス、日本のメディアでも他国の現状がさかんに報道されるようになりました。ここでは現地に住む方の生の声(note記事)をまとめます。
世界各国に暮らすもの書きたちによるリレーエッセイです。ベトナム、イタリア、アルゼンチン、インドネシア、イスラエル、ドイツ、カタール、マレーシア、など。どうぞよろしくお願いします。
奥川駿平🇦🇷
読んだらお腹が空くアルゼンチンの食にまつわるエッセイです。
アルゼンチン人妻ことラテンな嫁との結婚生活に関するエッセイ集。
2015年アルゼンチンへ移住した作者が、現地の生活や経験から得たアイデアを基に創作する、異国情緒溢れる短編集。
自分がどんな人物なのか分からなかった。両親と一緒にいる時、友人と一緒にいる時、息子と一緒にいる時、はたまた一人でいる時の僕は同一人物ではない。 一体、僕は何者だろうか? 周りの人々からは、寡黙で時々ぼそりとジョークを言う男だと思われている。そのイメージは間違っていない。自他共に認める通り、僕は感情表現と口数がとても少ない男だ。「典型的な九州男児」とはよく言われたものだ。 でも、皆が知らないだけで僕はよくしゃべり、笑い、泣き、怒ることさえある。愛する妻と2人きりで時間を過
世界各国の物書きでまわすリレーエッセイ企画「日本にいないエッセイストクラブ」。12回目のテーマは「自分は日本人だなと思った話」。ハッシュタグは #日本にいないエッセイストクラブ 、メンバー以外の方もお気軽にご参加を!過去のラインナップは随時まとめてあるマガジンをご覧ください。 今までリビングで仕事をしていたが、ようやく最近になって自分だけの仕事部屋を持った。2階にある小さな部屋に、仕事用テーブルとイス、お気に入りの観葉植物だけを飾った小さな仕事部屋。 自分だけの仕事部屋を
奥川駿平 writer / copywriter 1992年6月16日生まれ、福岡県出身。立教大学文学部卒業。2015年大学卒業後にアルゼンチンへ移住。同年より、フリーのライターとして活動開始。SEO対策からコピーライティング、コラム記事まで幅広く手掛ける。2019年世界ウェブ記事大賞入賞。これまで13,000本以上の記事執筆 200社以上の取引をしています。Twitterのフォロワー8,000名以上。 できること ・SEOライティング(BtoBをメインに執筆しています)
「もう離婚しましょう」 目に涙を浮かべながら言う彼女の姿を見て、僕は「そうだね」とうなずくしかなかった。 この2日前、僕たちは6回目の結婚記念日を祝っていた。まさか結婚記念日の2日後に離婚について話すことになるとは。 その日もまた、僕たちは何気ないことが原因で喧嘩をした。「また」というのは、僕たちは小さな出来事がきっかけでよく喧嘩をし、そのたびに仲直りをしていたからだ。今回もまた、すぐに仲直りすると思っていたが、実際はそうではなかった。 いつもの喧嘩とは違い、次々と相
世界の様々な国に住む書き人によるリレーエッセイ企画『日本にいないエッセイストクラブ』。リレー企画第8回目のテーマは「服」。記事を書くのはアルゼンチン在住の奥川です。僕にバトンを渡してくれたのは、チリの「MARIE」さん(記事はこちら)。各走者の記録をまとめたマガジンはこちら。 なぜだろう。なぜ、アルゼンチン人の男性は半ケツが多いのだろうか。前かがみになると、シャツが巻き上がり、少しお尻の割れ目が見えてくる。 なぜなんだ。 この「半ケツ」問題は、デリケートな問題なので、ア
世界各国の物書きでまわすリレーエッセイ企画「日本にいないエッセイストクラブ」。今回のテーマは「日本の恋しいもの」。アルゼンチン在住の奥川がお送りします。ハッシュタグは #日本にいないエッセイストクラブ 、ぜひメンバー以外の方もお気軽にご参加ください。過去のラインナップは随時まとめてあるマガジンをご覧ください。 今回のテーマは「日本の恋しいもの」。ふむ、困った。色々と考えてみたが、一向に思いつかない。 振り返ってみると、2015年にアルゼンチンに移住して以来、とくべつ日本を
世界各国の物書きでまわすリレーエッセイ企画「日本にいないエッセイストクラブ」。今回のテーマは「最近始めたこと」。アルゼンチン在住の奥川がお送りします。ハッシュタグは #日本にいないエッセイストクラブ 、ぜひメンバー以外の方もお気軽にご参加ください。過去のラインナップは随時まとめてあるマガジンをご覧ください。 最近、ジムに通い始めた。 筋トレ自体は1年半ほど前からやっている。といっても、腕立て伏せやスクワットなど自分の体重を使った筋トレだ。それでも毎日続けていると、普通の種
ペッパピッグに呪われた日々ペッパピッグを200回以上観た。いや同じエピソード、特にシーズン1エピソード1は20回近く観ているから、合計すると300回以上はペッパピッグを観たかもしれない。 ペッパピッグとは、ペッパという子豚の女の子を主人公としたアニメだ。ペッパファミリーの日常を描いており、どうぶつの森の世界観に似ているかもしれない。 29歳の僕がペッパピッグにハマるには年を取りすぎている。ツイッターやヤフーニュースを開けば、みんなが君の名やエヴァなどで盛り上がっている中、
この記事は、世界各国の物書きでまわすリレーエッセイ企画「日本にいないエッセイストクラブ」への寄稿です。今週はアルゼンチン在住の奥川が担当します。6周目となる今回のテーマは「冒険」です。文末に「前の走者のエッセイ」と「次の走者のエッセイ」があります。 今週のテーマは「冒険」なので、色々と振り返ってみたものの、なかなかアイデア思い浮かばない。男二人でロシアを一か月半ほど放浪したものを書こうと思ったところで、良いアイデアが浮かんだ。 僕が住むアルゼンチンの人々の冒険を語ろう。
世界各国の物書きによるリレーエッセイ企画「日本にいないエッセイストクラブ」。4週目のテーマ「思い出の写真」をアルゼンチン在住の奥川が綴ります。末尾には、前回走者へのコメントと次回以降のお知らせがあります。過去のラインナップはマガジンをご覧ください。 アルゼンチンの夏、ネウケン州の人々は水辺へ向かう。大人も子供も夏の強い日差しをたっぷり浴びて、あのひやりとする冷たい水にとびこむのが好きだ。 これからする話は小声で言うべきことであり、はっきり言うと僕たちは悪いことをした。だが
愛する人と一緒になるため、家族を手放した * 2015年、僕はアルゼンチンへ移住した。留学や短期滞在ではない。アルゼンチンで骨を埋める覚悟の元、移住をしたのである。 別にアルゼンチンが好きだったわけではない。むしろ、当時はこの国について何も知らなかった。僕が移住した理由は、今の妻と共に生活を送るため。 たまたま彼女がアルゼンチン人だったから、アルゼンチンに移住しただけであり、イタリア人だったならイタリアへ、セネガル人ならセネガルへ移住していただろう。 妻が日本に移住
暦の上では、アルゼンチンはまだ春なのに、もう夏がちらちらと姿を見せ始めている。なんだか年々、春の日数が短くなっているようだ。 僕の住むネウケン州は乾燥しているから、夏はカラッとした暑さだ。日本のようにジメジメとした不快な暑さではない。 それでもアルゼンチン人の妻は夏が嫌いなようだ。まだ夏が始まってもいないのに「暑い、暑い」とうなだれている。 不幸なことに、つい先日エアコンも壊れてしまった。このままでは、夏が到来する頃には、彼女は死んでしまうのではないだろうか。 どうに
アルゼンチンに移住してから2年ほど、現地の会社で働いていた。会社と言っても、ひとつは従業員4名の園芸店、もうひとつはボスと僕だけの車塗装・修理工場。 別にそこで働きたかったわけではない。そこで働けたから、働いただけだ。他にも選択肢があったら、園芸店や車の修理工場なんて選ぶわけがない。 仕事のやりがいなんてない。毎日太陽の光を浴びながら植物の世話をする、もしくは冷たくて乾燥した空気で手の皮膚を切りながらねじを絞めるだけの日々。 昇進も、昇給もない。 生活のために働くだけ
世界各国の物書きによるリレーエッセイ企画「日本にいないエッセイストクラブ」。4週目のテーマ「お腹が空く話」をアルゼンチン在住の奥川が綴ります。末尾には、前回走者へのコメントと次回以降のお知らせがあります。過去のラインナップはマガジンをご覧ください。 ハッシュタグで参加募集! 固定メンバーで回してきた企画ですが、海外での話を書きたいな~とお思いの方!ぜひぜひ、「 #日本にいないエッセイストクラブ 」というハッシュタグを付けてお気軽にご参加ください。招待させていただくこともあり
僕の義父母は熱心なキリスト教徒のアルゼンチン人。毎週日曜日の夕方、彼らは教会へ足を運ぶ。以前は大工の義父が建設した教会に通っていたが、いつの間にか教会を変えたようだ。どうやら、その教会には良い牧師様がいるらしい。 実際、教会を変えてから義父母も変わった。彼らは神への理解がより深まった言い、彼の娘たち(僕の妻も含む)たちは義父母はより面倒くさくなったと言う。 アルゼンチンでは毎週日曜日の昼、家族全員で伝統炭火BBQアサドを食べるのが伝統だ。4~5キロの大量の肉は昼だけでは食
「どうして愛してるって言ってくれないの?私のこと好きじゃないの?」 付き合い始めたばかりのころ、妻が涙を流しながら言った。日本とアルゼンチンの遠距離恋愛中だったから、僕は彼女の涙をぬぐうことも、肩を抱いてあげることもできなかった。 「君のことは愛してるよ。とても愛してる」、僕にできるのは精いっぱいそう言うだけ。 「じゃあ、もっと愛を見せてよ!」と彼女は震える声で訴えた。 * コミュニケーションで大切なことは、認識のずれを生じさせないことだ。当時22歳ながらも、僕はそ