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ILY,のサービス「Studio」と「Laboratory」はどう違う?私たちが考えるgood daysのためのデザインソリューションについて

Hello, people.

ILY,の辻原です。

ILY,のデザインサービスは「Studio」「Laboratory」という2つの区分で展開しています。サービス名を一見しただけでは、それぞれがどのようなサービスなのか、なかなかイメージしづらいかもしれません。
そもそも「なぜ、デザインサービスを2つに分ける必要があるの? デザインといえば、WEBやパンフレットのデザインをするだけじゃないの? それ以外に何があるの?」と感じる方もいるかもしれませんね。

今回は、このStudio/Laboratoryの違いについてご説明しながら、ILY,が目指すデザインソリューションの在り方についてお話ししたいと思います。

Studio/Laboratoryと2種類の「デザイン」

デザインの世界では、デザインには大文字の“DESIGN”と小文字の“design”の2種類があるとよくいわれます。ILY,のStudioとLaboratoryは、この2種類のデザインに対応するものです。

Studioは主にデザイン制作、すなわち、意匠としてのデザイン=designにフォーカスしたサービスです。

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コンサルティングをしながら、WEBサイトやパンフレット、ロゴ、内装など、さまざまなクリエイティブを提供しています。


Laboratoryは、ビジネスの設計=DESIGNをサポートするサービスです。

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新規事業立ち上げやイノベーションの創出、既存事業のリデザインといったビジネス課題に対して共創プロジェクトを立ち上げ、ワークショップやディスカッションを通じて、課題解決とアウトプットを目指します。いわば、デザイン制作の上流工程に当たるといえるでしょう。

ただし、実際にはこれら2つを明確に分けてサービス提供しているわけではありません。StudioとLaboratoryは、デザインについてご相談いただける2つの“入り口”。そして、どちらの入り口からご相談いただいても、意匠と設計、2つのアプローチを取り入れたソリューションを提供できるようになっています。
例えば、Studioを入り口にWEB制作を依頼いただいた場合でも、WEB制作の背景となるお客さまのビジネス課題や、それに対するブランディング戦略、WEBによるコミュニケーション設計まで考慮してデザイン制作を行います。また、Laboratoryの取り組みの中で、ビジネス課題を解決するひとつの手段として、WEBサイトやパンフレットなどが必要であるという結論に至れば、それらのデザイン制作まで行う、といった具合です。

このように、あえてStudio/Laboratoryという2つの入り口を設定している背景には「ILY,がDESIGN=ビジネスの設計からお手伝いできることを伝えたい」という想いがあります。「デザイン」いうと、国内では見た目のデザイン(=design)を扱う印象が強く、制作の上流設計も含まれるという認識があまり浸透していません。したがって、単純に「デザインソリューションを提供しています」と掲げるだけでは、ILY,のデザインの在り方をなかなか正しく伝えられないのが実情です。

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これに対して、Studio=design/Laboratory=DESIGNという見せ方をすれば、お客さまに「具体的なモノのデザイン制作を依頼するだけではなく、ビジネスの設計から手伝ってもらえるんだ」と気付いてもらえるように。同時に、デザイン制作を依頼いただいた場合でも、単に仕様通りの制作物を納品するだけではないことや、ブランディング戦略やコミュニケーション設計について提案もさせていただきながらアウトプットしていることを、理解してもらいやすくなると考えています。

【ILY,が目指すデザイン①】「本当にWEB制作が必要ですか?」からデザインを始めたい

このStudioとLaboratoryについて、現在、私たちは2つのことに課題を感じています。

ひとつは、Laboratoryを入り口とした取り組みをもっと増やすこと。
2種類の入り口を用意してはいるものの、実際には、Studio発の取り組みが現時点では大半です。確かに、お客さまにとっては「何らかの具体的なモノをデザインしてもらう」というStudioの入り口のほうがイメージが明確で、ご相談いただくハードルも低いでしょう。また、私たちも決して、デザイン制作を設計より軽視しているわけではありません。事実、お客さまの多様なニーズに応えられるよう、さまざまなデザインやクリエイティブが可能なメンバーを抱えています。

しかし一方で「デザイン制作そのものは目的ではない」というのが、私たちの考えです。目的はあくまで課題解決。デザイン制作は、その目的を達成するための手段です。

例えば、WEBサイトを作ることは、お客さまにとっても、ILY,にとっても、それ自体は目的ではありません。事業拡大のためにマーケティング戦略があり、その戦略の中で活用するひとつの手段がWEBサイトであり、そのWEBサイトを最適化するというのが、本来のデザインの考え方です。ところが、具体的なモノありきでデザインに取り組むと、往々にしてデザイン制作自体が目的になってしまいがちです。

現に、Studioを入り口とした取り組みでは、WEBサイトやパンフレットなどのモノを作ること自体はすでにお客さまのほうで決まっているケースが多く、私たちが上流設計の根源的な部分にまで踏み込めないことも少なくありません。
私たちとしては、お客さまにとっての本来の目的を見失わないように取り組んでいますが、本当なら「なぜ、その WEBサイトが必要なのか」「本当にWEBサイトという手段が課題解決のために最適なのか」という議論からデザインを始めたいのです。それが、ILY,の考える本質的なデザインの在り方であり、ILY,のデザインの強みだと自負しています。

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【ILY,が目指すデザイン②】納品して終わりではなく「動かす」ところまでデザインしたい

もうひとつの課題は、StudioやLaboratoryで設計し、制作したモノを、さらに動かすところまでデザインできるようになることです。

現状のILY,では、Studio発であれ、Laboratory発であれ、最終的に制作物を納品したところで案件は終了してしまっています。しかし、それではお客さまが課題解決するための手段を提供しているだけ。今後は、その手段を使って課題解決に向かっていくところまで、お客さまに伴走したいと考えています。

もっともわかりやすいのがPRです。例えば、ブランディング戦略を立案し、アウトプットとしてWEBを制作した場合には、その先の施策もサポート。WEBで運用するコンテンツを制作したり、イベントを企画したり、ユーザーコミュニティを形成したりといったことにも取り組んでいきたいと思っています。それも一度限りではなく、PDCAを回しながらコンテンツを改善し、お客さまと共に長期にわたってブランド・ビジネスを育てていく。そうしたデザインこそ、私がILY,というチームで実践していきたいことであり、ここまでして初めて、ILY,は本当の意味でお客さまの価値創出に貢献できると思っています。

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こうした長期的な視野でデザインに取り組むことを考えると、将来的には、お客さまとILY,との関係性も変わってくるでしょう。お客さまは「クライアント」ではなく、ILY,とチームを形成する「パートナー」に。ILY,のビジネスモデルの観点からいえば、案件単位で料金が発生するのではなく、例えば年間契約のような形で、パートナー企業さまからチームとしての活動費用を支援いただきながら、プロジェクトを推進していく形になるのではないかと考えています。


ILY,hubを舞台にStudio/Laboratoryの深化・拡張を

こうしたStudioとLaboratoryを次のステップに進める役割を担うもののひとつが、9月14日にオープンしたコミュニケーションスペースILY,hubです。

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ILY,hubは、社内外からさまざまな人たちが集まって「Design, for good days」(ILY,のミッション/ビジョン)のための実験を行えるワークスペース。アイディエーションやアウトプットに取り組めるコクリエーションスペースや、ビジネスやデザインについて対話・ディスカッションができる会員制バー、クリエーションに欠かせない文化的な視点を得られるカルチャーイベントなどを展開しています。

例えば今後、バーに集まった人たちが「good daysってどのようなものだろう?」「どうすれば実現できるだろう?」といった議論をしている中で、何らかの糸口が見えてくることもあるでしょう。場合によっては、より具体的に新しいプロジェクトの構想が立ち上がってくることもあるかもしれません。もし、そのコミュニケーションの中にILY,のメンバーが加わっていれば、Laboratoryの取り組みとして、プロジェクトの戦略立案や事業設計をお手伝いできます。また、実際にコクリエーションを推進する中でデザイン制作が必要になれば、こちらもILY,のStudioの取り組みとして対応可能です。さらにプロジェクトを「動かす」段階では、ILY,hubに集まる多様な人たちと協働・共創できると考えています。ビジネス領域だけでなく、カルチャー領域からも人が集まる環境が整っていることから、コンテンツ制作力やコミュニティ形成力、コンテンツの拡散力を強化できるでしょう。
このように、ILY,hubはStudioやLaboratoryの取り組みを多数生み出し、それらを深化・拡張させる場になると考えているのです。

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Studio/Laboratoryという既存のサービスと、ILY,hubという新しいワークスペースが有機的につながることで、私たちは目指すべきデザインにまた一歩近づけると信じています。
皆さまとも「Design, for good days」に取り組める日を、今から楽しみにしています!

Thank you, we love you.

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