いますぐ挑戦すべき? 日本人が海外で働くべき理由
Hello, people.
今回のテーマは「いますぐ挑戦すべき? 日本人が海外で働くべき理由」です。グローバルビジネス・海外転職にチャレンジしたいけれど「どのような障壁があるかよくわからない」「せっかく行ってもうまくいくか心配」といった懸念から足踏みをしている方も多いのではないでしょうか。
そこで実践的ビジネスコミュニティ GDA(Good Days Association)ではウェビナーを開催。『GJJ株式会社』の田村さつきさん、『Co&Co』の伊藤隆彦さん、『at B』の岩井和希さんに登壇いただき、海外就職に関するさまざまな事例をまじえながら、現地と協働する際の壁や、それを乗り越える方法などをディスカッションしました。その内容をお届けします。
グローバル視点の労働市場で働くメリット
日本人の海外就職がなぜ必要なのか?
岩井 日本にいると、日本のことしかわかりませんが、当たり前と思っている常識やマナーも、立場や環境が変われば変わります。日本はこの先人口が減って国のGDPが下がるとさらに辛いですが、海外に行って何年か過ごすと価値観が変わり、可能性が広がると思います。
伊藤 新たにグローバルビジネスを展開する場合なども、海外に自分を置いた上で、自分のビジネスが成立するかどうかを見極めることが有効です。日本人は日本のマーケットしか見ていないので、国内向けのビジネスが多く、海外にフィットする事業が少ない。一方で東南アジアのスタートアップはグローバルにフィットしています。
今、日本人が海外で働くべき理由
コロナ化で拍車がかかったグローバル化の現状
田村 コロナの影響もあり、海外に実際に足を運ばなくてもやりとりが可能となったことで、グローバル化に拍車がかかっています。そのことで海外就職にも追い風が吹いています。
私も完全リモートワークなのですが、日本時間の午前10時くらいにアジアと、午後にはインド、夕方には欧州とのやりとりをスタートします。深夜0時から午前3〜4時まではニューヨークとミーティングを行い、午前10時まで寝るといったライフスタイルが可能となりました。
岩井 コロナの影響で、世界で活躍していた日本人が帰国したことで、日本人不足でもありますよね。ですから今海外に行くと、新しいビジネスモデルのマーケットがいろいろある中で、活躍しやすいメリットもあります。
『GJJ海外就職デスク』の事例
田村 『GJJ海外就職デスク』という海外就職・海外求人情報メディアを運営しています。
就職実績のある20カ国、80拠点の現地人材会社とタッグを組み、すでに弊社を経由して海外就職を達成した900人が各国にいることから、そのネットワークを活用したコミュニティビジネスにも注力しながら、個人のキャリアや、クロスボーダーのグローバルキャリアをサポートしています。
海外就職をすると、日本にいるより給料が下がるケースもありますが、それでも海外で面白い働き方を目指している人は、パッと行ける傾向があります。求人は多数ありますので、少し条件が合わない部分があっても、まずは行ってみるとチャンスをつかめるかもしれません。
また会社員の場合は駐在したくて会社に入っても、条件が厳しくてなかなか海外に行けない場合も多いと思います。弊社にもそういう方からのご相談は多く、初歩的なところからサポートさせていただいています。
シンガポールでコワーキングスペースを運営する『Co&Co』の事例
伊藤 シンガポールのコワーキングスペース『ONE&CO』を運営し、日本とシンガポールをつなぐプラットフォームとしていろんなビジネスモデルを作っています。最近ではシンガポールのイベント会社や自治体とも協力しながら、ドローンを使ったシンガポールの観光コンテンツを制作しています。
コロナ禍ではシンガポールでもソフトロックダウンがあり、『ONE&CO』も閉鎖しましたが、その間も戦略を練り、ウェビナーやYouTubeを使って、シンガポールと日本の働くママを支援するコンテンツやオンラインサロンを立ち上げたり、語学教室などのデジタルプラットフォームをスタートしました。
シンガポールにいると、よく日本人から「なぜシンガポールで法人を立ち上げたんですか」と質問されます。日本人は海外にいること自体に理由が必要になる。一方で海外の人にとっては、他国で働くのは単純にそこにマーケットがあるからで、前述の質問は、「なぜ港区で働いているんですか」と聞かれるようなものです(笑)。この差は大きいと思います。
バングラディシュでエンジニアチーム派遣事業や日本車パーツ販売を行う『at B』の事例
岩井 バングラディシュのプロジェクトにアサインする中、経営していたシステム会社でエンジニア不足となり、バングラディシュをオフショア先として開拓しようと考え、『at B』を設立しました。現在は『at Bラボ』という、バングラディシュからのエンジニアチーム派遣事業をメインに、今後は『at Bモータース』という、現地で日本車のパーツ販売や整備を行う事業も進行中です。
またベンガル語学校の運営や不動産管理など日系駐在員向けの事業や、エビの養殖、トマト農園などバングラディシュでまだあまり進んでいない第一次産業も展開予定です。こうした事業で現地には雇用が生まれ、人々が美味しくて安全な食品を食べられるようになり、弊社としても利益が出ます。
国内ですと新規事業はとがったことをしないと注目されませんが、新興国だと日本的なきちんとした業務フローを持っていくだけでもお金になり、現地で感謝されるという流れができます。
日本人が海外就職するために必要なこと
グローバルマーケットで戦えるスキルとは?
田村 自分が続けて来た職業など何かしらの専門性の原石+英語力は必須ですが、私はさらに+αのスキルが必要だと考えています。
岩井 僕はそれが、サバイバル力と人脈だと考えています。海外で仕事をしていると、文化、風習、宗教などの違いがある中で進めていかなければいけないので、普通のサラリーマンでも相当なサバイバル力がつきます。とくに新興国だとちょっとした申請にも時間がかかるなど、自分がやりたいことが進めにくい。いるだけでサバイバル力がつくのは貴重な体験だと思います。また海外で働くだけで、輝かしいキャリアになります。仕事の知見が増えることに加え、ある国のある地域に詳しくなり、その国の人脈が自然とできることも、大きな財産となるでしょう。
日本人が海外で働く・協働する際の壁と対策
岩井 国によっては「よそものが入ってくるな」という感じがあるかもしれませんが、一緒に酒を飲んだり、毎日通って笑顔で挨拶したりなど行動することで、そうした壁はなくなります。バングラディシュだと日本人というだけで珍しがってもらえ、現地の芸能人の方や政府の方、現地視察にきた日本の大企業の役員などと一緒にものごとをスタートできるメリットも。なじめるかどうかは、自分次第です。
伊藤 シンガポールにいる日本人でうまくいっている人は、日本でいう守秘義務などにとらわれず、ビジネスの課題や悩み、チャンスも人とシェアしていて、毎日すごく楽しそうです。そういうオープンマインドな人は、シンガポールにきたら絶対楽しいと思います。
もちろん日本と価値観が違いますから、大変な面もあります。たとえば日本人は残業などもガッツを持ってやれる人が多いですが、シンガポールの人は終業時間がきたら終わり。こちらが合わせないといけませんが、それで自分の能力が育つなど、障壁がプラスに転じることも多い。海外では馴れ合いもないので、クリアな関係性の中で仕事をすることで、学ぶところは多いと思います。
田村 海外での出来事に対して「日本だったらこうなのに」といちいち比べないことも大切だと思います。また人と自分を比べず、自身のキャラクターを発揮できる人はうまくいっています。
まとめ
海外で働く具体的なメリットや事例、起こりうる障壁と対策法などがわかりました。今はまさに海外就職のチャンス。海外で活躍できるかどうかは自分次第ですが、グローバルビジネスや、海外就職に興味がある方は、今回のウェビナーの内容を参考にしながら、ぜひ行動してみてはいかがでしょうか。
登壇者紹介
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