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他人が羨ましい?人間誰でも幸福の総量は同じ

「人の幸福の総量ってのは誰もあまり変わらないってよく言われるけど・・・本当かも知れんな」
引用:「課長島耕作」12巻 STEP114 危険な関係のブルース

これは課長島耕作12巻で、舞台は赴任先のフィリピン。
島の同僚である樫村が、ゴルフに行く車中で愚痴るシーンです。
仕事で活き活きしている自分を感じる反面、家に戻ると突然気分がげんなりする。
家族の存在が負担で1人にならないと潰れそう、離婚しようと思う、と島に打ち明けます。
根っからの仕事人間で人より早い出世を勝ち取ったが、同時に大きなものを失った、ちょうどプラスマイナスだ。

…と物語の本筋はそこではなく、帰りの車中で反政府ゲリラに島と樫村が銃撃されるという劇的な展開がメインです。
ですが、この何気ない日常の一言が人の幸福の本質を捉えてます。
人の幸福の総量は同じ、を前提にすると自分と他人との比較が不毛だと気づけます。
誰しも光があれば影がある、影は外からはなかなか見えない。
自分はどうやって幸福の総量を満たせば幸せなのか、他人と比較するのではなく自分と向き合うことが大事。

島耕作の話に戻ると、その後ゴルフで樫村がホールインワンを達成します。
そこで樫村は皮肉にも幸福を使い果たし、帰りの車中で反政府ゲリラに銃殺されてしまいます。
同期で一番に出世したが、家庭と仕事の両立に苦しみ最後は命を落とした樫村。
平均的なタイミングで出世して、運を味方につけてその後会長にまで上り詰めた島。
あくまで漫画ですが、一時的な幸福が最後まで続くとは限らない、と教えてくれる話です。

ソーシャルメディアが流行するようになってから、他人の充実している写真を見て羨ましい、と感じる人は多いと思います。
光があれば必ず影はあります。他人を見て一喜一憂せずに、一緒に自分の尺度で幸せの定義を考えましょう。

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