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1312 「オリンピック選手を教員に」 教職課程も教育実習も採用試験も免除? 文科省の安易な政策に大きな不安

このニュース、あまり
採りあげられてませんが
長年、教育現場にいた者として
「へー、そうなんだ」で
済ませる問題ではありません

なめてるかどうかは
人によって捉え方も違って
何とも言えませんが
やはり「安易すぎる」と
言わざるを得ないと思います

この制度は2つの「特権」を
与えるということです
一つは、教員になるために
大学等で学ぶ「教職課程」を
免除して、教員免許を
与えるということで
もう一つは、採用試験も
免除されるということです

教員を目指す普通の学生は
金と時間と労力を使って
教員免許を取得して
更に勉強して採用試験を
受験しなければならないのに
その落差の大きさは
果たして正しいのでしょうか?

その一方で
普通の人では経験できない
トップレベルの舞台で
活躍した人から学ぶことも
子供たちにとっては
魅力あるものというのも
事実だと思います

しかし、それを考えても
やはり文科省の決めたことは
安易過ぎて弊害の方が
大きいと思います

教員の仕事は「教科指導」
だけではありません
特に、小学校や中学校では
クラス経営やメンタルのケア等
一流のアスリートだったことと
関連性は少ないと思います

「保健体育」を教えるとして
世界トップレベルの選手が
ドタドタと100mを20秒で走ったり
鉄棒で逆上がりもできない子と
向き合っていくことが
必要になってくるのです

自分の教員経験で言えば
東大や京大出身の先生で
生徒に人気があった人は
少なかったです

なぜなら、彼ら彼女らは
自分は頭がいいので
生徒たちに対して
「何でこんな簡単な問題が
 理解できないの?」と
口に出さなくても
態度の端々に出るからです

自分ができることと
人に教えることは
全く別の能力です

「名選手名監督にあらず」と
言われるのも同じことです

アスリートで一流でも
ティーチャーとしては
素人と同じなのですから
この文科省の安易な政策には
期待よりも不安の方が
正直、大きいと思います

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