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【本】26年続いた村上由佳さん人気シリーズ「おいしいコーヒーの入れ方」#162

こんにちは。
今年も気づけば1ヶ月が経ちました。
2月上旬ではありますが、自分のスケジュール手帳をみていると、今月もあっという間に過ぎていくように感じます。

今回は、高校3年生の時に受験を終え読書をしていた時に、友人におすすめしてもらって読んだ村上由佳さんの小説「おいしいコーヒーのいれ方」について書きたいと思います。

1994年にシリーズ1冊目、2020年に最終刊が出て26年間続いた作品です。
2013年までに出た作品は読んでいて、そこから期間が空いたのもありこの作品から離れていたのですが、最近になりふと思い出し調べていたらエンディングを迎えていました。
最終刊を読む前ですが、「鉄は熱いうちに打て」のように、この作品のおすすめポイントについて書きたいと思います。

作品情報


主人公の「勝利」に自分を重ねていました

主人公の和泉勝利の設定は、高校生からスタートします。
父子家庭で育ち、家事全般を器用にこなし面倒見もよく
困った人がいるとほっとけないタイプだと思います。
陸上競技をやっている人は精神的にもとてもタフなイメージがあり、勝利も陸上競技をやっていて実在した場合のイメージとピッタリなように感じます。

私がこの作品を読み始めたのが高校3年生で、勝利が年齢的にも成長していく過程にどこか自分を重ね合わせて読んでいたように思います。
私は大学卒業旅行でオーストラリアに行ったのですが、まさか作中で勝利も別の形でオーストラリアに行くことになるとは思いもしませんでした!
エアーズロックも見たので、作中で描かれている勝利の場の風景が鮮明にイメージできたのも大きな理由です。

周りの人達に気を配る割に、自分の事に対してはどこか後回しなところがあり、我慢をする事が多い勝利。
「もっと自分の事や、モヤモヤしていることを我慢し過ぎず、言葉にできるようになれたら楽だよなー」と共感する一面もありました。
そんな勝利の性格をわかっていながら、あたたかく見守られている周りの人たちとの関係も見どころです。

「かれん」という理想の女性像

この作品を読み始めた高校生の時に、
「理想の女性のタイプは?」という質問をされたら
ヒロインの「花村かれん」と答えていたでしょう。

小説の表紙に描かれている姿と人物像、
「花村かれん」が実在したとしたら?というイメージを膨らませ続けたように思います。
恋愛未経験の高校3年生の当時の自分にとっては、
理想の女性像から外せない存在でした笑

どこかふらふらしていて危なっかしいところ
自分で決めたことに対する芯の強い心
勝利と2人になった時にだけみせる仕草
「こんな人と出会いたい!」という気持ちを持った方も多いのではないでしょうか。

かれんにとって勝利は初恋の存在ではないですが
NETFLIX作品「First Love初恋」の野口也英のような純粋な心が魅力的なキャラクターです。

インタビューから作品の想いが伝わってくる

最終作を書き終えた村山由佳さんのインタビュー記事を読んでいて、作品だけでなく「恋愛」についても語られていました。

「連絡がつかなくてお互いの気持ちのすれ違いが大ごとになっていくなんて昔はいくらでもあり得たんですけど、今、あまりにもお互いに個人的に連絡をとり合う方法が増えて、語弊があるかもしれませんが、不倫は書きやすくなったんですけど、純愛が書きにくい。会いたいと思えば当たり前に会えるから、必要な時間の中で発酵していく思いがどうしても書きづらくなっているんですよね。でも、本当は絶対にそういう思いがあるはずなので、逆に便利な世の中にいる若い人たちのほうが、『おいコー』のふたりみたいにお互いに同じ家にいながらもすれ違うような物語をやきもきしながら読んでくれるのかなと思ったりもします。」

出典:「青春と読書」インタビュー

「必要な時間の中で発酵していく思い」という素敵な言葉から、もっと読書もして自分の感情や想いを伝えられるようになりたいなと思いました。
便利になり続けている社会だとしても、心を通わす過程や行為に大きな変化はないのかもしれません。

まとめ

小説だけでなく、漫画版も出版されているようです。
個人的には、小説を読んで自分の中のキャラクター像を大切にしたいなと思うので、読むのは小説だけにしておこうかなと思います。

てのひらの未来」というアナザーストーリーがあるようなので、これだけは漫画で読む事にします。


枡田泰明


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