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営業が苦手だからこそイラストレーターの営業について考えた

こんにちは、イラストレーターの常盤クニオです。
最近、息子の顔面かかと落としで目が覚めます。

「営業」って聞くと、電話して断られたりシャットアウトされたら嫌だな、なんかちょっと怖いな、っていう苦手意識があるイラストレーターさん、多いのではないでしょうか?

僕もまさしくそうです…笑

とはいえ、営業と言ってもWebでの集客やSNSでのPRなんかも含めて、全て営業活動です!

苦手なリアル営業という手段を取らずに、営業はどうやったらいいのか…。
色々考えた結果行き着いた、営業活動に直結する「ターゲットを意識したサンプル作りの方法」について、僕が取り組んでいることを書いてみます。


~目次~

・前回記事を初めて書いて思ったこと
・「自分が好きなイラストって何だろう?」を考える
・得られる情報をひたすら調べていく
・サンプルづくりに取りかかろう!
・「幅の広さ」について


前回記事を初めて書いて思ったこと

前回の記事で、今年下半期の僕の具体的な目標としてPIXTAへの作品登録や、SNSでの投稿などを掲げました。

なにか参考にして頂ければな…と思って書いたのですが、そもそもサンプルイラストを描くだけでも精一杯、という状況もあるな~…と思いました。

なので、今回はよりシンプルに、営業ツールとしての「ターゲットを見据えたサンプルイラスト」を書く際の考え方について深掘りしていきます!


「自分が好きなイラストって何だろう?」を考える

いきなりターゲットとか言われてもよく分からないですよね。
まず大前提として、「イラストの仕事が欲しい!」という自分の漠然とした目標をより深掘りし、具体化するところから始めてみます。

といっても、すごく簡単なことを考えるだけ!
仕事としてやりたいといった感情は、まず一切抜きにして。
好きなイラストを見て感じた時の気持ちを思い出してみるところから始めてみます。

・ソーシャルゲームのこのキャラクターイラストがカッコいい!
・占いコーナーのこの雰囲気が可愛くて好き!
・本の表紙のイラストで内容が気になった!

好きなイラストというキーワードだけでも色々とイメージできると思います。ここで大切にして欲しいのは、「カッコいい」や「可愛い」といった「自分の感情が動かされた部分がどこなのか?」を強く意識することです。
(なぜそれが大切なのかは後ほどお伝えします!)


得られる情報をひたすら調べていく

その時のイラストをひっぱりだしてきて、感情を思い出したら、やるべきことは大きく分けて2つです。

1)そのイラストを描いているのは誰なのか?
2)そのイラストが使われている商品・サービスのターゲットは誰なのか?


1)イラストを描いているのが誰なのか?

これはもう当然といえば当然なんですが、好きなイラストを誰が描いているのかは知っておきたいところです!
雑誌や書籍であれば、記事の近くやカバー裏にお名前が記されていると思います。まずはそのお名前を調べてみましょう。

SNSやWebサイトなど、活動を公開されている方がほとんどだと思います。見つけたらすかさずフォロー!情報発信の仕方なんかもすごく勉強になります。好きなイラストレーターさんが、他にどんな仕事をしているかも見ておきましょう!

自分が好きなイラスト以外にも「え!全然別の人だと思ってたけど、あのイラストも手がけてるの!?」という意外な驚きがあるかもしれません。
ホント、結構あるんですよ!笑


2)そのイラストが使われている商品・サービスのターゲットは誰なのか?

今回の肝はコレです!
(モノによって判断は難しいところなんですが…)

例えば雑誌。ターゲットとなる性別や年齢層はその雑誌に出てくる人物やモデルさんとほぼ同じことが多いです。雑誌であればターゲットも明確になっているので、最も分かりやすいかもしれません。

ゲームで使われているイラストであれば、そのゲームが10代の若い人向けなのか、ゲームに慣れ親しんだ20代後半~30代くらいがターゲットなのか…といった内容でターゲットをじっくり見極めてみましょう。

こちらは前回の記事でも使った架空の紙面カットです。働く20代中盤~30代の女性をターゲットにした雑誌を参考に、サンプルを作るとこんな感じ。

ちなみにきちんとデザイン部分まで作りこみが出来ると良いと思いますが、デザインに慣れていない場合は逆にクオリティが下がることもあるので、無理にしなくても良いと思います。

また、自分や周りの友人も同じようにそのコンテンツのユーザーである場合は、自分自身がターゲットである可能性が高いです。これは見極めるまでもなく、最も手っ取り早いですね!笑

ターゲットを見極めたら・・・

自分が好きなイラストのイラストレーターさんもわかった。ターゲットも明確になった。となれば、クライアント側の立場からすると、そのメディアで使用しているイラストは、ターゲットに刺さりやすいイラストだと考えているはず。

イラストレーターさん自身にブランディング力がある場合、画風関係なく、ターゲット層へのタレント性で起用されるなんてこともよくあります。ただこの場合でも、狙っていることは同じです。

他にも…

イラストレーターさんのことを最初に調べた際、画風は全く同じなのに狙っているターゲット層が全然違う、なんてこともよくあります。
ただ、ここで注意すべきなのはモチーフの描き方が普段と違うとか、色の使い方が普段と違うとか、ターゲットが違えば描き方にも多少なりとも差があるはずです。違いがないか、目を光らせておくと良いです!


サンプルづくりに取りかかろう!

ここまで来たら、あとはたった2つだけ!
1)自分が好きなイラストを使っているメディアで、「仮に自分自身に仕事依頼が来ていたらこう描く!」というサンプルを作ろう

2)好きなイラストレーターさんが他でやっている仕事に対しても、上の1と同じようにサンプルを作ってみよう
(極力、最初に描いたものとターゲット層が似ていないものが良い)

このサンプル作りの理由としては…

・「好き」というシンプルなユーザー目線から、ターゲットを意識した創り手の目線に切り替える
・自分が好きだと思ったイラストだけでなく、他の仕事も意識して作ることでサンプルの幅を広げる

なので、1だけでなく、2のサンプルの幅を広げることも大事なんですね。

サンプルを作るときに、「カッコいい」や「可愛い」といった「自分の感情が動かされた部分がどこなのか?」という感情が活きてきます。自分のタッチでターゲットに同じ感情を抱かせるためにどう描くか、ということを意識しながら描いていきましょう~!

決してそのイラストレーターさんと同じ画風で描くことを推奨しているわけではありません!
自分ならどう描くか?というところがポイントです。

対面での営業活動は苦手でも、こうしたサンプル作りの裏にある「ターゲットを意識する考え方」があるだけで、説得力がグッと高まります。あとはWebやSNSなどにターゲットを見据えた考え方とともにサンプルイラストをアップしておきます。

それから、これらをただ上げるだけではなく、きちんと「受け皿」も用意しておきましょう。ポートフォリオサイトがあればそこからきちんと問い合わせを受け付けている旨を記載したり、問い合わせフォーム(GoogleフォームなどでもOKだと思います)だけでも用意するなど、「クライアントがイラストを見て、頼みたいと思った後にどんな行動をとればよいか」がすんなり分かるようにしておくことも大切です。

ポートフォリオサイトの作り方についてもまとめていますので、もしご興味あればご覧ください!

これも立派な営業活動です。作ったサンプルは、きちんとその媒体っぽいモックも作っておくとよりリアリティが増します。

今回の件は以前ツイートしたこちらの内容を深掘りしたものです。まとめとしてご覧頂ければと思います。

ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました。

おまけ/幅の広さについて

サンプルイラストを2種類作ることで幅を広げる、という話を書きましたが、イラストにおける「幅の広さ」ってかなり大事だと思っています。

幅の広さと言っても、画風が多いとか、スピードが早いとか…
そういったことも含めて、対応力の広さとも言えるんでしょうか。
単純に描けるものが多いっていうのも大事ですよね。イケメンや美女は描ける人は多いけど、オッさんとかオバちゃんもきちんと描けるのって素敵だと思います。

ゲームのイラストだったらジャンルによっては武器や装飾、服のデザインなんかもしっかり描けると説得力上がりますし、本当に学ぶことが多い世界だなと思います。

もちろん、調べればある程度は描くことが出来ると思います。
ただ、打ち合わせなんかでその場でラフをしっかりかけたらもうその時点で「おぉ!?」って言わせられるじゃないですか。常にそんなイラストレーターでありたいですね。(最後のは僕の願望ですが…)

最後までお付き合い頂きまして、ありがとうございました!

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