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ママは「いってきます」が言えない


こんにちは、産後のリアルストームに埋もれている人を全力でサポートしたいSaharaです。

今日は、ママが「いってきます」と言えないと、パパにも「いってらっしゃい」と心から言えなくなる、というお話。

小さいけど存在感のあるストレス


産後、子どもを人に預け、ママが心の底から自由に出かけられるまでの期間というのは、人それぞれ。

でも、妊娠してから、子どもに安心して一人で留守番を任せられるようになる年齢まで、ママは軽い気持ちで「いってきます」が言えなくなります。
言った瞬間に「ただいま」を考えている「いってきます」がほとんど。

早くから園に預けていたとしても、預け先がない日や夜は自由が利きにくいという点では、全てのママに共通すること。(勿論こうした状況はママだけに限りませんが、ここではママに絞って書きます。)

例えるなら、靴に小さい小石が入ってるのを我慢しているような、やり過ごして忘れた頃に小石がまた足裏に主張してくるような・・
小さいけど、ちゃんと存在感の続くストレス。

だからたまに、ママがちゃんと靴を脱いで小石を出せる時間が大切です。

社会的な立場に置き換えてみる


母親として「自分の時間を持てない」ことにストレスを感じる私は、母親失格なのだろうか。

この問いを、強いて社会的立場に置き換えるなら、

経営者として「自分のプライベートを持てない」ことにストレスを感じる私は、経営者失格なのだろうか。

という問いに似ているのかなと思います。

会社(子ども)がある程度大きくなるまでは仕方のないこと・・
経営者(母親)の役割とはそういうもので諦めが肝心・・
プライベート(仕事)じゃないから甘えられない・・

(  )は、私自身が子育て24時間営業で自分の時間がままならず、ストレスを感じた時に自分に言い聞かせた言葉です。

この問いの主語を変えて、

会社員として「自分のプライベートを持てない」ことにストレスを感じる私は、会社員失格なのだろうか。

こうなると「そんなわけないよ!」というのが社会の通念。

母親失格かと悩むママに「そんなわけないよ」と周囲が全力で言ってあげようにも、そもそも経営者精神のママが、社員には中々胸の内を打ち明けられないし、特に産後1年はそんな気力が湧かなかったように思います。

逆にパパが共同経営者であれば、胸の内を共有しやすくなるとも言えます。

妊娠はどうやっても女性しか担えない役割ですが、出産すると女性は、男性に子育ての共同経営者であることを望みます。そしてもし、子育てに対して男性が雇われ意識のままだったら、そこに齟齬が生まれるでしょう。

勿論、男性は男性で「妊娠中や産後の女性に寄り添うって大変だなぁ」と感じることも多いと思います。しかし、そもそも同じ親という立場で、男性は「寄り添う」ことを求められているのかどうか、その認識がずれていると良かれと思う行動も裏目に出てしまうことがあるのでは、と思います。

「触らぬ神に祟りなし」「亭主元気で留守がいい」とはよく言ったものだと感心しますが、一方で、次世代の子育てや家族のあり方においてふさわしい落としどころかどうかは、よく考える必要があると思っています。

「なんとか自分で頑張って」


私は、出産してからずっと、社会からこんなメッセージを受け取っているように感じていました。
今の、緊急事態宣言から感じるメッセージによく似ています。

子どもを産むことも、お世話することも、頑張らずにできることではありません。その上で、子育ての不安や自分の体調不良があっても「ママが自分で何とかしないといけないことが多い」という状況に、社会として「頑張って」という答えしか用意できないなら、これからも少子化は止まらないだろうと思います。

「未来を産み育てる女性に対する社会の責任ある答え」とは、「全面的にバックアップしているから安心して産んで育ててね」という仕組みだろうと私は思っています。

「いってきます」のバランス


「いってきます」に話を戻します。

この言葉を言う機会は、乳幼児がいる間は特に、男性の方が多いのではと思います。

「いってきます」に対して、「私も育児頑張ります」の「いってらっしゃい」が返せる状況は、それを生み出す環境があってこそ。

もし、精神的にも物理的にもワンオペが解消されていない上に、ママに「いってらっしゃい」ばかりが積み重なると、仕事だろうが用事だろうが、パパの「いってきます」に「いってらっしゃい」と、心から言えなくなるママは多いだろうと思います。

精神的なワンオペについては下の記事でも触れています。
よろしければご一読ください。

社会として女性の社会進出を望む反面、提供する仕組みが「なんとか頑張って」から進化しないのは、もはや矛盾を超え無責任とさえ感じます。

かといって、パパに「子育てが辛いから仕事を休んで」とお願いするなんて、そう言えることではありません。そうして諦めることは、ストレスをその場で上手く切り抜ける有効な手段ですが、同じ諦めの繰り返しは疲弊します。

そして、社会の仕組みは、男女の「いってきます」「いってらっしゃい」のバランスにも密接に繋がっています。

男性「今日は参観日なので半休取っていってきます」
女性「いってらっしゃい」

女性「同僚に食事に誘われたからいってきます」
男性「いってらっしゃい」

これらはまだまだ、子育て家庭では男女逆のパターンが多いというのが現実でしょう。

社会の仕組みが変わることは大きな変化を生む要素ですが、実情に合う変化となるには、「いってきます」と「いってらっしゃい」のバランスを、家庭の中で見つめ直すことも大切だと感じています。

子育て支援に携わる者としても、今後そうした機会を生み出せたらよいなと考えています。

最後までお読みいただきありがとうございました:)

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