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炎上ラノベ作家が出版社で3年間働いて退職した話

今回はみんな大好き退職エントリです

実はこの3年間ぐらい、実用書系の出版社で「WEBエンジニア」兼「編集補助」兼「シナリオライター」兼その他色々として働いてましたが、年明けの2021年1月をもって退職しちゃいました。

日中は出版社の社員として取材音源の文字起こししたりインデザインでDTPやったり宣伝用のランディングページをコーディングしたりしつつ、仕事が終わって家に帰ってからはネットに〝炎上してライトノベル作家をやめた出版業界に恨みを持つ売れない同人作家〟っていうキャラ設定を遵守して「出版はクソ! 編集もクソ!」と吠えまくっていたわけです。
なんか自分で言ってて完全に異常者ですね。

ただ自分で出版とか編集の仕事を改めて経験してみて、正直そういった出版に対する恨みとか反感みたいなものは結構解消することができたなって実感が自分の中でありますし、逆に作家側やライター側の気持ちが理解できるおかげで、気持ちよく仕事してもらえるように自分なりに気をつけることができて良かったです。

ただこういう生活をしてて面白かったのが、以前に自分のペンネームでエゴサしたとき「幾谷は炎上して出版業界でブラックリストに入れられてるから一生出版関係の仕事はできない」とか寝言書いてる作家さんがいたんですよね。ざんねんしてまーすwwwwww
一体どの並行世界の出版業界の話だったんでしょうか。未だにわかりません。マジでああいう出所不明の内部情報語る人、ろくな奴いないしそもそも信じる方のオタクもどうかしてるなって感じです。

とはいえ辞めた現在は正真正銘ただの30代独身無職童貞というヤバい存在になってしまったので、今まで勤めてた会社からフリーとして仕事もらったりしつつ、次の仕事を探してる状況です。もし、このエントリ読んで「こいつ面白そうやんけ」って思っていただけた方がいたら声かけてください(切実)

実は先日も、株式会社東映が芸術職研修契約者という形で脚本家の採用をやっててそこに応募してたんですが、なんと驚いたことに書類通っちゃって、残り10人ぐらいのところまで選考残れたんですよね。

「これは行けるはず!」と思ってここ1ヶ月ぐらいなんの求職活動もしてなかったんですが、今朝ついさっきお祈りのメールが届いてしまってめっちゃショックを受けてるっていう状況で・・・。

「絶対通ってる」と思い込みすぎてこの先どうするか見通しがなんも立ってないんですが、ブログで身の上でも書いて公開してみたら、1人ぐらい「面白そうだからうち来ない?」って声かけてくれる人がいないかなーという甘い見積もりで、今まで何やってきたかとかこれから何したいかを書いてみようと思います。
これもう退職エントリじゃなくて求職エントリって感じですね。長くなるけどご容赦ください。

【2021/3/11・追記】
「仕事くれ!」って言いまくってたら、漫画のシナリオ制作手伝うことになったり、Vtuberのボイスドラマの脚本書いたり、WEBメディアに記事書くの手伝うことになったりしました。
他にもなんかやって欲しいことあったら適当にTwitterで声かけてください。

なんで辞めたの

ネガティブな理由もポジティブな理由も色々あるんですが、ポジティブな理由を言うと、この先の10年、今までと同じことをするのでなく新しいことをしたいって考えからでした。
あとで詳しく書きますが、社内SEやWEBエンジニアをメインに毎日仕事をして、手が空いたときはたまに助っ人として編集部のライティングやDTPも手伝うって形で立ち回っていました。
出版という業界を軸にしつつ、それに関連する色んな仕事を体験できたのは飽きっぽい性分の自分にとってかなりありがたかったですし、「あれもこれもやらされるのが嫌」ってことは全然ありませんでした。

ただ、その中でシナリオライティングと言っていい仕事を何件かやらせてもらえたんですが、やってるうち「やっぱり作劇やシナリオに関する仕事をやってるのが自分は一番楽しい」と気付いてしまって、できるだけそれに集中できるキャリアを作っていこうと決心しちゃったんですよね。なんの見通しもなく。
正直、「食べていく」という目的のためだけならエンジニアやってもライターやっても、自分は何でも選択肢がある器用な人間だと思います。でも結局、人が「やってほしい」って言われることだけやってても、自分のやりたいことは一生出来ないですし、それに甘えて中途半端な便利屋としてキャリアが終わっていくのもちょっと怖くなってきたりもして。
なので今回勢いでスパッと辞めてみて、自分の本来やりたいことに集中する時間を作りたいなと思ったのが前向きな理由でした。

で、逆にネガティブな理由の方を言うと、「俺この先もどうせ非モテ独身童貞の人生を突き進むのに普通の人間のフリを一生懸命やってても無意味だな」って気付いてしまったのが理由です。いや冗談ではなく。
ここ最近、高校や大学時代の同年代の友達とか職場の同世代の男達が次々と結婚し始めて、急にわからなくなってしまったんですよね。
俺が金稼いでもどうせ1人で旅行に行くかゲーム買うぐらいしか使い道ないし、そのゲームも仕事が忙しくて買ってもやる時間ないし。唯一の楽しみの旅行もここ最近葉難しいし、そもそも1人で行ったところで彼女やパートナーのいる連中が2人で行く旅行に比べて楽しさ半減だから行けば行くほど惨めさ倍増してくばかりで。
もし僕が結婚して子供がいたりとか、将来結婚する予定の彼女とかがいたら、「この生活を維持して家庭を守るために自分のやりたいことを我慢してでも安定した仕事を続けよう」って思えてたはずだと思うんですが、現実の俺はマッチングアプリに登録しても誰ともマッチングできず、たまにマッチングしてもメッセージを無視され、女の子を食事に誘っても断られ、このまま仕事頑張ったところで自由恋愛社会に参加できずアパートで孤独死して特殊清掃業の仕事を1件増やすだけなんだろうなってさすがに気づき始めまして。
そんな俺が持ってる既婚者にない唯一の利点って「自分のためだけに自分の生き方を選べること」なんだし、社会性のレースを一回下りてみたって感じです。

どんなことしてたの

具体的にどんな仕事してたかなんですが、マジで色々やり過ぎてるのでとりあえず1個ずつ書きます。

1.ライティング
「ラノベ書いてたんだから文章ぐらい余裕で書けるよね?」
「たぶん書けます」
って空返事したばかりに、取材同行→著者の話を録音してテープ起こし→行間を考えて補いつつ文章の形に整形→著者に見せる→「これはまさに僕が言いたいことそのものだ!」→著者の手で改めて加筆修正していただいて出版、という流れを何度かやりました。
「それゴーストライターじゃない?」って思われる人もいるかもしれませんが、実はこういう作業も含めて〝ライター〟というくくりの仕事みたいなんですよね。ちゃんと喋ってる内容も言いたいことも著者の頭から出たもので、自分は行間を良い感じに埋めて整えてるだけなので。
やっぱり本を出すような経歴のある人は、文章なんか書いてる時間がないぐらい忙しいですし、著者の頭の中を整理して編集して文章に落とし込むって行程に自分の無駄に早いタイピングが役だった感じです。
他にも大手のウェブメディアに載せるようなWeb記事を書いたりも何度かさせてもらってて、いわゆるライターって仕事の表面的な部分は一通り経験することができました。

もちろん仕事で書くときは「炎上しないよう細心の注意を払って記事を書こう」って心がけて書いてるんですが、プライベートではその反動で「ライティングで鍛えた腕を使って炎上するような話題にぶち込んでバズる記事書いてみるか!」って軽率に書いたら本当に炎上したりして・・・。

いざとなったらWebライターとして食っていくのもアリかもしれないと当初は思ってたんですが、いつか火力調節をミスって取り返しのつかないことになりそうで逆に向いてない気が最近はしてます。

2.WEBエンジニア
会社に入る前、面接の場では「WEB制作会社で働いてたことがあるのでフロントコーディングはできます」って言ったはずなんですが、気付いたらサーバーのセッティングからCMSの改造まで全部1人でやるハメになっていました。よくあるフルスタック(笑)エンジニアってやつです。
それに加えて出版社っていう文系のすくつみたいな職場だと、パソコンに強くない人が9割9分で、逆に僕は今まで機械設計とか車載ソフト開発とかゴリゴリの理系の仕事してたので、PC関係で困ったことがあると何でもかんでも自分がサポートデスク的に対応してました。
ぶっちゃけ、「ただマニュアルのとおりにパソコンを操作しただけだが?」って感じの業務が大半なんですが、それでも有り難がってもらえる場面は多かったので、異世界転生モノみたいなノリが当初はあったと思います。

ただ、だんだんと「キッツいなー」と思い始めたのが、自分1人しかエンジニアリングをできないせいで、難易度の高いことに集中して取り組むタイミングがなかったんですよね。例えばJSで凝ったアニメーションとか組んでみたいけど、サーバーの設置から何から1人でやってるせいで、cssで簡単なkeyframe書いてお茶濁しておしまいって感じで。それに上司も経営陣もだれもエンジニアリングが分からないので、頑張ってphp勉強して書けるようになっても給与にはビタイチ影響がないっていう・・・。
もちろんそういう状況を全部ぶん投げて「やーめた!」ってわけにもいかず、後任が見つかるまではフリーのエンジニアとしてたまに会社から仕事ふってもらってる感じです。

3.シナリオライター
実用書系の出版社で漫画とか小説とはまったく無縁の職場ではあるんですが、たまに「漫画を主体にした企画をやろう」って話は持ち上がることはわけなんですよ。
で、かなり脚色してるんですが、こんな感じのやり取りをすることがありまして。

A「実は俺が担当した本を漫画化して、『漫画でわかる〇〇』って企画をやろうと思ってるんだけど、漫画のシナリオ考えてくれない? ラノベ書けるなら漫画のシナリオぐらい書けるでしょ?」
俺「もちろん書けますけど、AさんW大の文学部卒でしょ? 文学部ならシナリオぐらい自分で書けるんじゃないっすか?」
A「いや、文学部だからって小説とかシナリオ書けるわけじゃないから」
俺「え、そうなの!?


これ実は結構マジでびっくりしたことで、僕は工業大学の機械科卒で、ラノベに関してはひたすら独学で学んで新人賞取ってデビューしたんですけど、文系の文学部の人たちは大学で小説の書き方ぐらい教わってるもんだとなかば本気で思ってたんですよね。「ストーリーぐらい誰でも作れる」って巷ではよく言うし、僕も本気でそう思ってたんですけど、結局実務レベルでやろうと思うと実際に自信満々でやれる人間って少ないんだなと最近気付きました。

それで他社の出してる漫画企画の本を何冊か読んで調査したり、元の書籍を読んで要素を抽出してExcelに書き出して構成表作ったりして、そこから最適そうなプロットを打ち出して著者に見せてOKを頂いて、キャラの設定とシナリオをばばばっと書いて、そのシナリオを漫画家さんに渡して原稿にしていただいて、Indesignで吹き出しに写植したり途中の文章の編集もしたりして何やかんやでシナリオを担当した漫画が世に出て、気付いたらシナリオライターっぽい仕事をしてました。いやシナリオライターは写植しない気もするけど。

これまで色んな仕事をやってきて、いまいち「自分がラノベ作家になろうとして創作の勉強をしてきた意味って何かあったっけ?」と疑問に重いながら仕事をしてたんですが、このとき初めて「俺の創作のスキルって実は結構役に立つ場面あるんだなあ」って気付けた体験でした。

この経験を機に「どうせならもっと汎用的にシナリオのスキルを活かせるように勉強してみよう」と思い立って、青山にあるシナリオセンターっていうシナリオの学校に自費で通い始めたり、今まで見向きもしなかった実写ドラマや実写映画を意識的に見るようになったりして、スキル開発に熱心な東京の意識高いサラリーマンみたいなことになってました。WEBエンジニアの勉強よりはやる気があったし、自分でも向いてんだなと思います。
その後も仕事でも似たような流れで、計3冊ほど漫画のシナリオを担当させてもらうことができました。

具体的なタイトルとかは、ここで書くと陰湿なオタク達が突撃してアマゾンレビューを荒らして会社や著者に迷惑がかかるので絶対に言わないつもりですが、ろくでもないネットの連中のせいでこういう実績が公開しづらくなってるのって難しいですよね。

原作の著者さんには「面白い漫画に仕上げてもらえて良かった」と好評いただけて、漫画を担当していただいた漫画家さんにも気持ちよく仕事をしてもらえて、できればこういう仕事もっとやりたいんですけど、思ったより求人が見つからないですね。誰か紹介してくれ。

やってて思ったこと

そもそもなんで炎上してラノベ作家やめたはずの人間が出版社に入ろうとしたのかって話自体、話し始めると長くなるんですが。僕は同人作家として自分で書いた作品を自分で電子販売する活動を個人としてやってます。

簡単に言えば「小説を書いて挿絵と表紙を依頼して、イラストとテキストをコンバーターに突っ込んで、電子書籍にして販売登録する」って流れをするだけで読者が買って読んでくれるので、「もうこれ編集とか要らねーじゃん」って思ってたんですけど、違ったんですね。俺が自分で編集もやってるだけっていう。
そう考えると自分で表紙の構図考えたり挿絵の台割作ったり、販売プラン考えたり宣伝方法考えるっていう一連のプロセスが思ったより楽しくって、自分は創作が好きだけど、その作品をどう世に出してマネタイズしていくかも勉強したいと思って編集を経験してみようと思いました。

ただそこでなぜ実用書を選んだかというと、自分がラノベ作家として経験したオタク業界特有の陰湿なノリとか作家を見下してるノリが思ったより楽しくなかったので、ちゃんと社会的で健全な文化の出版をやりたかったからって感じです。そもそそも漫画出版やってる大手とか、経歴的に絶対入れないですけどね。

このあたり言語化が難しいんですが、ラノベとか漫画の出版ってやっぱり根本的に著者のことを下に見てるなーと今にして思います。あくまで作家のことを対等な関係でなく、外部の下請けぐらいにしか思ってないというか。
逆に実用書系の場合、著者の側も経営者だったり実業家だったり、自分のビジネスを持ってる人間が多いので、編集と著者がお互いのビジネスのために手を貸し合う協業としての関係性で出版をしてるのが、健全な仕事してる実感があって個人的には良かったです。
(この話、需要があればまた改めてちゃんとします)

ただ、社内の優秀な編集たちの仕事を横目で見ていて、「俺はこれになるの無理だな」って確信を改めて得てしまったのも事実は事実で。特に実用書系の場合、企画とかタイトルとか内容って全部編集が考えて、その上で著者をあとから連れてくるっていう流れなんですよね。
自分が経験してたラノベの出版は、作家が仕事しながら企画書を作って編集にダメ出しされて、企画通ってようやく書き始めるって流れだったので、その辺はかなり文化が違うと感じました。

他にも反省点として、自分が今まで企画を考えるうえで「自分の書きたいこと」とか「好きなこと」に固執しすぎて、企画をどうマネタイズさせるかとかセールスをどうするかについて、全然考えが足りてなかったなという反省です。
ぶっちゃけこのあたりについては、「書きたいことは個人として同人誌で好きなだけ書けばいいから、仕事では商業として儲かる企画をちゃんと考えよう」って脳の使い分けがちゃんと出来るようになってきてて、このあたり同人活動をやってみて良かったなと思ってる部分でもあります。

これからやりたいこと

以前に仕事をサボって東洋経済の記事を眺めてたとき、面白い話をみたのでちょっと引用します。

「俺たちの世代は、ダウンタウンさんを筆頭に大物芸人って、むちゃくちゃカッコいい存在の筆頭格であり、憧れの対象として確立されていた。芸人に魅せられたことで、本来だったら立ち寄る必要のない寄り道をした人もいるんじゃないのかなと思うんですよ。西野であればそのまま実業家になっていたかもしれないし、又吉君であれば作家を目指していたかもしれない。でも、あまりに芸人という存在がカッコよかったから、吸い寄せられるように芸人を経由してしまった」

これ、僕が創作をしようと思って最初にラノベ作家を目指してしまったのとかなり近い話だなーって個人的に思ったんですよね。
「シナリオで仕事してる人ってラノベ作家としてデビューしてる人が多いから、とりあえずラノベを書けばシナリオの仕事がもらえるんだろうな」っていう大まかな認識しかなくて。一昔前だと、たとえばエロゲのライターがその位置どりだったんじゃないでしょうか。
結局自分も芸人が芸人を目指したみたいに、ラノベ作家っていう職業がわかりやすかったから一回それを目指しただけで、別にそれを一生続けたいわけでもなかったなーと。

いちおう「賞を取ってる」って実績として分かりやすいし潰しが効くので、それについてはよかったと思ってます。シナリオってイラストと違って画一的な評価が難しい分、何かの賞を取ってるって前提があると、「こいつは仕事任せても大丈夫な人間だ」って判断がしやすいですし。
(実際漫画原作の仕事も、自分がラノベで賞取ってるからこそ会社も任せる判断をしてもらえたんだと思います)
で、社内仕事とはいえ、いちおう漫画原作の話を何本か経験させてもらえて実績ができて、自分自身「シナリオ書いて飯食えれば最高じゃん」って気持ちが高まってきたので、ひとまずはシナリオを書いて金がもらえる立場を目指すのが現状の目標です。

今までシナリオって言えばオタク向けの漫画かアニメしか発想になくて「自分はオタクだからオタク向けしか書けない」って呪いを自分にかけてしまってた気がするんですが、フラットに作劇の能力として考えれば、必要とされる場面って社会のいろんなところにあるんだなーと視野そのものが広がったのも良い経験でした。

いちおう自分はアニメや漫画やラノベで育ってきてたオタクだと自負してるので、どうせシナリオや創作をやるならアニメや漫画に対して貢献して還元したいっていうモチベーションも当初はあったんですが、炎上作家だのなんだの言われたりKindleのレビュー欄をおもちゃみたいに荒らされたりしてるうちに、オタクというレベルの低い層に対する愛想が尽きてきたので、もうちょっと社会的な場面で評価される仕事を目指そうと思います。
そもそも俺よりレベルの低いライターの書いたつまらない作品を見る羽目になったところで、損するのはつまらない作品を見せられるお前らであって俺じゃないし。

実用書っていう一般向けの媒体でシナリオを書くのって、オタク向けの媒体とかなり文法や前提が違っていて、たとえば主人公の設定1つとっても「社会で働くターゲット層のビジネスマンが共感できるような設定にしよう」って考え方になりますし、エピソードにしてもポリティカルコレクトネスにきちんと配慮しなければいけないとか、セクハラに思われる描写は厳禁だとか、気をつけなければ行けない制約とかはかなり多いです。

でもこういう考え方って、広告とかテレビとか、マスに向けてモノを作る人たちは当たり前に持ってる考え方ですし、今までのオタク業界も僕自身も、そういう考え方があまりに足りてなかったんじゃないかなーと思います(それで炎上が起きる)

幸い自分はあまりお色気シーンとかラッキースケベみたいな描写は書くのが苦手ですし、むしろそのおかげで、その手の表現に頼らずシーンを作る引き出しは多いので、ラノベとかなろう書くよりは一般向けの方が向いてるなとつくづく思います。
もちろんオタク向けにしたって萌えやエロに頼らない硬派なアニメやラノベもたくさんあったとは思うんですけど、〝あった〟っていう過去形の話で、今それ書いてもどうせ今のオタク見ねえし・・・。

今現在の状況としては、シナリオの賞とかコンクールに送るための原稿も集中して書いていこうかと思ってます。
今までフルタイムで仕事をしてたときは、「このコンペ送ってみたいけど、仕事で忙しいし時間もないから別にいいや」ってスルーしてしまってたんですが、有り余る時間があって仕事見つけないといけない状況だと、やっぱり取り組む姿勢が違いますね。この危機感を手に入れるために仕事をやめたと言っても過言ではない。

冒頭で書いた東映の応募みたいに、シナリオライターとか脚本家の募集もあれば送ってるんですが、機会自体がかなり稀なのでこっちは本当に運って感じですね・・・。
なのでこのエントリ読んだ人の中で、偶然シナリオ書ける自分みたいなのを探してて、「うちで仕事しない?」ってうっかり声かけてきてくれたらそれが一番楽でサイコーって感じなんですけど、まあそんな上手く行く話もないですし、しばらくは自己研鑽に励みたいと思います。

ネットでの評判について

最後に。たぶんこのエントリを読んだ、僕の書いたものを読んだこともないどっかのキモオタたちがあーだこーだ「幾谷はシナリオライターに相応しくない!」だの「こいつに仕事をさせるな!」だの、有ること無いこと言われると思いますし、自分としても「幾谷正という名義で活動しています」とバレることでマイナスの評価を受ける可能性は正直あると思います。
ただ冷静になって考えてみると、そんなどこの誰が書いたかも分からん匿名のネットの書き込みを真に受けて人の評価を決めるような連中と仕事したいとも僕は思わないんですよね。初対面の相手に「あなたはろくでもない人間です! ソースは2ちゃんの書き込み!」なんて言い出すやつ、そっちの方がぶっちゃけアホじゃないですか。

それに、技術の良し悪しも分からないようなネットの有象無象が何言ったところで、僕が面白い作品を書いて受賞したって実績自体はなんの嘘偽りもない事実だし、出版社で3年間出版の仕事した経験も、シナリオやライティングの仕事をした実績があるって事実も、なくなったりしないんです。
大体、人が何時間も何日も何年もかけて努力して得てきた能力や実績を、何のリスクも負ってない匿名のアホが悪口書いただけで無かったことにできるんだったら、世の中荒れ放題でしょ(実際すでにそうなってるけど)

それにもし俺を本気でシナリオライターにさせたくないなら、俺がこれから送るコンペに俺よりも面白いものを書いて送るか、俺を夜道で背後から刃物で刺すかの2択ぐらいしかないんですよ
この記事を読んで「こいつを絶対に採用すべきではない!」って悪評をまき散らす暇人がたぶん現れるでしょうけど、そいつらは匿名でネットに根拠不明の悪評を書き込むのがせいぜいで、俺より面白い作品を書く根性も俺を背中から刺すような覚悟もないカスどもというのが現実です。
ネットの悪評や悪口を真に受けて僕の能力を判断するような連中は、そんなにネットの評判を当てにするならネットで俺の悪口書き込んでるそいつら連れてきて俺の代わりに仕事させればいいでしょ(笑)

なるべく普通のことだけを書こうと思ってたんですが、最後に急に毒を吐いてしまってすみません。まあ、クリエイティブで仕事していこうと思ったら、これぐらい図太く自信満々にやっていくぐらいでちょうど良いんだなって最近は思います。

聞きたいことあったらコメントしてくれれば多分答えるので、とりあえずはそんな感じで。
また次にやることが決まったら何か書いてみます。

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