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人はストーリーに魅了され、「意味的価値」にお金を遣う

みなさんお疲れ様です。鈴木郁斗です。

起業、事業開発に勤しんでおられるみなさんへ、本年最後の鈴木節をぶちかましていきますのでよろしくお付き合いくださいませ!

さて、今日は近代の事業戦略にとてもとても重要な「意味的価値」というテーマでお話したいと思います。

ちょっと考えてみてください。
皆さんは買い物をする時、どんな基準で購入を決定しますか?
・価格
・デザイン
・機能
いろんな基準があると思います。

当然、ビジネスにおいては、それらの顕在化・一般化したニーズを基準に起業/新規事業のカテゴリを選んで事業を進めていくことが多いわけですが、その結果生じたのが「市場のコモディティ化」です。
衣・住・職・遊、いろんな業界にあらゆる企業が参入し、日本然り、世界は豊かになりすぎ、物理的に満たされ飽和した状態になっています。

それでも、価格が高いのにも関わらず商品の販売に成功している企業は多くあります。
例えば
・アップル(電子デバイス)
・メルセデスベンツ(自動車)
・パタゴニア(アパレル)

逆に、機能性能に問題はないのに低価格の商品販売で競争市場に疲弊してしまっている業界もあります。
(なんか炎上するかもなのであえて例は出さないことにしましょう(汗))

さてさて、
①高価値高価格での商品販売に成功しているビジネス
②低価格での価格競争で疲弊しているビジネス
これらの差は何によって生じているのでしょうか? 

色々な要因はありますが、前述の3つの企業の例、
「高価値高価格での商品販売に成功しているビジネス」
にはある共通点があります。
そこに"意味的価値"があるということ。
(機能性能、デザイン、これらは上質であることは大前提として、ですが。)

〜地球を救うためにビジネスを営む〜

これは、アウトドア・アパレルの業界で有名な、イヴォン・シュイナード氏率いる前述のパタゴニアの企業理念です。
パタゴニア社は、「環境的責任」というスローガンを掲げ、フェアトレード(公平な取引)や、環境保全を前提とした商品開発、サプライチェーンの運用を実現させています。
※興味あれば「パタゴニア 理念」とかでググってみてください。

数多あるアウトドア用品ブランドでもパタゴニアのファンは多く、高価値高価格での商品販売に成功し続けています。
そこには、「地球を救うためにビジネスを営む」という理念に共感したファンを世界中に据えているという大きな要因があります。
これはパタゴニア社が顧客に提供している、そして顧客がパタゴニアから享受している意味的価値です。

そんな”意味的価値”が、コモディティ化した市場において、強い競争優位性をもたらし、成功しているのです。 
その意味的価値は、商品の細部まで、業務の細部まで、はたまた従業員の意識にも一貫して影響を及ぼす重要な要素になります。

これは、大量生産・大量消費を前提とした多くの大企業の戦略「薄利(だが)多売」に相反する考え方ですが、前述の通り市場がコモディティ化してモノ・コトが十分に満たされた現代においては、ある領域で自分/自社にしかできない意味的価値をもつ商品が強い武器になり、やがてそこを起点に事業が大きくなっていく可能性があるのです。

また、意味的価値を明文化することで、働く意味/意義を強く求める昨今の若年層に対する共感も得られ、採用戦略としても大いに有効であると考えられます。

自分がやっている/やろうとしているビジネスに、どんな意味的価値を纏わせるか?これは最も重要な事業戦略になります。

みなさんご自身が高価格なものを買った時の気持ちを思い出してみてください。
「安物もあるけど、このメーカーの商品だから高いけど買った。」
という背景が、必ずあるはずです。

そんなところに、自分/自社に持たせる意味的価値のヒントがあるかもしれません。

本年もありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
みなさま良いお年を!!


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