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後藤好邦「30代からの未来のつくり方 自治体職員をどう生きるか?」

後藤氏は山形市の職員で、東北まちづくりオフサイトミーティング発起人。私はまだお会いしたことはないのだけれど、身近な方で繋がっている方がたくさんいらっしゃる。後藤さんも最初から地域に飛び出していたわけではなくて、20代はスキーに明け暮れていたという。

きっかけは、30代の時に、全国から自治体職員が集う勉強会に参加したこと。でも地域だと行政に対する不満を言われそうで飛び出す勇気が無いのであれば、まずは「知域」に飛び出そうと言っている。勉強会でも異業種交流会でも、なんでも。一歩踏み出せば、活動エリアがどんどん広がっていき、地域に飛び出すことになる。

それ以外にも、様々な役立つ考え方が紹介されていたけれど、私が一番印象的だったのは、「ジグソーパズル型からレゴブロック型へ」。これは、東京都で義務教育初となる民間人校長に就任した藤原和博氏の言葉だという。成長時代は正解が決まっていてそれを探すジグソーパズル型、今のような成熟社会は、正解を作り上げていかなければいけないレゴブロック型社会ということ。課題解決の方法が違うから、当然のことながら、求められる資質も変わってくる。ジグソーパズルなら一秒でも早く正解が求められる。でもレゴブロックは、目指すべき未来に向けて新しい答えを生み出していく発想力・想像力・実行力が必要。

もちろん色んな要素が組み合わさって、求められる公務員像が提示されているのだけれど、根底には、「成熟社会」に求められる資質が中心になっている印象を受けた。つまり、もう成長社会じゃないから、上司の、先輩の背中を見てるばかりではいけないということなのだと思う。

既に私は40代だけれど、足りないところを見つけ、補っていきたい。決して概念的な話だけではなく、具体的にどう行動すればよいか、ということが書かれていて、全国の自治体職員に、もっと意欲を持って仕事に取り組んでもらいたい、という著者の意思を感じた。




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