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婚約指輪のキャンセル

恋多きわたしの人生。恋の数だけ、失恋もたくさん経験してきた。その中でも、笑える(?)婚約指輪キャンセル事件!!

わたしは、もともと結婚願望はほとんどなかったのだが、33歳くらいから、本能的に「赤ちゃんを産みたい」「家族を持ちたいとい」という気持ちが現れているのに、気づき始めていた。当時のアメリカ人のボーイフレンドには、わたしの気持ちを話していて、お互いに未来のビジョンを一緒に描こうということを合意で、お付き合いをしていた...はずだった。

今思い返すと、彼は年下で、彼自身の人生の構築途中だったため、家族を持つというチョイスをする準備が整っていなかったのだと思う。それでも彼は、わたしを喜ばせようとして、二人で婚約指輪を選びに行ってくれたのだった。

デパートの婚約指輪コーナーにて、気に入ったデザインで、わたしに合うサイズの指輪が店頭になかったため、予約をした。日本語の話せなかった彼の代わりに、指輪が店頭に届いたら、わたしの電話に連絡が来ることになっていた。

リンリーン...

「ご注文の指輪が届きました」

彼が取りに行ってくれるというので、任せておいた。そして数ヶ月後...

リンリーン...

「....あの....大変申し上げにくいのですが、実はまだご注文の商品を、パートナー様が取りにいらしていなくて... もしキャンセルということでありましたら、無料で対応させていただきますが...」

え〜!!

彼に話すと、「アイムソーリー!!まだ決心できないんだ。その婚約指輪をもらってくるから、イクコが誰かに売ったらいいよ〜」とのアンサー。

こうなるのではないかな、という予感はしていた。わたしは彼に答えた。

「わかった、指輪もいらない。コミットメントもいらない。どうせ金属アレルギーだし、(サーカスで)逆立ちしたり、ロープに登るときに指輪しないから、ちょうどよかった(笑)オーケー!指輪の代わりに、サーカスの機材をアメリカから輸入してくれる? わたしと一緒に人生を歩むことを恐れる人には、それを強制するつもりはないの。あなたは自由よ!」

ということで、フリースタンデイングリグ( 自立式の空中演技の器具をぶらさげる機材)を手に入れ、彼を自由に羽ばたかせたわたし。

婚約指輪キャンセルの代わりに、手に入れた、このサーカス機材のおかげで、日本のいろんな場所で公演をすることができ、沢山の子どもたちの笑顔に出会うことができた。結果オーライだ!

指輪よりも役に立つ、たくさんの機会に巡り会うチャンスをくれた彼に、とっても感謝している。

〜つづく〜

《シチュエーションを楽しむ》

人生って、本当に映画みたいですね。そして、ある出来事をきっかけに起こした私たちの行動で、次のシーンの展開が変わっていきます。

起こった事象に対して、すぐに一喜一憂してしまう私たち。その出来事に反応し、怒りや悲しみという感情に取り巻かれる前に、一度深呼吸をして、起こった出来事と、そのシチュエーションにいる自分を客観的に見てみましょう。

物語の主人公であり、監督であるわたしたち。

監督の目を持ちましょう。一度、現象の渦の中にいる主人公でいることをやめ、後ろに椅子を持ってきて、映画のスクリーンの前に座って全体を見渡してみるのです。

それから、「主人公をどうやって動かそう」と考えてみてください。この出来事をきっかけに浮上していく明るいストーリーを描いていくのも、落ちていく人生を描いていくのも、監督である、あなた次第なのです。

「あの辛い経験が、わたしの人生の転機になったのよね〜」

私たちがおじいさん、おばあさんになったときに、そんな風に、笑って過去を振り返ることができたら最高ですよね。














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