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『虎に翼』で頭が混乱

朝から正座して『虎に翼』を見ています。
これまでは「そうそう、そうやねん!今も昔も変わらんわ」と共感しかなかったのですが、最近は頭が混乱します。

「寅子に共感したいけどできない」
それが混乱の原因です。

なぜ寅子に共感できないのでしょうか?
それは、「寅子が家庭をかえりみない」ということに尽きます。

家事も育児も兄嫁の花江に任せきり。
花江は猪爪家の主婦として、自分の子ども二人と、義理の弟、妹、そして義理の妹の娘まで世話をしています。

寅子は家事をしないどころか、自分の娘のことを理解しようともしません。

寅子は花江が家事や育児のすべてを担っていることに気づいてはいます。
そして少し負い目もあります。
記者の竹中が取材に来たときも、普段から料理をしているようなフリをします。
「料理もしない女」と見られては世間からの印象が悪いと思うからでしょう。
ナント中途半端な…。

私は寅子にいら立ち、花江に共感します。

はて?

しかし…
でも…
それでいいのか?
私はいら立っていていいのか?

もし「寅子」が男性だったら、私は同じようにいら立つのかしら?
花江を気の毒だと思うのかしら?

たとえば多岐川幸四郎が、もし自分の家庭もかえりみず、家庭裁判所の設立に邁進していたとしても(多岐川はそうではない気がしますが)、私は寅子に感じるようないら立ちはない気がします。いや、絶対にない。

また寅子が、家事や育児もしながら仕事もしていてボロボロになっていたら、私は寅子に共感しているでしょう。ボロボロになるのが良いわけがないのに。

これは何なのでしょう?

「何なのでしょう」って、実はわかっているのです。
自分の中の、根強い性別役割分担意識のせいだと。

母親の役割よりも仕事を優先する女性にいらだつのに、
父親の役割よりも仕事を優先する男性には「仕方がない」と思うという。

そしてこの意識は、我が子に寂しい思いをさせてきた自分への自己否定感にも繋がっているように思います。
寅子へのいら立ちは、自分へのいら立ちでもあるのです。


さあ今後、どのようなドラマが展開されていくのでしょうか。
楽しみです。

そして、『虎に翼』を見事に解説してくださる「ぬえ」さまの記事が更新されるのが待ち遠しい!









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