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5月23日
奈良にある築90年の農家を改装したクリエイティブ・ハブスペースにて空中建築の撮影をしました。この古民家はオーナーであるオーストラリア出身の建築士でもありアーティストのEugene solerさんがご自身で改装された趣のある場所です。
ここでは国内外のアーティスト、建築家、クリエイティブ業界の人々をサポートするアーティスト・イン・レジデンス専用施設。実際にお伺いした際にもアメリカからのアーティストが来日されており国際的な場所での撮影日和となりました。

元牛舎、居間、土間、裏庭の4ヶ所。
どこも日本家屋ならでは「翳り」が空中建築の魅力を引き出してくれました。

元牛舎(現作業場)
元牛舎で現作業場のこの場所の2階の高さから空中建築を吊り下げてもらいました。陽がうっすらと入る中、周り置かれた工具と同化した作品は、人のテリトリーに入り込んできても何食わぬ顔でそこに佇み、その顔はとても堂々としていました。真上、真下からの見事な二等辺三角形。正面からの強い顔。動物としての顔を持たないが何故か表情が読み取れるような写真を撮ることができました。

真上からの撮影は、作品が綺麗な二等辺三角形であることをうかがえました。

居間
居間にある床間に作品をぶら下げ、鮮やかなガラス戸を背景に影絵のような写真を撮るができました。お互い向き合いながら対話する。陰影から聞こえてきそうな言葉以上の言葉が聴こえてきそうでした。

土間
土間での撮影は、差し込んでくる陽の光を利用しました。暗闇でもなく白日にさらすこともなく、日本人を表現する一つの「翳り」を土間で撮影できました。「作品」がそこに佇んでいるというよりも、土間から客人が顔を覗かせ、まるで家主の登場を待っているかのようにも見えました。


裏庭
母屋と元牛舎を繋ぐ裏庭には洗い場がありお風呂もあります。時刻は16時頃。そろそろ陽が落ちる準備をするころ、陰が柔らかく夕食の準備に取り掛かるそんな雰囲気を感じました。

築90年以上の古民家は、家主であるオーストラリア人の建築士の方がご自身で改装されました。
日本建築特有の「翳り」が作品の魅力をより強く引き出してくれたことと同時に、真上からの撮影によって作品自体の造形の美しさを見せてくれました。
人ほどの高さがあるこの作品は、古民家での撮影により「人」のような息遣いを感じ得ることができました。実際にSPACE DEPARTMENTはクリエイティブ・ハブスペースです。国内外のアーティスト、建築家、クリエイティブ業界の人々をサポートするアーティスト・イン・レジデンス専用施設でもあるため人の流れは沢山あります。そのような場所での撮影は、空中建築は「珍しい客人」として招かれ、家主と談笑しその後陰を残しその場を去っていった。そんな一つのお話が作れそうでした。
今回、良い写真が撮れると思い声をかけさていただきました。本当にありがとうございました。

SPACE DEPARTMENT
〒631-0846 奈良県奈良市平松1丁目27−12


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