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モニターツアー:高田まち歩き~ZINEづくりワークショップ

 実は地元の人たちも、どうやら会津美里町をあまり知らないらしい。活動を始めて2か月、会津美里町の良いところ、面白いところを地元の方にお伺いしても、「何もないよー」と、そんな声が返ってきます。

 レトロな商店街も、お話し好きなご主人のいる食堂も、昔ながらの手焼きせんべいも、外から見るととても面白いし、もっと色々あるはず。そんな気持ちから、会津美里町のみなさんと新人町民の私たちが一緒に回る「地域おこし協力隊と一緒に巡る会津美里シリーズ」として、地元を再発見してもらうツアーができないかと現在試行錯誤中です。

 その一環として、3月28日に春休み中の地元大沼高校生にご協力をいただき、まち歩きのモニターツアーを開催しました。今回はそのご報告をしたいと思います。

モニターツアーについて

 今回のモニターツアーは、まち歩きパートとZINEづくりパートの2部構成で行いました。高校への通学では通るけれど、実際にまちを歩くことはほとんどない、という大沼高校生3名と卒業生1名にご協力をいただきました。

 前半のまち歩きでは、今まで気づかなかった会津美里町高田エリアの再発見をしながら、見つけた高田町を写真でパシャリ。後半のZINEづくりワークショップでは、まち歩きで撮った写真を自分で選んで編集し、再発見した会津美里町を並べて、オリジナルZINEを作成します。

 ツアー後はご自宅で、つくったZINEを話のネタに、家族内から会津美里町をシェアしていただけると、少しずつ会津美里町の面白さが広がっていくのではないかと考えています。

高田まち歩きパート

 前半2時間を使ってまち歩きです。距離は1kmほどと決して長くはありませんが、写真を撮りながら、お話を伺いながら、ゆっくり進みます。

▶あやめ苑

 スタートは伊佐須美神社のお隣にある、あやめ苑。伊佐須美神社は来たことがあるけれど、あやめ苑は初めて、という方もいらっしゃいました。ひょうたん池には住み着いたハクチョウがいることも、中々知られていないようです。他にも鯉(金色の珍しい鯉も!)や亀もおり、みなさん興味津々。6月下旬から7月上旬にはあやめの花が美しい苑内も、今は少しづつ春に近づいていました。

▶殺生石稲荷神社

 宮川沿いにある殺生石稲荷神社。九尾の狐を封じた殺生石がお社の隣に祀られています。こちらも通ったことはあるけれど、入ったことはない方が多数。赤い鳥居が連なる風景は、写真に映えるスポットの1つで、SNSネイティブ世代の高校生の写真の撮り方に、関心しっぱなしでした。

▶伊東種苗店あやめ店

 伊佐須美神社の大鳥居の前に出店されている伊東種苗店のあやめ店さん。こちらは名物の高田梅と、起き上がりこぼしの販売をされています。3年前から、起き上がりこぼしの絵付け体験と共に、店主の奥様が猫や犬や干支といった、オリジナル起き上がりこぼしの絵付けもされています。パステルカラーの新作も並び、可愛さにくぎ付けでした。

▶伊佐須美神社

 会津美里町と言えば伊佐須美神社、と言われるほど馴染みのある神社です。大沼高校でも学校行事で訪れて、宮司さんのお話をお伺いすることもあるそう。境内にある菅原神社は、合格祈願に訪れる所として、地元の方には定番。五角鉛筆を買ってもらったことのある方も多かったです。

 アンケートで会津美里町のおすすめを聞いたのですが、伊佐須美神社と猫のいる風景は良い、と教えてくださった方がいました。今回も2匹の猫と出会えて、猫探しの楽しみもある神社です。

▶美里蔵

 伊佐須美神社の目の前、横町門前町通りを少し西に進むと、旧若松屋百貨店の跡地に、美里蔵が建っています。ショップが3店舗と、高田インフォメーションセンターが入っており、高田の商店街出身の渡辺さんに、昔の商店街の様子をお伺いしました。

 お話から、貸本屋さんやアイスキャンディー屋さん、スーパー、食堂など、今の姿からは想像ができない町並みだったことが伺えます。伊佐須美神社や映画館へ行く人たちによって、とても賑わっていたそう。映画館があったことを知らない方も多く、驚いていました。

▶新富座

 会津高田町にあった4つの映画館のうちの1つで600席もの座席があり、当時はとても賑わっていたとのこと。50年ほど閉められていた建物を、東京から移住されてきた方がオープンし、現在は懐かしい映画ポスターの展示をしながら、無料で開放されています。

 今回参加してくださった方は全員初めて訪れる場所で、スクリーンや映写室に驚いていました。映写機が当時のまま残されている姿は、むしろ大人の方が懐かしい気持ちになるのではないでしょうか。

ZINEづくりワークショップパート

 新富座さんで場所をお借りして、前半歩きながら撮った写真を使って、1時間半でオリジナルのZINEを作ります。高校生の皆さんの柔軟さや感性に、ただただ脱帽でした。

▶︎ZINEづくりの流れ

1.使う写真を決める
 写真は8~10枚を選んでいただき、LINEを使って送ってもらいました。その写真をこちらでプリントアウトし、待っている時間に、2と3の作業を進めていただきました。

2.表紙の台紙を選ぶ
 事前に厚紙と折り紙を使って、カラフルな台紙を作成しました。好きな色の組み合わせで台紙を選び、表紙と裏表紙にします。

3.表紙の台紙と本文をのりで貼りあわせる
 台紙が決まれば、本文の紙と貼りあわせていきます。上下に空きを持たせ、表紙は右側、裏表紙は左側と折り目をそろえて貼ります。

4.本文の紙に写真を張り付け、内容をつくる
 プリントアウトした写真を切り取り、本文の紙に並べていきます。配置が決まれば、のりで貼り、マスキングテープやスタンプでデコレーションをしていきます。表紙のデコレーションにこだわった方もおり、この作業が1番時間がかかりました。

5.のりが乾いたら完成!
 貼り付けが終わって乾いたら、出来あがりです。サクサクと作業が進み、全員が、自分だけの高田まちを詰め込んだ素敵なZINEが出来上がりました。

▶実際につくってみて

 ツアーの前に試作品を協力隊の3人で作ったのですが、写真選びに時間がかかり、どうやって貼ろうと悩み、1時間半で作るのは非常にあわただしかったのです。しかし、高校生のみなさんは同じ時間でこのクオリティ。発想力が柔軟で、こんな風に写真を切り取るのか、こんな風にデコレーションをするのか、と驚嘆でした。

 写真をプリントアウトする機会も、中々減ってきていると思います。だからこそ、自分で見つけた高田のまちをプリントアウトすることで、特別感が増してくるような。出来上がったZINEを見ていると、高校生が見た一人ひとり違ったまちの姿に、とても面白さを感じてしまいます。

 ご自宅でご家族と、学校でお友達と、ZINEを広げながら会津美里町のお話をしていただければ、とてもとても嬉しいです。まずは身近なところから、会津美里町のファンが少しずつ増えていったら、地域おこし協力隊としては、これほど心強いことはないです。

ツアーを終えて

 会津美里の人たちと一緒に、会津美里町をもっと知っていきたい。そんな気持ち1つで始まったこの「地域おこし協力隊と一緒に巡る会津美里シリーズ」。初めてのモニターツアーで、進行も準備も、至らない点が多かったと思います。拙いツアーに最後までお付き合いいただいたみなさんには感謝の気持ちでいっぱいです。

 また、アンケートで、事前に地図があったら良かった、訪れる場所の詳細が分かれば、という声もありました。今回はガイドを置かずに、同じ目線で一緒に歩くことを重視していたのですが、その点も踏まえ、内容をブラッシュアップし、今後のツアーに活かしていければと思っています。

 今回は春休みの中ご参加いただいた高校生のみなさま、まち歩きでご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました。この1年間は、会津美里町の人たちと一緒に、ツアーを進めていければと思っておりますので、これからもどうぞ、よろしくお願いいたします。


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