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落語の稽古

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落語塾での稽古模様を記事にしています。
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2021年11月の記事一覧

稽古ラストスパート

落語発表会まであと3日。ラストスパートです。 今朝も通勤中の車の中、声を張り上げた。台本の暗記は大丈夫そうだ。 この段になると稽古するたびに、面白い表現を思いつく。思いつくと差し込みたくなる。差し込むとなると、覚える内容がちょっと変わる。変わると、これまで覚えている感覚も変わるため失敗しだす。本番の失敗が怖いので元に戻す。こんなことを繰り返しながら稽古している。 本番で台詞が飛ばないようにを第一にすると、せっかくの思いついた工夫を活かすことができない。でも台詞が飛ぶのが

稽古には3つの眼が必要だった

今回、発表会までの稽古は不足していた。結果として稽古量はいつもと同じくらいだったが、何か稽古が不足していたように思う。 やっぱり、自分を観ながら稽古していなかったことになるか。動画を観てそう思った。おもろい表情や目線や仕草など、チェックが少なかった。また事前に動画を撮って確認することも怠った。 いつもは等身大の鏡とコンデンサーマイクを使って仕草と声のチェックをしていたが、今回はそこの稽古ができておらず、客観的に自分を観る機会がこれまでとくらべて圧倒的少なかった。 いかに

最後の稽古

落語発表会まで10日。昨日は最後の稽古日であった。 最後だけあって、メンバーは結構仕上げてきた感であった。文華師匠から細部の指導が入る。この細部の指導には、さまざまな理屈が入っており、メンバーへの指導を横から聴いていても、唸らされる。 そこまで考えて演じてはるのか、しかし理屈を聴くと、そうだよなと思うのである。噺家さんは常にお客さんから見える状況を意識して演じており、違和感を持たせないようにしている。 違和感を持たせると小さなストレスが積み重なり、最後には聴くシャッター

落語自主稽古「二人ぐせ」編

先日、落語仲間と11月21日の発表会に向け自主稽古をおこなった。前回までの稽古時に文華師匠から指導された点の改善と、演じた内容が聴き手に伝わっているのかを確認することを目的とした自主稽古であった。 「いらち俥」の森田さんは、人力車の手すりの持ち方 「二人ぐせ」の伊藤さんは、噺前半の、詰まろかなの解消 各々の課題を確認し、部分部分、演じている意図と受け取った意図を確認した。二番手は伊藤さんの「二人ぐせ」でした。 前回の稽古では、噺の後半を繰りかえし練習していたこともあり、

落語自主稽古「いらち俥」編

先日、落語仲間と11月21日の発表会に向け自主稽古をおこなった。前回までの稽古時に文華師匠から指導された点の改善と、演じた内容が聴き手に伝わっているのかを確認することを目的とした自主稽古であった。 「いらち俥」の森田さんは、人力車の手すりの持ち方 「二人ぐせ」の伊藤さんは、噺前半の、詰まろかなの解消 各々の課題を確認し、部分部分、演じている意図と受け取った意図を確認した。まずは、森田さんの「いらち俥」からでした。 「聴き手に?を出させないように」と文華師匠から指導されて

登場人物の”気”を掘り下げるには、人物設定をおこなうことから

一昨日と昨日で、落語仲間と自主稽古をおこなった。お互い稽古を見てもらい、感想や気づきを述べ合ったのである。 今回、僕が演じるのは「寝床」である。主な登場人物は旦那・番頭・久七だ。稽古を通して、それぞれの”気”を掘り下げて理解し、その気になって演じる。 それぞれの”気”になる前に人物設定をしている。旦那はどんな振る舞いをしているのか、番頭や久七の立ち位置は?など、人物設定がないと、噺に腰が入らないように思う。 稽古をみてもらい、感想や改善点を伺った。その上で、僕が立てた人