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『ルミネス』との出会い

※2000字以上の記事です。
 お時間のある時に
 お付き合いいただけると嬉しいです。

「視覚を育てるエンタメ」
と題した記事で紹介した
10作品との出会いについて
書いていきます。

この記事の中で
8つめに挙げたのが
『ルミネス』です。

このゲームは、
’04年に PSP で発売された
1本目のソフトの一つ
でもありました。

'04年といえば、
私がゲームから
離れていた頃なので、
発売当時は知りませんでした。

私のゲーム熱が再燃したのは、
'05年の終わり頃からで、
その頃は前年に発売された

任天堂の ニンテンドーDS、
ソニーの PSP が
売れていた時代で、

携帯ゲーム機が
熱い時代でしたね。

当時から DS の売れ行きが
特に伸びていて、
今の任天堂の不動の地位を
確立した時期でもあります。

任天堂のハードは、
ずっと売れているイメージを
持っている方も
多いかもしれませんが、

やはり、プレイステーションが
売れた時代は、
任天堂も苦戦していた時代が
あったんですよね。

特に、ゲームキューブの頃は、
今みたいな売れ方は
していなかったはずです。

そんな風向きを変えるのに、
一役買ったのも
ニンテンドーDS でした。

そもそも、なぜ、
'90年代に任天堂の独走状態だった
ゲーム業界で、

ソニーが成功できたのか、
といえば、

それはひとえに、
「ライトユーザー」の
取り込みに成功したから
でもあるんですよね。

前回紹介した
『パラッパラッパー』のように、

ゲームをまったく
やったことのない人でも

「遊んでみたい!」
と思えるようなソフトが
充実していたわけです。

「ゲーム」=「子ども」
みたいなイメージを払拭したのは、
ソニーの広告戦略によるところも
大きかったと思います。

そして、
据え置き型のゲーム機では、
’00年代に入っても、
ソニーのプレステ2が
圧倒的なシェアを誇っていました。

そこに一矢報いるべく、
投入されたのが、
ニンテンドーDS でも
あったんですよね。

DS がヒットした時も、
’90年代にプレステが
ヒットした背景と、
似たような印象を受けました。

ニンテンドーDS は、
任天堂が得意とする
「ゲームらしいゲーム」も
多かったのですが、

それ以上に、
ゲームっぽくないソフトも
結構多かったんですよね。

例えば、今でも
スイッチでヒットしている
『どうぶつの森』なんかも
ヒットしましたし。

『どうぶつの森』は、
初代がニンテンドウ64の
ソフトだったんですが、

多くのユーザーが
はじめて遊んだのは、
DS 版でした。

なぜそうなったのかといえば、

やはり、
DS の「ライトユーザー層」を
ターゲットにした戦略が

バッチリ、ハマったというのが
大きいでしょうね。

実際、DS や Wii の頃の
任天堂の CM は、
そういう層を意識した
作りになっていたんです。

昔はゲームの CM といえば、
単にゲーム画面を見せる
タイプのものが
多かったんですが、

それだと、
もとからゲームに
興味のある人にしか
伝わりません。

その辺が、’90年代のプレステ、
DS 以降の任天堂の
CM はよくできています。

そういうものを見てきた
私としては、

この’04年に発売された
DS と PSP で、
逆転現象が起きている
印象を受けました。

DS は、前述したように、
ライトユーザーを意識した
ソフトのラインナップや
広告戦略になっていました。

対する PSP は、
どちらかというと、

ゲーマー層を意識した
ものになっていた
気がするんですね。

相変わらず、ソニーらしい、
オシャレなデザインで、
プレステらしい雰囲気は
あったんですが、

ゲームのラインナップ自体は、
ゲーマー寄りだと思いました。

そんな中で、
ちょっと他のソフトとは
一味違うと思ったのが、
この『ルミネス』でした。

本作を手掛けたのは、
元・セガの水口哲也さん率いる
キュー・エンタテインメントです。

キュー・エンタテインメントは、
以前、紹介した桜井政博さんが
ゲームデザインを手掛けた

『メテオス』の開発を
手掛けた会社でもあります。

『ルミネス』と『メテオス』は
名前も似ており、
似たような時期に発売された
ソフトです。

(『ルミネス』’04年発売、
 『メテオス』’05年発売)

どちらも携帯ゲーム機の
落ちものパズル
という共通点もありましたが、

ゲームとしては、
まったく異なる内容に
なっていました。

『ルミネス』の
ゲームデザインを手掛けた
水口哲也さんは、

セガ時代にも
「映像と音楽の融合」を
コンセプトにゲームを
手掛けられていて、

その手の作品では、
『スペースチャンネル5』
『Rez』などがありました。

それまでに水口さんが
手掛けたゲームも
オシャレな感じが
多かったんですが、

『ルミネス』も
かなりオシャレ度の
高いゲームでしたね。

音楽はモンド・グロッソが
手掛けており、

ゲーム画面もかなり
テクノっぽい
イメージだったんです。

なんとなく、これを見て
「初代プレステの頃の
 かっこいい感じが
 帰ってきた」
と嬉しく思ったものでした。

プレステ系は、
初代の頃が一番、
オシャレな感じがしたんですが、

プレステ2以降は、
割とそういうイメージが
落ち着いて、

やはり、ゲーム業界で
トップになってしまうと、

ゲーム色に
染まってしまうんだなぁ
と思っていました。

そう思っていたところに
PSP が出てきただけに、
余計にオシャレに
感じたんですね。

配色、無駄を省いたデザイン、
音楽の尖った感じ、

これらをまとめた
『ルミネス』は、
今の眼で観ても、
洗練されています。

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