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プログラムでいろいろな感触を表現(5・終)感触の違いで腕前の差を緩和する

※この記事は、
 2016年3月20日に書いた記事に、
 加筆修正をしたものです。

このシリーズでは、
ゲームで表現される
さまざまな感触について
書いてきましたが、

この記事をもって
最終回とします。

これまでにプレイヤーが
動かすことのできる
キャラクターは、

その動き方や演出によって
感触が変わる
という話をしてきました。

また、キャラクターによる
差だけではなく、
氷の上、水中といった

キャラクターを動かす
「場所」の変化によって、
動作を変えている場合も
あるんでしたよね。

最後にそれらの
さまざまな感触が楽しめる
オススメの作品を紹介します。

例えば、対戦型のゲームでは、
キャラクター毎に、
動作に差をつけて、

プレイヤーが選択できる
バリエーションを
豊富にしている
わけですが、

その住み分けが
秀逸だと思ったのが、
'05年にニンテンドーDS で
発売された『メテオス』です。

▼’05年に発売された DS 用ソフト

『メテオス』は、
セガから独立した
水口哲也さんが、
(代表作『セガラリー』
 『スペースチャンネル5』など)

桜井政博さんに
(代表作『星のカービィ』
 『大乱闘スマッシュブラザーズ』など)

ゲームデザインを
依頼して作った
パズルゲームでした。

系統としては
『テトリス』や『ぷよぷよ』に
代表される
落ちものパズルなんですが、

舞台は、さまざまな惑星で、
空から降ってくる隕石を揃えて
吹っ飛ばすという一風変わった
パズルゲームなんです。

このゲームでは、
対戦が重視されており、

プレイヤーが
選択する惑星によって、
隕石の動き方が
異なる仕様になっています。

対戦型のパズルゲームといえば、
『ぷよぷよ』なんかを
思い出してもらうと
わかりやすいと思いますが、

腕前の差が
はっきりと出てしまうタイプの
ゲームですよね。

しかし、この『メテオス』では、
対戦格闘ゲームの要領で、
キャラクターを変えるのではなく、

プレイヤーが
好きなステージを
選んで対戦できるようにして、

プレイヤー間の
腕前の差を緩和している

というわけです。

プレイヤーが
選択できるステージは
30種類以上あって、

実に多彩な感触が
楽しめるゲームになっています。

例えば、
「オレアナ」という水の惑星は、
隕石が水中にあるような動作で、
ゆっくり動きます。

重力によって、
隕石がなかなか
打ち上げられない惑星もあれば、

逆に動くスピードが速すぎて
揃えた瞬間に隕石が
消えてしまう惑星もあります。

とにかく、いろんな感触が
味わえるゲームなので、
気になった方は、
ぜひプレイしてみてください。

全5回に渡り、
プログラムの差によって

ゲームの世界で
いろいろな感触が楽しめる
という話をしてきましたが、
いかがだったでしょうか。

今回はアクション系のゲームを
中心に話してきましたが、

非アクション系のゲームでも、
ゲーム上の数値の
変化のしかたによって、

これもまた様々な感触が
楽しめるものだと思います。

言ってしまえば、
どんなゲームであれ、
こういった数値の変化の差こそが
ゲームの個性ではないでしょうか。

もちろん、
その数値自体をプレイヤーに
見えるようにするかどうか
というのも、
ゲームの性質によって異なります。

また、ゲームは
単なる「数値の塊」ではなく、

そこにさまざまな世界観を
乗せることによって、
作品たるものにしているのも
事実だと思います。

私自身はプロミングについて
詳しいわけではないですが、

ゲームを知らない人にこそ
知ってほしい魅力だったので、
敢えて取り上げてみました。

最後まで読んでいただき、
ありがとうございます。

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