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どのようにテクノと出会ったか(2)『細野晴臣 2001年音楽の旅』~タワーレコードの衝撃

前回に続き、私がどのように
テクノと出会ったかを
綴っていきます。

前回は高校3年の時に、
はじめて買った YMO のCD が

海外アーティストによる
リミックス盤だったことを
書きました。

そのリミックス盤を聴いてから、
私はその年の夏から秋にかけて、
YMO のほぼすべてのアルバムを
聴いていきました。

短期間のことですが、
かなり濃厚な数か月で、
今でもあの頃の記憶は
忘れませんね。

そして、私のテクノ歴を
語るうえで、
忘れられないラジオ番組が

2001年1月2日~5日に
放送されました。

それが NHK-FM の
『細野晴臣 2001年音楽の旅』です。

2000年に発売された
細野さんの CD 4枚組
ボックスセット

『HOSONO HOUSE』が
発売されたのを契機に、

2000~2001年は、
細野さんの音楽活動を
総括するような動きが多く、

その一環として
このラジオ番組もありました。

21時からの2時間番組で、
全4回にわたって
放送されたんですよね。

当時の私は、
まだまだ YMO のことも
知らないことが多く、

インターネットも使える
環境ではなかったので、

この番組で聴いた
細野さんの音楽歴は、
はじめて聴くことばかりで、
とても興味深く感じました。

細野さんといえば、
テクノだけでなく、
幅広いジャンルの音楽を
やってきた方なので、

この番組で知った音楽が
さらに幅広い音楽の世界に
導いてくれたんですよね。

当時の私の興味の中心は、
テクノ(=電子音)だったんですが、

はっぴいえんど、
ティン・パン・アレーを
はじめとする

 YMO 前夜の細野さんが
やってきた音楽にも
ずいぶんと興味を惹かれました。

そんな私でしたが、
やはり、番組を聴き終えて、
真っ先に聴きたいと思い、

CD を買いに行ったのが、
YMO の活動期に細野さんが
唯一発表したソロアルバム
『フィルハーモニー』です。

これは今でも大好きなアルバムで、
サンプリングをメインにした名盤ですね。
(サンプリング
 =外部の音を取り込んで加工する)

この CD を買いに行った日のことは
今でもよく覚えています。

というのも、私はこの時に、
はじめてタワーレコードに
行ったんです。

当時、私が住む札幌市内には
2つのタワーレコードがあって、

プリヴィー店、ピヴォ店が
それでした。

プリヴィーもピヴォも
商業施設の名前で、
そのテナントとして、
タワーレコードが入っていました。

私がはじめて行った方の
プリヴィー店は、

間もなく、その施設自体が
なくなってしまったので、
ごく短い付き合いでしたが、

はじめてタワーレコードに
行った時の記憶は、
今でも忘れません。

「こんなに CD がたくさん
 置いてあるお店があるのか!」
と度肝を抜かれたんです。

なんせ、その建物の1フロアが
全部タワーレコードでしたから、
かなりの面積を占めていました。

(のちに行くことになる
 ピヴォ店はさらに、
 2~3階にわたる広さだった)

そこで『フィルハーモニー』を
買ったんですよね。

私自身にとっては、
音楽を知りはじめたばかりの
刺激に溢れたいい時代でした。

なぜ、タワーレコードに
行くことになったのかといえば、

細野さんの CD が
近所の CD ショップには
あまり置いていなかったからです。

高橋幸宏さんの CD も
そうでしたが、
なぜか、手に入りにくかったんです。

(教授の CD は割とどこでも置いていた)

そんなわけで、
はじめて行ったタワーレコードで、
私は CD とともに、
一冊の本を買いました。

それがのちの私にとって、
テクノのバイブルの一つともなった
『テクノポップ/エレポップ』です。

この本は今読んでも、
本当によくできていて、
この本がなかったら、

その後の私は
何を聴いていただろうか
と時々、思います。

そのくらいこの本は、
その後の私のテクノ歴において、
欠かせないアイテムとなったのです。

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