雑誌『WIRED』との出会い(前)デザインの歴史の中で
「視覚を育てるエンタメ」
と題した記事で紹介した
10作品との出会いについて
書いていきます。
この記事の中で
4つめに挙げたのが
雑誌『WIRED(ワイアード)』です。
『WIRED』は、
’93年にアメリカで
創刊された雑誌です。
同誌では、
テクノロジー、ビジネス、
カルチャー、ライフスタイルなど、
幅広い題材を扱っています。
日本では’94年に
同朋舎から日本語版が
創刊され、
'98年には、休刊となりました。
その後、2011年に、
コンデナスト・ジャパンが
発行元となり、
改めて、日本語版が
創刊されています。
(現在では年4回の発行)
私が『WIRED』を知ったのは、
今から10年ほど前のことです。
私は本などの印刷物の
紙面を編集する仕事を
しているのですが、
その頃、部署が異動になり、
仕事内容にも変化が
ありました。
部署異動の前に
私がやっていたのも
紙面を作る仕事では
あったのですが、
その部署で扱っていたのは、
日本の写植メーカーが
製造していた
日本製のマシンでした。
(写植:写真植字の略。
活字に写真の技術を
応用した機械)
そのマシンの形自体は、
モニターがあって、
キーボートと
マウスで操作する
パソコンと
そっくりな機械です。
この辺の話をし出すと、
長くなるので、
かいつまんで書きますが、
以前、私がいた部署では、
紙面の設計を考える人が
別にいて、
私は、その設計図をもとに
(「割り付け」という)
紙面のデータを
作成していたんですね。
なので、私自身は、
レイアウトの知識に
乏しかったんです。
ところが、異動になった
部署では、パソコンを使って
紙面を作成するので、
イラストを
描こうと思えば描けるし、
写真を加工しようと思えば、
それもできてしまいます。
ある意味、
一人でなんでも
できてしまうんですね。
レイアウトを自分で
考えなければならない
場合も多く、
デザイン力を
求められることが
多々ありました。
しかし、私自身は、
それまで、書籍に関する
文字組みの
細かい部分に関しては、
それなりに、
知識があったものの、
レイアウトや配色については、
ほとんど素人同然でした。
特にポスターやチラシに
関しては、
そういう知識をなければ、
なかなか難しいんですね。
今でも、
得意な分野ではありませんが、
最初の頃は、
本当に酷かったんです。
あまりにもセンスが
なさ過ぎて、
一生懸命作ったものを
上司に見せると、
ため息をつかれること
すらありました^^;
これが私は、
ものすごく悔しくて、
自分なりに勉強した
時期があったんですね。
なんせ、周りにできる人がいても、
教えるのが上手い人は、
見当たらなかったので。
藁をも掴む思いで、
本屋で手にしたのが、
この本でした。
この本では、
さまざまな分野の
歴史的なデザインが
紹介されており、
それらをどのように
「見る」かが書かれています。
これがデザインの知識が
まったくない私には、
うってつけの本だったんです。
この本にも書かれていますが、
とかく「デザイン」の分野では、
「歴史」から紐解いて、
体系的に学ぶという
勉強のしかたが、
あまり実践されていない
そうなんですね。
なので、私がこの本を
読み終えた頃、
周りの先輩方に、
こういったデザインの
歴史の話をしても、
知っている方は、
まったくいませんでした。
たぶん、そこに問題点が
あったんですね。
なんだか、
今でもそうなんですが、
私は周りとちょっと
ズレていているので、
こういった歴史の話が
馴染みやすい体質なんですね。
「そうか!」と、
納得できるのは、
そこに歴史を
感じるからなんです。
というわけで、
この本の中で、
『WIRED』が紹介されており、
そこで私は、
はじめてこの雑誌のことを
知りました。
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