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振り返れば俺がいる(111)マンガについて(その15)34歳『COPPERS』

――前回は、33歳の頃にハマった『バクマン。』について伺いました。その後にハマったマンガを教えてください。

その翌年だったと思うんですが、オノ・ナツメの『COPPERS』にハマりましたね。

▲2008~2009年に『モーニング2』で連載(全2巻)

――どんな作品なんですか?

これはアメリカのニューヨークを舞台にした刑事ものなんですよ。

銃をバンバン撃つようなアクションではなくて、刑事の日常を描いたような大人のドラマでしたね。1話完結の物語が続いていく感じですかね。

大人になってからハマったマンガは『20世紀少年』とか『バクマン。』とか20巻前後の長いものが多かったですけど、『COPPERS』は全2巻で、気軽に読めるので、何度も読み返しているマンガです。

こんな絵柄ですけど、海外ドラマみたいな雰囲気があるんです。

――キャラクターの頭身が低くて、かわいらしい独特な絵柄ですよね。

オノ・ナツメは、もっと前に『リストランテ・パラディーゾ』が流行っていた頃から注目していたんですが、ようやく読み出したのが、2016年くらいでしたね。

▲2005~2006年に『マンガ・エロティクス・エフ』で連載(全1巻)

――『リストランテ・パラディーゾ』の方はどんなマンガなんですか。

いや、実はそっちはまだ読んだことがないんですよ。

イタリアのレストランの話みたいですけどね。

とにかく、オノ・ナツメは、このマンガの表紙を見た時に一目ぼれしてしまって、「いつか読みたい!」と思っていたんですが、いろいろ忙しくてずっと後回しになっていて、ようやく読んだのが『COPPERS』だったんですね。

オノ・ナツメの描く絵が大好きです。

――海外を舞台にした作品を多く描かれているんですね。

実際に作者はイタリアに留学した経験があって、海外の雰囲気を作るのが、ものすごくうまい気がしますね。

海外を舞台にした作品だと、他にも『not simple』や『ラ クインタ カーメラ』も読みました。

▲2004~2005年に『COMIC SEED!』で連載(全1巻)

▲2003~2004年に『COMIC SEED!』で連載(全1巻)

『not simple』の方は暗い話なので、あんまり読み返していませんが、『ラ クインタ カーメラ』の方は、よく読み返していますね。1冊で完結しているので、読み返しやすいんですよ。

――『ラ クインタ カーメラ』はどんな作品なんですか?

サブタイトルに「5番目の部屋」というのがありますよね。

これはイタリアのシェアハウスの話なんですよ。舞台となるシェアハウスに5つの部屋があって、4つの部屋には、4人のおっさんが住んでるですけど、5番目の部屋は留学生のために、いつも開けてある部屋なんです。

そこに日本人留学生の女の子がやってくる話ですね。

これも『COPPERS』と同じで、大人っぽい人間ドラマが描かれていて、読んでいると心に染みる感じですね。子どもにはおもしろさが伝わりにくい、大人のためのマンガだと思います。

――なるほど、オノ・ナツメさんは、大人っぽいドラマを描くのが得意なんですね。

そんな感じですね。あと、海外を舞台にした作品だけでなくて、本人は時代劇もお好きみたいで、時代ものの作品も描いていますよ。

私が読んだのは、オノ・ナツメの時代もの1作目の『さらいや五葉』だけですけど。

▲2006~2009年に『月刊IKKI』に連載(全8巻)

――この画風で時代劇も描かれているんですね!

ね、なんだかすごいですよね。

こっち系のマンガも結構人気があるみたいで、アニメ化もされているんですよ。

▲2009年にフジテレビ系列で放映

一応、侍が主人公ですが、剣劇アクションではなくて、人情噺ですね。

ホント、オノ・ナツメは、こういう話を描かせたら、右に出る者がいないのではないかというくらい、いいですね。

まだまだ読んでいない作品が多いのですが、これからも読んでいきたいマンガ家さんですね。こんな話をしていたら、また読み返したくなってきました(笑)

(次回に続く)

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