ジャズと私(11)ジョビンからのクラウス・オガーマン
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前回の記事では20歳の頃に聴いたウェザー・リポートを紹介しました。
それよりも少し前の時期に、聴きはじめたのがアントニオ・カルロス・ジョビンでした。
ジョビンというと、ボサノヴァの人なので、「ジャズ」をテーマにした記事で挙げるのはどうかと思われる方もいるかもしれません。
しかし、ジャズとも深いつながりがあるんですよね。
私がジョビンを知ったのは、私の好きな坂本龍一が影響を受けていたこと、また、前々からこの記事で出ている音楽好きの先輩からの勧めもあったような気がします。
はじめて買ったのは、『Wave』('67)というアルバムでした(19歳の秋か冬、2002年のこと)。
はじめて聴いた時から大好きなアルバムで、今も変わらずに好きなアルバムです。
メロディーがシンプルでわかりやすく、なおかつ聴き込むほどにアレンジの素晴らしさがよくわかる名盤なんですよね。
このアルバムのストリングスのアレンジを担当したのが、クラウス・オガーマンです。
クラウス・オガーマンはドイツ出身の編曲家で、ジャズ、ポップス、クラシックなど幅広い分野で活躍しました。
私がクラウス・オガーマンの名前を知ったのは、高橋幸宏の話で彼の名前が出た時のことです。
高橋幸宏が好きなアレンジャーだったんですよね。
高橋幸宏のソロデビューアルバム『サラヴァ!』('78)は「クラウス・オガーマン的なアレンジ」を実現するために、坂本龍一が全曲のアレンジを手掛けていました。
また、YMO の楽曲でも『SHADOWS ON THE GROUND』('83)は、クラウス・オガーマンのサウンドを意識して作られた楽曲になっています(作曲:高橋幸宏、坂本龍一。ちなみに、私が YMO の曲の中で一番好きな曲)。
そんなことを知って、クラウス・オガーマンの楽曲が気になって、聴いてみたんですよね。
ジョビンを聴きはじめた頃とそう変わらない頃の話です。
クラウス・オガーマンのアルバムではじめて聴いたのは、『Gate Of Dreams』(’77)というアルバムでした。
これがまた良かったんですよね。
ジャンルとしては一応ジャズになるんですが、フュージョン寄りのサウンドになっています。
ここにたどり着くまでに、映画音楽(『袋小路』『勝手にしやがれ』)、ジョン・コルトレーン、マイルス・デイヴィス、ウェザー・リポートといろいろ聴いてきたわけですが、クラウス・オガーマンの曲はそのどれとも違う味わいを感じました。
このアルバムには、デヴィッド・サンボーン(アルトサックス)、ジョージ・ベンソン(ギター)といったアーティストが参加していて、特にジョージ・ベンソンのギターソロがいいです。
クラウス・オガーマンは同じ頃に、『Claus Ogerman featuring Michel Brecker』('91)というアルバムも中古 CD でたまたま見つけて、よく聴いていました。
こちらは'90年代に発表された作品とあって、『Gate Of Dreams』ともまた違う、洗練されたサウンドに仕上がっています。