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音楽レビュー『TRUTH』T-SQUARE(1987)ゲーム音楽への影響も大きい

ゲーム音楽への影響も大きい

最近、「好きなゲーム音楽100」
というのを紹介していますが、

私が好きな'90年代の
日本のゲーム音楽に多大な影響を
与えていると思われるのが、
T-SQUARE(ティー・スクェア)です。

T-SQUARE は'76年に結成、
'78年にデビューしたバンドで、
メンバーを変えながら現在も活動してます。

本盤は T-SQUARE の12枚目のアルバムで、
同バンドの代表曲である
『TRUTH』が収録されています。

同曲はフジテレビの
『F1グランプリ』の
テーマ曲として採用され、

今でも「F-1 といえば、この曲」
というイメージがありますよね。

先ほど、T-SQUARE がゲーム音楽に
影響を与えたと書きましたが、

特にこの『TRUTH』は、
『ストリートファイターII』の BGM に
似ているんですよね。
(リュウやケンのステージなど)

私自身は子どもの頃から
両方の曲を知っていましたが、

「似ている」と気が付いたのは、
大人になってからのことです。
(割と近年のこと)

パーカッションによる
エキゾチックなサウンドもあり

私は T-SQARE の楽曲をそれほど知らず、
アルバムをじっくりと聴いたのは、
今回がはじめてのことですし、

このアルバムのことしか知らないので、
同バンドの前後の作品との比較すら
できないのですが、

クレジットを見て、大きいと思ったのは、
本盤のレコーディングには、

元・メンバーのパーカッショニスト、
仙波清彦が参加しているのは、
大きいのではないかということです。

(この名前に既視感に覚えたので、
 調べてみると、
 坂本龍一の『左うでの夢』に
 参加していた方だった)

彼が参加しているのは、
①、②、③、⑦の曲で、

特にインドネシアの民族音楽を
連想させる音色を含んだ③は、
彼のパーカッションなしでは
ありえなかった曲でしょう。

名曲『TRUTH』の
魅力の秘密はリリコンにあり

レコーディングに関して、
前作までの T-SQARE は、
極力、生音に近いサウンドを
目指していたようですが、

本作からはリバーブ(残響)を
かけた響きのあるサウンドに
なっています。

これによって、
特にシンセサイザーの音色は、
さらにキラキラした感じに
聴こえますね。

ギターやサックスの音色も
かなり活躍していますが、

⑤『TRUTH』で特に印象的なのは、
主旋律を奏でる電子音です。

これはおそらく
キーボードの音色ではなく、
サックス型の電子楽器(リリコン)
だと思われます。

キーボードの演奏では、
決して出せないような、

息を使った楽器だからこその
音の強弱の付け方があり、
その音の揺れ方がまた本楽曲の
熱さ(情感)に繋がっているんですよね。


【作品情報】
リリース:1987年
アーティスト:T-SQUARE
レーベル:CBS・ソニー

【アーティストについて】
'78年にデビューした
日本のインストゥルメンタルバンド。
('88年まで THE SQUARE として活動)

【同じアーティストの作品】

『S・P・O・R・T・S』
(1986)
『YES, NO.』(1988)
『VENTO DE FELICIADE
~しあわせの風~』
(2023)

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