マンガレビュー『BLUE GIANT SUPREME』(2016~2020)言葉も文化も異なる地へ
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『BLUE GIANT』の最後に
ヨーロッパに旅立った
主人公のその後
世界一のジャズプレイヤーを目指す主人公・宮本大が、最初に降り立ったのは、ドイツのミュンヘンでした。
ジャズプレイヤーとして名前が知られているわけでもなく、なんのツテもない大です。
案の定、ジャズバーへの飛び込みは、どこでも断られてしまいます。
最初から大はそうでしたが、ここでもへこたれません。
自分が「世界一」になることを信じていて、それ以外のことが頭にないのです。
不思議なもので、ポジティブな彼の姿勢は、行く先々で好感を持たれ、手を貸してくれる人も徐々に現れてきます。
そんなうまいこといくかよ
と、思う方もいるかもしれませんが、実際、現実の世界でも夢を実現した人というのは、こういうものなのかもしれません。
「根拠のない自信」と「謙虚さ」がいいバランスで両立しているので、どこへ行っても応援してくれる人が出てくるのですね。
ヨーロッパ編を圧縮して語ると
ヨーロッパの各地でメンバーを見つけ、バンドを組み、各地を巡業するといった展開になります。
あっさり書いてしまいましたが、そこに行きつくまでには、もちろん、たくさんの障壁が待ち受けています。
メンバーもそれぞれに個性の強いプレイヤーばかりで、ケンカも絶えません。
しかし、その個性の異なるメンバーが徐々にお互いのことを理解し、リスペクトするようになる過程が素晴らしいんですよね。
最終的には、言葉を交わさずとも、息がピッタリなパフォーマンスを披露して、たくさんの観客を掴むことになるのですが、それが別れのはじまりでもあるのがせつないところです。
仲間との別れは「ジャズ」においては、宿命でもあります。
「ひとところに留まらない」
これこそがジャズの神髄なのでしょう。
大のその後の歩みは、続編『BLUE GIANT EXPLORER』へと続いてきます。
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