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映画レビュー『パパはわるものチャンピオン』(2018)プロレスと親子の絆

【約1100字/3分で読めます】

【こんな人にオススメ】
・プロレスが好き
・親子愛に飢えている
・挫折している

【こんな時にオススメ】
・激しいアクションが観たい

・休日に家族でまったり
・小さな子どもに癒されたい

想像してみてください

自分が小学生で、プロレスが好きな同級生がたくさんいるとしましょう。そんな状況で、自分のパパがプロレスラーだったとしたら、自慢したくなりますよね。

でも、本作に出てくる少年(寺田心)は、自慢どころか、パパがレスラーであることすら隠しています。

なぜならば、パパはみんなに嫌われる「ゴキブリマスク」、ヒール(悪役)だからです。

少年はパパの仕事を知らなかった

それがわかったのは、偶然、プロレスの会場に入ってしまった時でした。

そこで少年は知ってしまったのです。パパがリングをはい回る「ゴキブリマスク」であることを。

ゴキブリマスクはルールを無視した凶器攻撃を繰り返し、観客から大ブーイングを浴びせられています。

少年はショックでしばらくパパと口をきかなくなりました。

「パパは悪い奴だったんだ、みんなに嫌われている」

こんな事実を知ったら、少年が嫌になるのも無理はありません。

子どもの反応を見たパパはどこか寂し気です。

しかし、パパは今日もリングに向かいます。それが彼の仕事だからです。

プロレスラー・棚橋ひろ主演

棚橋弘至選手のことは以前から知っており、その卓越したスター性は知っていましたが、実際に作品を観るまでは、不安を感じたのも正直なところです。

主演の演技がひどかったら、この作品は成り立たないですから、観る前に不安に思うのも無理はありませんよね。

しかし、そんな杞憂はなんのその、さすが棚橋選手!リングの上で見せてくれるスター性は、俳優としても充分なものでした。

「プロレスラー」としてはもちろんのこと、「パパ」の顔も板についており、彼が本物のレスラーであることを忘れてしまうくらいです。

なお、本作には本物のプロレスラーが多数出演し、試合のシーンは、本物のプロレスそのものです。ベビーフェイス役(善玉)を演じる、オカダ・カズチカ選手もいい味を出していました。

プロレスの激しいアクションと家族の絆を描いた温かい作品です。


【作品情報】
2018年公開
監督・脚本:藤山享平
原作:板橋雅弘、吉田尚令
   『パパのしごとはわるものです』
   『パパはわるものチャンピオン』
出演:棚橋弘至、木村佳乃、寺田心
配給:ショウゲート
上映時間:111分

【原作】

『パパのしごとはわるものです』
板橋雅弘、吉田尚令(2011)
『パパはわるものチャンピオン』
板橋雅弘、吉田尚令(2014)

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