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書籍レビュー『LOVE TOGETHER YUKIHIRO TAKAHASHI 50TH ANNIVERSARY』高橋幸宏(2022)50人が語った高橋幸宏

高橋幸宏、音楽活動50周年

音楽家・高橋幸宏の
活動50周年を記念して
出版された本です。

著者は「高橋幸宏」
となっていますが、
療養中ということもあり、

この本の中には、
出版当時の高橋幸宏
本人による言葉や文は
掲載されていません。

その代わりに、
本書は高橋幸宏の
関係者による言葉を

「これでもか」
というくらいの
ボリュームで掲載しています。

内容は、インタビュー、
過去の対談を
文字起こししたものが、
中心です。

50人(49人+1匹)が語る
高橋幸宏

本書で「高橋幸宏」について
語った関係者の数は、
50人(49人+1匹)です。

(著者のペット、
 PASCAL は写真で登場)

その顔ぶれは
以下のようになっています。

小原礼、加藤和彦、新田和長、
クリス・トーマス、
細野晴臣、村井邦彦、
鋤田正義、鮎川誠、
クリス・モズデル、矢野顕子、
大村憲司、ピーター・バラカン、
立花ハジメ、土屋正巳、
三宅裕司、大林宣彦、
高野寛、スティーヴ・ジャンセン、
伊島薫、山本耀司、
鈴木慶一、森雪之丞、
信藤三雄、Dr.KyOn、
宮沢りえ、川上つよし、
椎名誠、リリー・フランキー、
ゴンドウトモヒコ、
TOWA TEI、小山田圭吾、
石野卓球、佐々木幸生、
原田知世、堀江博久、
高田漣、白根賢一、
安田顕、祐真朋樹、
三浦憲治、のん、
飯尾芳史、砂原良徳、
矢口博康、小池美波、
林立夫、大貫妙子、
天辰保文、坂本龍一
PASCAL(写真)
※掲載順

この中には、
著者よりも先に亡くなった方、

あるいは、著者と同時期に
天国に旅立った方も
散見されます。

こうして見てみると、
高橋幸宏の人脈の幅広さに
驚かされます。

ミュージシャンなので、
音楽関係の方が多いのは
当然ですが、

その影響を受けた方は、
音楽業界に限らず、
多くの分野にいるんですね。

優しく、ユーモラスで、
微笑ましい

この本が出版された当時、
高橋幸宏が
亡くなってしまうとは、
誰も考えてもいませんでした。

療養期間が終わったら、
また元気にカムバックしてくれる、
と誰もが信じていたんですね。

その願いは、本書に登場する
多くの方が語る言葉の中に、
しっかり表れています。

奇しくも、追悼集のように
なってしまった本書ですが、

多方面から多角的に
語られた著者の実像は、

本書に掲載された
関係者の言葉によって、
立体的に浮かび上がってきます。

いかに、高橋幸宏という
アーティストが
稀有な存在であったか、

多くの語り手が
証言しているのです。

その語りっぷりは、
どこか著者の面影を
感じさせる

優しく、ユーモラスで、
微笑ましいものばかりでした。

本当によくできた本なので、
細かい話は今後、
別の記事で
紹介することにします。


【作品情報】
発行年:2022年
著者:高橋幸宏
出版社:KADOKAWA

【著者について】
1952~2023。
東京都生まれ。
高校生の頃から、
スタジオミュージシャン
として活動。
'72年、サディスティック・
ミカ・バンドに加入。
解散後、サディスティックスを経て、
’78年、細野晴臣、坂本龍一とともに、
YMO を結成。
’83年の散開後も、ソロ活動を続け、
ビートニクス、スケッチ・ショウ、
pupa、METAFIVE といった
ユニットでの活動も精力的に行った。
音楽活動と並行し、
ファッションデザイナー、
文筆家としての活動もあった。

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