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どのようにテクノと出会ったか(7)重要な3冊の本

前回の記事では、
書籍『テクノポップ/エレポップ』を
参考に聴いた音楽を紹介しました。

思っていたよりも、
長大なシリーズとなってしまい、

そろそろ終わらせなければと
思っているんですが、
もうしばらくお付き合いください。

私がテクノを学んでいくうえで、
欠かせなかったものとして、
『テクノ・ポップ/エレポップ』

テレビ番組の『Future Tracks』を
挙げました。

欠かせなかったアイテムが
さらに、もう二つあります。

『テクノボン』

『テクノのススメ』

この二つの書籍です。

いずれも私が
高校を卒業して間もない、
19歳の頃に買った本だと思います。

『テクノボン』は、
電気グルーヴの石野卓球、
音楽ライター・野田努の共著で、
'94年に出版されたものです。

たまたま近所の古書店で見つけて、
購入したものでした。

基本的には、お二人の
対談形式でテクノの歴史を
辿る内容でしたが、

リアルタイムで感じた
個人的な経験も含めた
ものすごく濃い内容です。

以前、私が書いた
「テクノポップ」と
「テクノ」の違いを

はじめて教えてくれたのも
この本でした。

『テクノのススメ』は、
音楽ライターの
佐久間英夫が書いた
テクノのガイド本で、

こちらも
テクノの歴史を辿った記事と
アルバムのレビューで
構成されています。

『テクノボン』の野田努、
『テクノのススメ』の
佐久間英夫、

いずれの著者もテクノ系の CD の
ライナーノーツで、
よく見かける方だったので、
その方面の知識は相当なものでした。

しかしながら、前述した
『テクノ・ポップ/エレポップ』も含め、

『テクノボン』、
『テクノのススメ』の三冊を
並べて見てみると、

それぞれに「テクノ」の
指す範囲が微妙に異なっており、

一つのジャンルと言っても、
捉え方は時代や人によって、
かなり異なるものだというのが
わかりました。

例えば、
『テクノ・ポップ/エレポップ』の
執筆陣には

音楽雑誌『ストレンジ・デイズ』の
ライターが多く名を連ねています。

『ストレンジ・デイズ』は、
テクノがメインの雑誌ではないので、
紹介されている作品も

必然的にロック寄りの作品が
多かったです。

『テクノボン』は、
石野卓球の個人的な
音楽体験も多分に含まれた
著書となっているので、

『テクノのススメ』とも
またチョイスが異なるんですね。

もっとも、『テクノボン』は、
'94年発行、
『テクノのススメ』は、
'99年発行、

という、発行年数の違いも
大きく影響していると思われます。

いずれにしても、
このように一つのジャンルに対して、
さまざまな見解があることは、

やはり、一つの本を
読んでいるだけでは、
なかなか気づけないでしょう。

この三冊の書籍のおかげで、
19~20歳の私は、
かなりテクノに
詳しくなることができました。

こういったことは、
音楽のジャンルに限らず、
よくあることで、

以降も私は
特に興味を持った分野は、

最低でも3冊以上の
異なる著者の本を
読む習慣が定着しました。

このように複数の視点から
解説されることによって、
その分野を立体的に
捉えることができるのです。

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