見出し画像

地元の高校生に「いきつけいなか」を取材してもらった話。

田舎暮らしに憧れて田舎移住が増えてきている昨今。移住したのはいいが、地方の人とうまくいかず田舎から離れてしまう人がいます。せっかく移住したのに、そんな結末は悲しい。

そこで2021年に高知県日高村で立ち上がったのが、いきつけからはじめる地域の学び・お手伝い「いきつけいなか」。

1日だけ、1週間だけ、数ヶ月だけと、気軽に田舎との関わり・知り合いをつくることができるサービスです。まずはいきつけることで、田舎と相互理解が深まりよい関係が構築できる。だから実際に移住しても、ミスマッチを減らすことができる。人生を豊かにする、田舎との関わり方を見つけるお手伝いをしています。

今回、そんな「いきつけいなか」の想いに共感をしたという佐川高校の生徒の皆さんに、課外授業の一環で取材をしていただきました。取材をした4名の生徒さんからいただいた感想を紹介します。

1.「いきつけいなか」を取材することになった経緯(佐川高校教員:武市さん)

 佐川高校の総合的な探究の時間では、今社会が抱えている課題を知り、地域で自分たちにできることは何か考え、行動する活動をしています。このグループの思いは、「地域を今より元気にしたい」ということ。まず初めに「私たちが思う元気な地域って何だろう?」と全員で考えました。生徒たちが出した結論は、「ただ人口が増えればいいわけじゃない。ここに住んでいる人と、外から来る人との交流があって、また遊びに来ようと思ってもらえる地域」とのことでした。

そんな生徒たちの思いと、「いきつけいなか」の考え方がリンクするところがあるのではないかと思い、「いきつけいなか」を立ち上げられた小野さんにお話を伺う運びとなりました。

その際に小野さんに、地域課題解決に必要な 「ナレッジ」や「スキル」や「つながり」を持つ県外在住のプロフェッショナルな方に関わってもらい、地域おこし協力隊の事業を支援してもらう「スーパー関係人口創出メンター制度(通称:スパ関制度)」が2023年7月から始まったことをお話していただきました。

生徒たちは実際にスパ関のワークショップを見学させていただき、都会に住みながらも地域を応援してくれているメンターや、現役の日高村地域おこし協力隊の皆さんにインタビューをする機会をいただきました。

2.「地域を今より元気にしたい」という4名の高校生が、実際に取材をしてみた感想

勉強会では、一人一人の課題や悩みをみんなの意見を元にどうすればいいのか真剣に考え解決しようとしていたのが新鮮でした。自分一人で問題点を探しより、他者から見ることで新しい見方をすることができると感じました。
移住者へのインタビューでは、私たちの予想とは違って移住者の方が「地域住民の方々とのトラブルはない」とおっしゃっていたことに驚きました。日高村は移住者のサポートや、移住者と在住者同士のコミュニュケーションが他の地域より充実しているのではないかと思いました。人間関係の他にも、都会より交通の便が悪く不便なのではないかと思っていましたが、意外と便利だというお話も聞きました。実際にお話を聞いて、インタビュー前の予想と違うところが多くて驚きました。(横田さん)
 
話し合いの雰囲気がとてもよかったのが印象的でした。集まっていた方たちの人柄が良く、みなさんがオープンでした。いろんな人が集まるコミュニティは大事だと感じました。
その中で、「移住者の方のために高校生ができることは?」という質問をさせていただき、「人と人をつなぐ架け橋になってほしい」という言葉を、移住者の方からいただきました。この言葉は自分たちの活動のキーワードになると思いました。
勉強会のメンターの小島先生が「物事を小さくすると考えやすい」「ターゲットをしぼる」「誰に話を聞くかが大事」などとおっしゃっており、これは私たちにとっても次のアクションを考える上で大事なことだと思いました。
たくさんの情報を聞けたけれど、人と人をつなぐためのアクションとして何に目を向けたらいいかはまだ答えが出ていません。メンターの先生がおっしゃった「物事を実現させるために自分は動いたのだろうか。誰かがやってくれるではなく、自分自身が動いたかが大事」という言葉を忘れず、これから自分たちのアクションを実現できるようにしたいです。(北川さん)
 
 今回の話を聞いて僕は、移住者と地域との関わりには、「人柄」が大事だと思いました。なぜかというと、移住者の方に「地域の人と関わるうえでのトラブルなどはありましたか」と聞いた時に、全員が「人との関わりで困ったことはありません」と答えてくれたからです。むしろ、「地域の人の人柄に助けられている」とおっしゃっていました。移住者の方と関わる地域の人々の人柄が与える影響が大きいのだなと感じました。
 一方で、やはり移住者の方が困っていることも沢山あるのではないか、とも感じました。例えば、高齢者と接する中でイントネーションの違いなどで伝わりにくくてコミュニケーションに支障が出る、高知県は車社会なので不便、住むのに適した空き家がない、などの問題があることが分かりました。
 この勉強会は、移住者の方のための勉強会だけど、話している内容は個人の利益だけじゃなくて、地域を少しでも良くするための話し合いでもあったと思います。このような勉強会をすることは、移住者のためだけじゃなくて地域全体にとっていいことだと思いました。参加している移住者の人は日高村の人だけじゃなかったので、参加者どうしがお互いに情報を持ち寄ることによって、他の意見も取り入れられ、それぞれの地域にとっていいことが生まれていると思いました。(山本さん)
 
 今回見学させていただいた勉強会では、一人で考えるのではなく、一人が作った資料に対し皆がいろんな意見などを言っているのが良いなと思いました。そうすることで沢山のアイデアが浮かんだり、自分だけではできない発見がたくさんあるのではないかと思いました。 
移住してきた人達に移住してきてから近所で困った事など無いか聞いたら、「近所などでは特に困ったことなどがない」という答えが返ってきて、近所の人達の人柄がいいから快適に過ごせるんだなと思いました。
その他にも、「移住して自然が近くにあるからストレスが減った」というお話を聞きました。私たちからすると当たり前の風景ですが、やっぱり自然の力は凄いなと思いました。(藤田さん)

3.まとめ(佐川高校教員:武市さん)

今、学校の中だけでは学べないことを、地域の方のご協力を得て実践の中で学んでいく活動が、多くの高等学校で導入されています。今回のワークショップで生徒たちは、参加者の皆様の熱意や積極的な姿勢に大きな影響を受けたようです。

普段なかなかお会いできない、この地域で暮らすことを選んでくれた移住者の方々の生の声を聴けたことも大きな収穫となりました。私自身にとっても、貴重な機会で、大変勉強になりました。この素敵な出会いを、今後の活動にも生かしていきたいです。

いきつけいなかはこちら

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?