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日本の個人投資家はまたも見捨てられた

 本日、日本の金融史に残る重大な出来事が起こった。後世の人々はこの出来事を何と呼ぶだろう?「植田ショック」、「岸田ショック」、「令和のブラックマンデー」、「円高ショック」、現時点で色々な呼び名が出ているが、如何呼ばれるであろう?

 ピンと来ない方の為に説明すると、日経平均は42000円を突破し行き過ぎた範囲から、米国の消費者物価の弱さ、それに合わせた為替介入この二つのニュースにより初手は緩やかに下落している様に見られた。しかし、そこに日銀が利上げ観測を飛ばしてきた。みるみる株は下がり、38000円まで値を下げた。これは、世界の金融市場参加者からの叫びだ。「利上げをしたら、如何なるかわかっているのか!」この叫びを日銀は、聞こえないと言うかの様に利上げで返した。

 結果は如何だろう?市場2番目の下げ率(%)、市場一番の下げ幅(値幅)と言う歴史的惨事が8/5月曜日に起こった。利上げが行われた翌日から日本株は歴史的下落を起こしていたが、金曜日の米国雇用統計は凄まじい嵐を日本市場に舞起こした。

 米国の失業率は、4.3%と予想の4.1%より悪化していた。詳しくない方からしたら、たかが0.2%と思うかもしれない。しかし、この0.2%はとてつも無く悪い数字だ。米国中央銀行(frb)の長期失業率見通しでは、今年の終わり頃に4.2%になると予想していた。つまり、frbも読み間違えたのだ。非農業部門の雇用者数は予想の17万5千人から、6万一千人下振れの11万4千人と経済の悪化を示していた。

 7/31の金融政策決定会合以降、日本株は19%程高値から25%程値下がりをした。日本株市場は混沌の中そこら中から阿鼻叫喚の叫び声が聞こえる。そんな中、我らが政府与党の自民党幹事長様が休日に利上げをした日銀に「よくやった」と言う主旨の発言があった。この地獄が彼の見たかったものらしい、茂木敏充自民党幹事長様に対し最大限の罵倒を浴びせたい。また、河野太郎と言うだんまりを決め込む方にも早く意見を伺いたいものだ。

 兎にも角にも、今必要なことは市場を安定させることだ。何だっていい総理でも日銀総裁でも副総裁でもいい。市場を安定させる為にも、何か行動や口先介入を行なっていただきたい。バブル崩壊の時も、ITバブル崩壊の時も金融危機(リーマンショック)の時も、個人投資家は見捨てられた。自己責任だから如何なってもしょうがないと。安倍総理黒田総裁時代は良かった。市場がパニックになると、etfを買って鎮静化に努めていた。それも今年の3月廃止され、現在また日本の個人投資家は見捨てられたのだ。私の叫びが間違いであったと思わせてくれる様な対応を政府日銀に期待したい。

 株価と実態経済は関係ないと言う主旨の発言をする経済音痴共に私は声を大にして言いたい。「資産効果も、経済に対する期待の効果も、金融危機の恐ろしさも知らぬ阿呆のせいでまた失われた時を日本は歩む可能性が有るとしれ」。折角戻り始めた日本経済への期待が今回で折れないことを切に願う。

 ブレイクイーブンインフレ率(BEI)、よく期待インフレ率と言う名称で呼ばれるものだが、本日1.1%を付けた時があった。つまり2%の物価目標は全く安定的でもなければ、持続的でも無いことを綴って私の駄文はここまでとさせていただく。

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