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【「さとり」についての解説: 理論だけでは分からない、実地で分かるある事とは?】


私の高校時代には、
社会科の授業は

「政治経済」と
「倫理社会」と言う科目がありました。

以下は、その教科書にあった
仏教についての解説の図です。

(ただし、
仏教の各宗派について、
全体から理解し易いように
加筆しています。)

ちょっと複雑に見えますが、
膨大な仏典の
全体系を理解する
キッカケになるお話です。

本当の幸せになる
キッカケでもあります。

エッセンスを
詰め込んでいます。

なので、
少しだけ我慢して
読み進めてください。

_52段(仏覚)⑤
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|_51(浄土門で龍樹菩薩)
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|_41(聖道門で龍樹菩薩)
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|_30(達磨大師)
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|_10段未満(天台宗開祖の天台大師)
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仏教の究極の目的は
仏さとりを得ることです。

この世で
たとえ死に直面しても崩れない
「不退転の幸せ」に
なることでもあります。

仏さとりとは
大宇宙の真理
(人が真の幸せになる真理)
を体得することです。

「さとり」には
52の位があります。

もうこれより上がないと言う
最高無上の
52段目のさとりが
「仏」と言う「さとりの位」です。

仏覚(ぶっかく)とも言います。
先ほどの図では⑤です。

ところで、

大乗仏教のあらゆる宗派から
祖師と言われる人に
龍樹菩薩と言う方がおられます。

天台宗、真言宗、禅宗、浄土宗、そして浄土真宗をはじめ、
あらゆる宗派から
祖師と尊敬されている高僧です。

龍樹菩薩は、小さなお釈迦さまという意味で「小釈迦(しょうしゃか)」
とも言われます。

実は、、、、

龍樹菩薩は、

仏教には二つの道があると
説かれました。

《(1)聖道門と(2)浄土門です。》

これは別名
(1)難行道と(2)易行道とも言われます。

龍樹菩薩は、

上座部仏教(小乗仏教)の経典を
読破した後に、

大乗経典にて修行されました。

日本に今日存在する
ほとんどの宗派は
大乗経典に基づく大乗仏教です。

その大乗経典にて、
最初(1)の聖道門の修行をして

なんと
図③の41段まで到達されます。

遂には
(2)浄土門の修行にて

あと1段で仏と言う
図④の51段のさとり
に到達することになったと
自らの著書にて
明らかにされています。

ここで、
(1)の聖道門から
各宗派を見てゆきましょう。

(1)聖道門の修行では

①天台宗の開祖の天台大師でさえ
10段にも届かなかった
と告白しています。(図①)

②禅宗で有名な達磨大師。
手足が腐るほど修行して
30段目までと言われます。(図②)

人形にもなっている達磨大師。

人形のダルマさんが
こわい目でにらんでいるのは、
他人ではありません。

実は自分の心の弱さに
負けないように
にらんでいるのです。

なお、
禅宗の道元禅師は
「西天東土、出家在家の菩薩・祖師おほしといふとも、龍樹祖師 におよばず」(正法眼蔵 )
として、
龍樹菩薩を讃えています。

③その龍樹菩薩は、
先ほど述べたとおり、

最初は(1)の
「聖道門」の修行をされました。

龍樹菩薩でさえ
聖道門では
図③の41段までが限界だと
告白されています。

この龍樹菩薩も

最初は、
「自身の心の中に
磨けば光輝く仏性があるはずだ、、」
と修行されました。

しかし、

理論だけでなく
実地に修行してみられたところ、

そこで初めて知らされた自己の姿は

「煩悩の塊」でした。

確かに
(1)の聖道仏教は
素晴らしい教えであります。

しかし、
「その教えのとおりに」
実地に実践し
生涯をかけて極め尽くそうとした
トップの方々が、

どこまで到達出来たかを
それぞれ告白しておられるのです。

そして
「修行を極め尽くそうとして
何が知らされたか?」
です。

各宗派のトップが

仏法という
「自己の本当の姿を映し出す鏡」
に向かって何を知らされたか?

それは
「聖道門の教えのとおりに
できるような自分ではなかった!」
ということを
口を揃えて言われているのです。

これ、

大変に重要なことで、

是非とも心をフラットにして
聴いて頂ければと思います。

(2)龍樹菩薩はその後に浄土門へ

聖道門にて
図の③の41段まで到達出来た人は、

地球上では
52段目に到達されたお釈迦様の
次が龍樹菩薩です。

その龍樹菩薩でさえ、

「聖道門では、
41段目より上のさとりに
到達できる自分ではなかった!」

と告白されています。

最終は、(2)の浄土門

つまり、
「大無量寿経」に説かれる
「阿弥陀仏の本願」によって

51段(図の④の)のさとりに
到達できたのです。

この51段のさとりは
仏になることが定まっている
さとりの位でもあります。

そして龍樹菩薩は、

「全ての人が
生きている今に
もう崩れない幸せになれる道は
浄土門、弥陀の本願なのだ」

と書き遺されただけでなく、

身を挺して
勧めてゆかれました。

今回は

少し難しいお話になりましたが、

7,000巻以上もある
仏典の全体系の理解のために

崩れない本当の幸せになる
ヒントのために

少しでも参考となれば幸いです。

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