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生と性と死

興味深い鬱ゲーを見つけ、紹介動画を見たらド性癖ぽかったので実況を見ていた。

さよならを教えて ~comment te dire adieu~ (2000)

究極の鬱ゲーとか言われてたのに、紹介動画を見て大まかな流れを知っていたからか、なんなのか、思ったよりしんどくなかった。

鬱ゲーとくくられることもあるが、基本的にはアダルトゲームだ。グロとか鬱を追い求めるとエロ要素まで付いてきてしまうことが多い…

ひと通り見終わって、精神病患者の内面が見事に描かれていて、比喩もすごくて、文章がちょくちょく厨二っぽいけど表現が好きで、

あと、夕方の校舎を彷徨うっていうのがエモくてよかった。全体的に色が赤黒いのが非常に好みだった。陵辱がしばしば見られ、江戸川乱歩の芋虫を思わせるシーンもいくつかあった。

ノベル形式のゲームで、最初は普通のエモいストーリーだなーと思ってたのだが、途中からヒロイン(5人)の一部を陵辱し始め、(まあここまでは許せる)、終盤は登場人物全員を犯し終えていた。

ギャルゲの実況を見たのは初めてだったので(見たくもなかったのだが)、その唐突な色仕掛けやらに、流石ギャルゲ…と呆れるばかりであった。

ただニコチン中毒の保険医 大森となえの甘く気怠い色気はよかった。となえ先生も串刺しにされればよかったのに…と思った。

まあそれはさておき、話の方向を変えようと思う。私は2000年生まれのミレニアムベイビーだ。20世紀最後の年、しかも11月に生まれた(ダサカッコよく言ってみれば)世紀末ガールだ。このゲームも2000年に製作され、私と同じ18歳らしい。

私はアンダーグラウンド系のサブカルチャーが好きで、こういうアダルト系の範疇に少し入るような作品にしばしば出逢ってきた。(先ほどにも書いたが、「エログロ」という言葉がある通り、グロやアングラ要素を求めると、どうしてもエロ漫画やギャルゲ、怪しいクリエイター等の元へ辿り着いてしまうのだ。)


私はエロシティズムやフェティシズム特有の芸術性は美しくて好きだと思う。ただ、男性向けのアダルトゲーム(本作のような)や成人向け漫画における表現、つまり「消費されていく女性表現」は非常に苦手だ。

そこで、「そんな女性表現をポジティブに美しく或いはかわいく表現している」(女性性を消費せず美しく捉えて表現している)表現者の方がいくつかいらっしゃる。

○写真家 口枷屋モイラさん

オリジナル口枷などのポップでフェティッシュなアイテムを多く製作されています。もしもしにっぽんというサイトでインタビューの記事が載っています。https://search.yahoo.co.jp/amp/s/www.moshimoshi-nippon.jp/ja/17281/amp%3Fusqp%3Dmq331AQECAEoAQ%253D%253D


○写真家 香奈さん

月経寫眞家。淫らでありながらもキュートな女の子たちを撮っています。https://twitter.com/shinja669/status/1090263002408878084?s=20

香奈さんの作品アカウント @ettigal

○フリーモデル いおり気高いさん

いやらしさとせつなさと気高さを主なモチーフとしているようです。

○漫画家 りえちゃん14歳さん

エロ漫画ではありますが、男性が消費するという感じではなく、「女の子からみた純粋な性への関心、憧れ」を描いており、乙女心がギュッと詰まっていて、非常にかわいいです。


とりあえずここまでとしておきましょう。上にポジティブにと書きましたが、逆に現代の「性」を「ネガティヴ」に捉え、性意識に対しての若干の嫌悪感?を感じるのがこのバンドです。

○アーバンギャルド

2011年にメジャーデビューを果たし、方向性が少し変わったようにも思えますが、インディーズデビュー当初は、「あなたの処女をお守りし、あなたが童貞であることをカミングアウトできるような世の中にする」「日本の性教育を変える」という目標を掲げていました。

また、陵辱などを美としながらも、女性性を消費されていくものとして表現しているもの。かつ私が好きでもないが嫌いになることもできない表現者を紹介しようと思います。

○漫画家 氏賀Y太さん

主に女の子が痛ぶられる漫画を描いています。代表作「まいちゃんの日常」は、どんなに身体をバラバラにされたりぐちゃぐちゃにされても元の姿に戻ることができる特殊な能力を持った女の子まいちゃんの話。元に戻ることはできますが、痛覚は普通の人と同じように存在するため、ぐちゃぐちゃにされればダイレクトに痛がるようです。また、氏賀さんはさよならを教えてのクレジットで「協力」の欄に載っており、経歴が長いな…と思った。

○漫画家 早見純さん

レイプをモチーフにした漫画を主に描かれている印象です。かなり閲覧注意だと言われており、鬼畜系漫画家とも称されています。レイプした女の子は大抵身体の原型を留めることはなく、ぐちゃぐちゃに惨殺して終わります。非常に恐ろしく汚れたような作品に思えますが、実は生きることを純粋に賞賛するような美しい描写も見られるそうです。

○芸術家 会田誠さん

女性が汚れていくさまを主に描いている印象です。表情の描き方などが非常に巧みで色々もう圧巻です。女性には強いダメージを与えがちですが、絵で人の心を動かせる人だなあ凄いなあと思います。岡村靖幸さんのCDジャケットを描いたこともあったようです。

また別のジャンルだなと思うのは

○漫画家 丸尾末広さん

アングラ界では非常に有名な方ですよね。ちびまるこちゃんに出てくる丸尾くんの元ネタでもある方ですし。女性の裸体、性器、などは出てきますが、消費される感じにはとても思えないし、でも全体的には美しいんですよね。どっちかというとグロが多めですが…エログロナンセンスですね。

丸尾末広さんの代表作「少女椿」を映画化した監督TORICOさんが舞台挨拶で仰っていました。

「世の中で汚いとされていることを隠すのは本当に正しいことなのか」

ハラスメントや虐待のニュースが頻繁に流れる現代。最近表に出始めただけで、とっくに昔からそんなものはたくさん横行していたはず。その昔より現代は生きやすくなっているだろうか?答えの難しい問題である。

最初のところに話を戻すと、さよならを教えてに出てくる保険医の大森となえが言っていた。

高校の時水泳部の練習中プールで溺れたて死にかけた。そのとき天国を見て、それがとても美しかった。

と。もちろん天国を現実に見たわけではなく脳味噌の中で死の苦痛と恐怖から逃れるために勝手に作っていたのだろうと言う。

私は去年の誕生日の2日前。冷え切った夜8時頃。学校の図書室で突然心臓の鼓動が激しくなり、どれだけ擦っても手足が冷え、顔からも血の気が失せて、まさかとは思うが、「私、死ぬのかな……」と死の恐怖に襲われた。

だってどうやったって心臓の鼓動があまりに激しく、呼吸がうまくできないのだった。鳴り止まない鼓動、初めての感覚に死の焦燥を感じ、先生に声をかけ、部屋を暖めてもらって、親に迎えにきてもらい家に帰った。

話を聞くだけだと、そんなことで死なんて大袈裟なって思うかもしれないが、心臓の鼓動が激しくなり、止まらなくなるとどうしても直感的に死の気配を感じてしまうのだ。これはなった人にしか分からない。あんなに本気で死の恐怖を感じたのは初めてだった。(おそらく自律神経の乱れと生理のせいで身体が冷え切っていたためだ)流石に天国までは見えなかったが…どっちにしても二度と味わいたくない感覚だ……


そして最後に、冒頭の画像についてだが、これは先日田舎のホテルに泊まった時に寝起きした部屋だ。寝る部屋なのに赤い天井に黒薔薇ってそれはねーだろって感じだ。血や情熱を思わせる赤を見ながら床に就いたが、そのせいか一睡もできなかった。しかも天井が薄っぺらくて上のおしゃべりじいさんの声やいびきが頻繁に下に響いていた。それはねーだろ……

(ですます調になったりならなかったり乱れてひどかったのにここまで読んでくれてありがとう)

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