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開会式と分断

とんでもない世界線を生きている。

開会式から一夜明けたら、いままで山積みだった問題がすべて無かったかのように
「いろいろあったけど、選手が笑顔でよかった。今まで努力してきたんだね、最後まで無事に開催されることを祈ります。」
のコメントの嵐。

これほど無知で無責任な言葉もないよね。

「いろいろ」をたくさん語って批判してきた人も、
一夜で「スピーチよかったね。バッハは長かったけどw」である。
(バッハをいじることで、オリンピックに100%同意できてないけどある程度の批判性は持っているよアピールができるからバッハは便利である。)

スポーツ選手の威力、おそろしい。
「努力」してきた人間の「笑顔」はここまで世論をひっくり返すのである。
一夜でこれ?マジで魔法?ドラクエでも流す?(LGBT差別してたすぎやまこういちが作曲した曲だけどいいよね?)

っていうのはさておき、これはIOCも政治家も7年以上夢中になるわけだ。
やっと訳がわかった。

勝手にAが決めた期限、自分の在任中にどうしてもやりたかったが故に絞り出した「たったの」一年延期で、
コロナに打ち勝った国なんていまだどこにも存在しないのに、
どうしても強行して、どうしても早くに開催したかったわけが。

どんなに「いろいろ」あったとしても、開会式のクオリティーがどんなに低かったとしても、福島をダシにしていたとしても、
「努力」した人たちが「笑顔」になって登場すれば、
完全に脳が「日本が開催するスポーツの祭典で世界をひとつに!」という使命感に燃えるらしい。

本当にこの国の国民ちょろい。
開会式でPerfumeが「繰り返す♪このポピュリズム♪」って歌ってましたよね。
そう、これは典型的なポピュリズムである。

おそらくこの後もオリンピックの話題は続き、どの競技が凄かった!とか日本やっぱすごい!金メダル!ってなって、
次の選挙は自民党ボロ勝ちである。「なんだかんだ、よかったね。」「なんだかんだ、シンプルな開会式でよかったね」「逆に、よかったよね。」
アンガーマネージメントが天才的にうまい日本人。

どう考えても舐められているのに、ずっとずっと主君を信じて、
意見がちょっとでも多数になったら瞬間的にそっちの意見に鞍替えして、
自分がいたポジションを少数派に仕立て上げて徹底的にいじめる。
なぜなら自分の頭で何も考えてないから。
「問題ありすぎ!スポーツ選手ばっかり贔屓して。」とかボヤいてた人たちが、戦闘機5機のクオリティーの低い楕円ごときで浮かれちゃう。

開会式の動画に「アンチに負けるな!」ってコメントがあった。

「アンチ」って、、、アイドルグループじゃないんだから。。。
でも、恐ろしいことに、こういう人間は批判している人のことを本気で「アンチ」と思っていて、このどうしようもない利権国家は彼らにとってかけがえのない「推し」なのかもしれない。
自分が見つけた推しを叩く人は、単なる邪魔者「アンチ」。気に入らない!
あーまたすぐ叩いて!アンチはどこにでも沸くな全く!俺らが監視してないと推しがかわいそうだからな〜!あ!アンチ、やっぱり朝鮮由来か!そっかそっか〜。もしかしたら工作員かもしれないな!オリンピックでデモしてた人たちは全員雇われた人だって聞いたことがあるぞ!

確かにネトウヨとアイドルオタクは容姿の面で親和性高そう。

「日本には戦中からロジスティクスがない。弾も食料も何もないのに誰もが自分には権限がないと作戦を止められなかった」

と宮台真司が大塚英志と対談していたのは福島第一原発の事故についてだけど、10年経っても全く同じことが当てはまる以上、戦中から大切にしてきた宝物のような習慣なのかも。「自分の頭で考えない。行動しない。」

原発が爆発して、世界はどんどん再生可能エネルギーに切り替えていったのに、当の日本が原発を辞められない。儲かる業界があるから。上の確認がいるから。

自民党も辞められない。儲かるお友達がいるから。

ハンコも組体操も、現金も、差別も、オリンピックも、やる理由がないものを、ずっとずっと辞められない。

私が生まれてから今までずっと止まっている国、日本。

とんでもない世界を生きている。

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