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壁をぶち抜く!リノベってそんなもんでしょ?と思ってやったら超大変だった話

よくリノベーション事例で「壁を取り払い、低かった天井も壊し、開放感のある広々とした空間を作りました」って書いてるじゃないですか。「低い天井を取り払ったら、立派な梁と趣ある木の天井が現れ、それを生かすことにしました」とか。めっちゃあるじゃないですか。

私たちのリノベーションでも、やりました。「壁を取り払い、低かった天井も壊し、T H E・開放感のある広々とした空間」を作ったのでございます。

いや。これ、まじで大変だったよ。

世のリノベプロフェッショナルのみなさん「壁壊しました」とか、さらっと言わないでくださいませ。シロウトが、リノベって壁壊すんでしょ?って勘違いしちゃう。勘違いしちゃったよー。もう超大変だったから。

私たちが取り組みはじめたのは、私たちにとって2軒目のシェアハウスのリノベーションです。場所は大分県竹田市。木造二階建て、元歯医者と5D Kの住居を購入して、1軒目のシェアハウス同様、極力プロの手を借りず、自分たちとボランティアさんとでリノベーションをしようとしていました

これがその建物の外観

今回話題にしているのは、2つ目のシェアハウス予定物件の、リビングダイニングキッチン部分でございます。

畳じきの床に洋風の壁紙の不思議なデザイン
立派なソファが並んでいます
これが、壊す壁でございます

元々予定していたリビングは10畳程度の狭い(?)空間だったので、壁を壊して隣の部屋とつなげ、広く集いたくなる共有スペースをつくろうという決心をしたのです。そんな2021年春の様子をお届けします。>>詳しくは前の記事をどうぞ!


『暮らす実験室 SIKA はじまりの物語』
私たちは、大分県竹田市という小さな都市の城下町で2つのシェアハウスを運営しています。<暮らし方の実験を>をテーマにしていて、その名も「暮らす実験室」。これは2022年11月にオープンしたばかりの2つ目のシェアハウス「暮らす実験室SIKA」が、1年半のセルフリノベーションを経てできるまでのあれこれを物語として綴ったものです。<毎週金曜日更新>


みんなで壁をぶちこわーす!

壁の壊し方なんて知りませんでした。

でも「ぶち壊すんでしょ?」ってことで、単純に、バールという金属の棒で叩きつけて壊しました

ほら
穴が!

今、検索してみたら、壊し方のコツを紹介している記事がたくさんありました♡

壊した後にこうしときゃよかったと思ったことが、全部まとまっているし、気づかなかったこつもたくさん書いてあります。やっぱり情報収集って役立つんですね♩えへ。

でも、わたしたちは、無知のまま、壊したのでございます。

叩きつけ、ひっつかみ、バリバリバリと!!!

バールだけだとラチがあかないということで、丸ノコと呼ばれる電気のこぎりも登場。

四角く切り込みを入れていきます
ミルフィーユのように重なった壁

壁紙→ベニヤ→木目調の薄い板→骨組み→石膏ボードと続いていきます。分厚い!

切り込みを入れたところが突破口に
もうひとつドアみたいなのができてきた
反対の部屋から見るとこんな感じ
ベリベリベリっと剥がれる時も


勢いよく叩きつけては、引っ張る
骨組みが見えてきました!

壁を壊した仲間たち

手伝ってくれたのは、当時住人で現役大学生だったともくん。

彼は当時(2021年春の時点で)別府にあるAPU(立命館アジア太平洋学部)の学生でしたが、コロナでリモート授業が続いていたため「竹田に住んでも学生ができる」と判断し、自然と農のある生活が近い竹田暮らしの舞台としてわたしたちのシェアハウス「暮らす実験室 IKI」を選択してくれていたのでした。

東京から遊び&ボランティアできてくれていた、たえちゃんもいました。

彼女は、わたしたちが東京に住んでいた時に所属していた婚活の会社に、アルバイトとして勤務してくれていました。その後店舗内装のデザイナーとなり、休憩期間にきてくれていました。作業の方は未経験だったにも関わらず、数日間一緒に汗水たらしてくれました。

そしてわたしの背中には、当時生後4ヶ月だった、三女がおりました

他人がこれをやっていたならば「え〜!!よくやるね!すご〜〜〜!まじで〜!」と思った気がします。

でも、当時のわたしは、今はリノベーションをするタイミングだし、おんぶしてできるならやるでしょう、という感覚でした。

さすがに埃がすごすぎる時や、天井を触る時は落下物が怖いので避難しましたが、できる限りやっていたように思います。

(赤ちゃんが小さいころは休めばいいのに、なんであんなに働こう、役立とうとしていたのかは、また別途考える必要がありますね)

このガレキ、どうするの?

さて、壁が壊れてきて。床に広がる、元壁だった素材たち。

これまでにこんなにたくさんの「ガレキ」と出会ったことはありませんでした。

あれ、これどうすんの?ゴミになるの?え、どこに捨てるの?となりますよね。

木材は使えるだろうということはわかる(壊す時もなるべき大きく傷つかないようにしていました)。使えそうなものはわけて置いていきました。

その他、石膏ボードやベニヤや壁紙などが一緒くたになったものたちこれは産業廃棄物にあたるので通常のゴミには持っていけないのです。あちこちの廃棄物処理施設に連絡して、分別の仕方を教えてもらって…と大変でした。

素材別に袋に仕分けていった
廃墟館がすごい。。

ぶっちゃけると、壊す時間よりも、処理の時間の方が何倍もかかりました。他の壊した部分のガレキ処理も含めると、ゴミの分別や対応だけで合計1ヶ月くらいかかっていたかも知れません

壁を壊す時には、捨て方から学んでわけていく。分別はどう考えたって必要なんだから、ミルフィーユをパイ→クリーム→イチゴ→パイと順に食べるように、わけて壊す。これ大事ですねぇ。

自ら壊すことで知った家にまつわるゴミのスケール

でも、家のなかのたった一つの壁でも、壊したらこんなに多くの廃棄物が出ることを知れたのは本当に良かったです。私たちはこの中から使えそうなものを取り出して、釘を抜いてって処理をして、再度活用していったけれどそれでも、再利用できた木材部分っていうのは全壁の部材から1割程度だったと思います。

家ってすごい。家を壊したときに出るゴミってすごい量。改めて、家を工夫して使い続けることの意味を感じたのでした。

新築で気密性高めて断熱住宅を建てて、エネルギー効率良くしたら、二酸化炭素の排出量が長期的に見たらこんだけ減らせて…とかいろんな角度で調べたら、新築と古民家リノベの環境負荷が長期的にどうなのかとかはわからないけど。あの日壁を壊したのは、明らかに自分自身が直接出した1日あたりのゴミとしてダントツで多いものでした。

家という当たり前の存在の背景にある、こんなにたくさんのゴミたちの処理を、私は誰かにアウトソーシングして、見ないようにしていたんだな、と。

たった一つの壁で、これだけの量のゴミが出て。じゃあ、一部屋分なら。家一個なら。ビルなら?と考えていくと、衝撃的。

わたしたちは自然の循環を精一杯断ち切って空間をつくっているという事実

それに比べると。昔の日本の家ならば、木と土とわらからできていて。自然に還っていた。あー私たちって、コンクリとか石膏ボードとか壁紙とかスポンジみたいな断熱材とか、人工的な素材を使って、自然の循環を精一杯断ち切って空間をつくって籠もっているんだなぁ。

家というすでに完成されたものを商品として買うか借りるかしか知らなかった。壁を壊すことによって、家は完成した商品じゃなく、素材の集合体であり、それには来し方と行く末があるという当然のことに気づかされたのでした。

え?壁壊したけど、そのあとどうすんの?

なんとか壁を壊した私たちでした。
そして頑張って、分別して、ゴミも仕分けていきました。

で?

え?このあとどうすんの?なんか、壁壊した部分だけ、天井ないんだけど。という状況になっていました。

分かりますかね。壁を壊した箇所には押し入れもあって、その押し入れ部分には天井がなかったのです。屋根の部分まで高くなっていて、天井の高さがガタガタ。

え?どうすんの?これ?

私たちは、大工でもなんでもなく、ひたすらネットでDIY情報を集めてリノベーションをすすめていました。天井の一部がないなんて時の対応方法なんて、ネットにはでてきません。

私「どうする?これ・・・」

夫のまさし「どうするんだろう」

私「天井、とっぱらっちゃったら、すっきりするだろうね」

まさし「そりゃ、開放感は、あるよね」

私「どうする?」

まさし「いいね」

私「やっぱ、、いいよね!!!!やっちゃう!??天井も、ぶち壊しちゃう?」

まさし「うん」

迷いながらも、天井をぶっ壊してしまう事を、ノリで決定したのでした。

オフショット

ボランティアで手伝いに来てくれているみんなとの、ランチの時間は一番の楽しみでした。

地元竹田の有機農家さんから直接届けてもらっている野菜を使って、毎日ヴィーガン弁当を作っていました。

DIYが進むにつれて、我が家の三女もどんどん成長していきますよ〜


壁が壊れて、次は…天井も抜くことになる。それが次回のお話です。<毎週金曜日更新>

毎週金曜日に「暮らす実験室 SIKA はじまりの物語」を更新していきます。
何も考えず壁も屋根もぶっ壊してあたふたしたり。
シロアリ被害に泣いたり。
進まなすぎて行き詰まり?私がまさしをボコボコに殴ったり!
ほんとうにたくさんの人が助けに来てくれたり。
いろんな出来事を、書き残して行こうと思います。
ぜひ、フォローしてチェックしてみてくださいね。

>>暮らす実験室 SIKAはこんな場所




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