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やっちまったな?天井をぶっ壊したら待ってたことたち

子どもの頃、折り紙が好きでした。既存の折り方だけでなく、ちょっと工夫して新しい折り方を開発したり、1枚の折り紙を様々な大きさに切り分けて入れ子構造の折り紙の箱を作ったり。

DIYもはじめは、折り紙の延長でした。ちょっとした工夫が、自分のオリジナルの欲しいものを形づくっていくというよろこびを楽しむ。

どのタイミングが「あれ?やばい」だったのか。もしかしたら、今回紹介する「天井をぶっ壊して、天井剥き出しの、抜け感のある天井をつくっていた時」

このときに、「あれ、やばい。この規模のリノベーションって素人が気軽に手を出しちゃ、ダメだったやつ?折り紙好きだったし、できるかもって次元、完全に超えてる〜〜〜〜ギャ〜〜〜〜」に変化したような気がします。

私たちが取り組んでいたのは、2017年に移住してきた大分県竹田市につくろうとしていた、2軒目のシェアハウスのリノベーションです。木造二階建て、元歯医者と5D Kの住居を購入して、極力プロの手を借りず、自分たちでリノベーションをしようとしていました。
※前回記事で2016年と書いていましたが、2017年でした〜

これが元の空間

大きく開放感があるリビングを作ろうと、二部屋を仕切っていた壁をぶっ壊したところまでが前回。今回は、さらに天井をぶっ壊し、天井を天井として形づくるところを紹介しましょう。

題して!「あなたもできる!(※やる気と時間があれば)天井を壊して、屋根裏剥き出しの開放感ある空間を作り出すための全手順」

『暮らす実験室 SIKA はじまりの物語』
私たちは、大分県竹田市という小さな都市の城下町で2つのシェアハウスを運営しています。<暮らし方の実験を>をテーマにしていて、その名も「暮らす実験室」。これは2022年11月にオープンしたばかりの2つ目のシェアハウス「暮らす実験室 SIKA」が、1年半のセルフリノベーションを経てできるまでのあれこれを物語として綴ったものです。<毎週金曜日更新>

こちらが完成図!

まず天井をぶっ壊そう

私たち流のやり方はこうです。

バールを使って、バンバンと殴りつけ、穴をあけ、そこからひっぺがしました。

まじでシンプルです。

ただ、この方法は、正しくはないみたい。。

正しくは、壁紙を剥がし、次に板をはがし…と作られたときの手順を逆にたどるように進めていくそうです。そうすると、素材別に壊していくことができるので、壊した後の仕分け、処分がラクになるそうです。実際、私たちは壊した後の仕分けがめちゃくちゃ大変でした。

※ただ最近の物件はビス(ネジ)で、素材と素材が固定されていることが多いので、電動ドライバーでビスを取れば、解体が比較的簡単にできますが、古い物件は釘で止められています。この釘を抜くのって超難しい。もう一度やれって言われても、叩きつけて、ぶっ壊したかもしれません。

こんな大変な作業を一緒にしてくれた、ボランティアのみんな、、ありがとう。

表面の板がなくなったら、骨組みを解体する

表面を覆っていたベニヤみたいな板をぶっ壊したら、中には木でできた骨組みが出てきます。古い物件なので、それらは全部、釘でくっついています。これも、バールを使い、てこの原理を利用しながら解体していきます。

まずは横板を全部外して行って

よくわからないので力技です。

時々、電気コードがあるので、傷つけないように注意します。

この太めの骨組みも解体していきます
だんだん取れてきた!
がんばったぞ〜

埃とゴミとなる素材たち。その掃除も大事な仕事。

かわいいからのせた。
後ろ姿も、キュート

何日かかったかは覚えてませんが、とにかくぶっ壊しました。

かっこいい梁に惚れ惚れする姿。

天井をつくる下準備

やっと、壊す方から、つくる方へ突入です

天井が高い空間=寒い、というイメージがあったので、少しでも!と思い断熱対策しました。

まず足場を立てる

三角屋根の中でも低い部分は脚立で対応できますが、中央の高くなった部分は脚立では届きません。足場を組み、その足場を作業に合わせて動かしながらやっていきます。

まさか!人生で自分で足場を組む日がくるとは〜!!

脚立ってドライバーがあれば、素人でも組み立てられるようになってる
ぶら下がっても大丈夫か確認して
まずはそっと乗ってみました!

パーツを見れば、なんとなくパズルみたいに組み立て方がわかるようになっていて、すごいな〜と思いました。足場。

断熱材を敷き詰める

発泡スチロールみたいな素材のスタイロフォームって名前のものが、ホームセンターに売っています。会社によって名前がちょっとずつ違っていて、様々な厚みがあります。熱伝導率が極めて低いので、夏は屋根からくる熱、冬は冷気を取り込みにくくなるんだそうです。

最初に掃除をして。ずっと閉じられていた場所だから、ほこりがすごい

青いやつが断熱材でございます。

足場にのって屋根裏の区画を計測して、その形にあうように断熱材をカットしていきました。断熱材をスペースに「パンパンに詰める」ことが大事なんだそう。隙間があると、そこから熱や冷気が入ってきてしまいます。

ぴっちりと詰める!
大きすぎると入らないので、調整が大変!

ボランティアできてくれていたみんなと役割分担して、計測担当、カット担当と別れて対応。木造の古い家なので、スペースがきれいな長方形ではなく、台形のことが多く何箇所も計測し、斜めにカットする必要があったのが大変でしたね。

反射材を貼り付ける

断熱材の上から、反射材を貼り付けました。ネットで、夫のまさしが発見したこの素材。値段は結構するけれど、良さそう…ということで採用してみました。

使ったのは川上産業さんの建材用アルミプチ ってやつです。5層構造(アルミ・ウレタン・プチプチ・ウレタン・アルミ)になっていて、アルミ箔が輻射熱を反射してくれて、高い断熱効果があるんだそう。

手前のキラキラしたのがアルミプチ

ビフォーアフターの温度計測がないから効果のほどは不明。でもやらないより、やった方が良かったでしょう、きっと。

本来は屋根の裏側すぐに敷き詰めるらしいのですが、ここの場合は構造上難しかったので、断熱材の上に貼り付けました。

タッカーという、でかいホッチキスみたいな道具でパッちんパッちんやっていきます。

学生ボランティアの2人がめっちゃがんばってくれました!

天井に木の古材を貼り付けていく

天井の半分は木の古材を貼り付け、半分は漆喰を塗ることにしました。

しかもその古材エリアと漆喰エリアは直線ではなく、ギザギザと斜めに区切るという構想です。

広いリビングには、木と漆喰をバランスよく使いたいと思っていました。そして、その配置はランダムにしたいな、と。キッチンは木のエリア、テーブル・ソファゾーンは漆喰のエリアとするのではなく、なんとなく混じり合うようなイメージ。

というのも、キッチンが家事スペース、テーブル・ソファゾーンは寛ぎスペースと分けることなく、家事も仕事ものんびりも混ざり、流れ込むようなごちゃゴチャ感を視覚的にも生み出したかったのです。

床材を、天井にお引越し

ということで、まず木の古材エリアを貼っていきました。古材は、床を剥がしたり、壁を壊した時に出たものを活用。特に床の畳の下にあった下地材が役立ちました。床が天井にお引っ越しですね。

木もそのままは使えないので、まず釘を抜き、洗うところからスタートでした。

洗って
乾かします!

屋根の裏にある木骨組み(垂木)に、ボンドとビスでとめていきます。貼り付ける木材の長さと色味幅は、統一せずにランダムにしたかった。でも隙間ができてはいけないし、垂木がある部分に安定して固定する必要があったので結構むずかしかったです。

ボランティアのレイくんが大活躍
長さと幅の調整をしつつ進めます
全部高所でするから怖い怖い
少しずつ少しずつできてくる

木材同士の隙間をコーキングで埋める

貼り付けていった木と木の間に、時々隙間が生まれてしまいました。木自体が曲がっているし、天井も直線じゃないので当然です。

すると、間から、アルミの輝きが漏れてしまうという、かっこ悪い状態に。仕方なく、そこを茶色のコーキングで埋めていきました。

これが思った以上に大変な作業で。れいくんが2日がかりでやってくれました。

古材をペタペタ貼る前に、薄手のベニヤを貼り付けておけば、隙間ができることもなかったし、この先の手順も楽になったはず。

銀色のギラギラがなくなりました〜。

漆喰を塗るための、下地をつくる

古材を貼り付けてない方のエリアは、漆喰です。

ただ、その時点で、漆喰エリアの天井はアルミプチでギラギラに輝いています。そこに直接漆喰を塗りつけるわけにはいきません。

まず、ベニヤをアルミプチの上に貼り付けます。天井裏の木の骨組み(垂木)に向けて、ビス留めします。

大変だったのは、古材エリアとの境目。古材エリアの境目は直線ではなくギザギザさせているので、ギザギザの形にベニヤを切り取って貼り付ける必要がありました。超めんどくさく、天井の前面にベニヤを貼り付けてから、古材をはるなり、漆喰を塗るなりすれば良かったと後悔しました。

いざ!漆喰を塗るざんす

漆喰で一番大変なのは「天井塗り」だというのは、DIY経験者には定番の答え!ずっと上を向き、腕を上にあげた状態で手を動かさないといけないのです。しかも、高所なので足を踏ん張りにくい状態で。

これを一緒にやってくれたのが、ボランティアできてくれた、かおちゃんとリカちゃん。

リカちゃんは「やばいやばい。うちがやったとこ、きたなすぎる」とあわあわしていました。確かに、明確なくらい表面ボコボコだったリカちゃんエリア(笑)初めての漆喰塗りが、高所の、天井だなんて大変だったでしょう。でも、今見ると、どこがリカちゃんエリアだなんてことは全然わからない〜。全体のボコボコ感含めて素敵な仕上がりになっています。

本当にたくさんの人が手伝いにきてくれて、感謝感激雨霰じゃ足りないくらいでした。

ご覧くださいませ。この開放的な空間

そしてできた天井の様子がこちら。

その後、空間まで仕上げた様子がこちら。

う〜ん。

振り返って、改めて超大変だったけど、この写真みたら、またやっちゃうかもしれません。。。

天井の次は床…。大きな問題に気付いてしまうまさし

天井が終わって、次は、床に目を向けはじめたタイミング。

床下に開いていた穴をのぞきこんだまさしは、なんだか様子が違う梁を発見してしまいます。小さな穴がたくさん開いていて、音が軽い。。

これは…???

シロアリ被害の発見でございました。

次回はそんな、悲劇?の始まりをお届けします。


毎週金曜日に「暮らす実験室 SIKA はじまりの物語」を更新していきます。
何も考えず壁も屋根もぶっ壊してあたふたしたり。
シロアリ被害に泣いたり。
進まなすぎて行き詰まり?私がまさしをボコボコに殴ったり!
ほんとうにたくさんの人が助けに来てくれたり。
いろんな出来事を、書き残して行こうと思います。
ぜひ、フォローしてチェックしてみてくださいね。

>>暮らす実験室 SIKAはこんな場所


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